一昨日の大阪地方は夜半から未明にかけて春一番を思わせるような強風が吹き荒れました。
日中にかけては強風も収まり、春を思わせるような暖かい一日でしたが、気象台からの春一番の発表はありません。
ということは、春一番ではなかったのでしょうか?
そこで、今日はどのような条件下で吹く風が春一番なのか調べることにしました。
春一番は、立春から春分までの期間に吹くやや強い南風で、認定条件は次のようになっています。
「春一番の認定条件」
「春一番」の認定条件として、気象庁は次の4項目を定めています。
1.立春から春分の日の間に吹く風であること。
2.日本海で低気圧が発達していること。
3.風速8メートル以上の南よりの強風であること。
4.前日に比べて気温が上昇すること。
この4つの条件を満たしたとき、その年に最初に吹く風を「春一番」と言い、これ以降、同じ期間に同様の風が複数回発生した場合には「春二番」、「春三番」などと呼ばれます。
反対に上記の認定条件に当てはまらない場合は、例え風速8メートル以上の南よりの強風であっても「春一番の観測なし」とされます。
「春一番」名称の由来
ところで、「春一番」という呼び方の由来ですが、この呼び方は長崎県壱岐郡(現・壱岐市)の漁師の間で使われていた言葉なのだそうです。
1859年(安政6年)2月13日、長崎県壱岐郡の漁師が五島列島沖に漁に出かけた時、いきなり南からの突風が巻き起こり、漁船全てが転覆して53人の漁師全員が死亡したと言う遭難事故がありました。
この事故以来、春先の強風を「春一」もしくは「春一番」と呼ぶようになり、その後、全国に広まったといわれています。
気象予報士 饒村 曜(にょうむら よう)氏によれば、「春一番」という言葉を、気象関係者が使い始めたのは昭和31年(1956年)2月7日の日本気象協会の天気図日記だそうです。
この日記は毎日1枚、9時の天気図にその日の出来事等を簡潔にまとめたものです。
そして、マスコミに取り上げられたのは昭和37年2月11日の朝日新聞夕刊で、「…地方の漁師達は春一番という…」と、毎日新聞夕刊の「…俗に春一番と呼び…」だそうです。
この「春一番」が気象用語として使用されるようになったことを記念して、今日2月15日は「春一番名付けの日」とされています。