今日8月4日は2回目の土用の丑の日で、「二の丑」と言われます。
1回目は7月23日でした。
当日の弊ブログ「大伴家持のウナギの和歌」に「土用の丑の日の由来」などを記していますのでご参照ください。
ところで土用とは、一体どのようなものなのでしょうか?
そこでまず、土用について調べました。
「土用とは」
日本大百科事典によれば、土用とは五行に由来する暦の雑節です。
中国では、1年のうち、春・夏・秋・冬の四季に、木・火・土・金・水の五行をあてようとするも、四季に五つを割り当てるのはむりであることから、春・夏・秋・冬の四季に木・火・金・水をあて、各季の終わり18日余に土を当てました。
これを土用と言います。土用は「土曜用事」を略したものです。
現行暦では、太陽の視黄経がそれぞれ27度、117度、207度、297度に達したときが、それぞれ春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用の入りで、その期間はおよそ18日間です。
そして、各季の土用があけると、立夏、立秋、立冬、立春となります。
年間4回ある土用のうち、夏の土用は梅雨明けや大暑と重なり体調を崩しやすいため、最も重要視されるようになりました。
なお、五行説とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想で、万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説です。
「土用の食べ物」
食欲が落ちがちな夏の土用の丑の日には「う」のつく食べ物で「食い養生」をするのが昔からの風習で、代表格は「ウナギ」となっています。
ウナギは、疲労回復に効くビタミンやエネルギー源となる脂質をたっぷり含む滋養に富んだ食材です。
夏バテ防止に有効ですが、近年では、ウナギの養殖に使う天然稚魚(シラスウナギ)の激減で価格がはね上がり、絶滅も危惧される状態になっています。
そこで、その代わりに勧めているのが、昔から親しまれてきた「う」のつくものや土用の行事食です。
「『う』のつくもの」
・梅干し:クエン酸が疲れをとり、食欲が増進します。
・うどん:さっぱりとしてのど越しもよく、暑い日でも食べやすい食べ物です。
・ウリ類:胡瓜(キュウリ)、西瓜(スイカ)、南瓜(カボチャ)、冬瓜(トウガン)、苦瓜(ニガウリ=ゴーヤ)などのウリ類は、夏が旬で栄養価が高く、体の熱をとったり、利尿作用で体内バランスを整えたりします。
「土用の行事食」
・土用餅:あんころ餅のこと。
その昔、宮中の公家の間では「土用の入りの日に、ガガ芋の葉を煮出した汁でもち米の粉を練り、丸くまるめたものを味噌汁に入れて食べると暑気あたりしない」という風習がありました。
土用餅の餅は力持ち(力餅)、小豆は厄除けに通じるため、食べると無病息災で過ごすことができると言われています。
・土用しじみ:栄養価が高く、肝臓の働きを助けることから「土用しじみは腹薬」といわれています。
しじみには、良質のたんぱく質やグリコーゲンにタウリン(アミノ酸の1つ)、ビタミンが豊富に含まれており、他の貝と比較してみると、含まれている栄養素は群を抜いています。
しじみは、「生きた肝臓薬」とも言われるほど、肝機能の修復や活性化の効果に富んでおり、加えて、貧血の予防や疲れ眼の改善、利尿の促進や免疫力の強化など様々な効果があるようです。
・土用卵:土用に産み落とされた卵のことで、ウナギ同様、精がつくとされています。
卵には、ひよこ全身の細胞(脳や神経など)を作ったり、骨格を作ったりするために必要な栄養が全て含まれています。
栄養素としては、たんぱく質やカルシウム、鉄分のほか、人の体内では生成できない8種類の必須アミノ酸など、ビタミンCを除くほとんどの栄養素があるようです。
「丑湯(うしゆ)」
「丑湯」とは、土用の丑の日に、夏バテ防止や疲労回復のために薬草を入れたお風呂に入ることです。
この風習は江戸時代からあって、この日にお湯に浸かると無病息災で過ごせるとされています。
昔から丑湯に入れられていた薬草は、桃の葉やドクダミなどです。
どちらもあせもや湿疹などの夏の肌トラブルを和らげる効果が期待できるそうです。
緑茶やハーブティーの茶葉をお茶用のパックに入れて、湯船に浮かべれば、清々しい香りを楽しむことができます。
「暑い時期はシャワーだけ」という人もいらっしゃるかもしれません。
今日の土用の丑の日には「丑湯」に浸かり、夏の疲れを癒やしてみては如何でしょうか?