らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

富士山の山頂は何県?

2022-08-12 | 雑学

昨日は「山の日」で祝日でした。
登山をされた方も多いと思います。
中には富士山に登られた方もいらっしゃるでしょう。

静岡県と山梨県にまたがる標高3776mの日本一高い山、富士山。
富士山には静岡県側から見る「表富士」と山梨県側から見る「裏富士」があります。
どちらから眺める富士山も観光客には人気で、両県にとっては重要な観光資源となっています。
2013年には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」という名称で世界文化遺産にも登録されており、日本だけでなく世界的にも有名な山となっています。

富士山には、飛鳥時代の663年に修験道の祖・役小角(えんのおづぬ)が伊豆の島から夜に海の上を走ってやってきて富士山に登り、朝には戻っていった、という伝承や、聖徳太子が甲斐の黒馬に乗り、空を飛んで駆け上がったといった伝承が残っています。
それから現在に至るまでの約1360年もの間、多くの人が山頂を目指して富士山に登っていますが、私は宝永火口まで行っただけで、山頂には一度も登ったことがありません。



「富士山頂は何県?」
ところで、富士山を分かつ県境は国土地理院の地図によって定められているのですが、でも山頂はどちらの県になるのでしょうか? 
結論から言えばどちらの県にも属しません。
実は富士山の山頂は現在「富士山本宮浅間神社」の所有と言うことになっています。

「富士山本宮浅間大社」
富士山本宮浅間社の御由緒によれば、第7代孝霊天皇の御代、富士山が大噴火をしたため、周辺住民は離散し、荒れ果てた状態が長期に及んだとあります。
第11代垂仁天皇はこれを憂い、垂仁天皇3年(紀元前27年)に浅間大神を山足の地に祀り山霊を鎮められたことが、浅間大社の起源とされています。

古来、噴火を繰り返す富士山は「神が宿る山」として畏れられ、遙拝の対象として敬われました。
激しく吹き上げる火焔は怒る神の姿であり、荒れた富士山を鎮めるために山麓に浅間大神を祀ったのが、富士山本宮浅間大社であり、山頂は麓にあるこの神社の奥宮です。
従って、所有地と言うよりも飛び地の境内と言った解釈が相応しいかも知れません。

「山頂の所有権の推移」
山頂についてはその所有権を巡って古くから争いが繰り返されています。
江戸時代には甲斐と駿河の間で幕府を巻き込んでの争いに発展しました。
明治時代においては一度、浅間神社の管理になっていたものを政府が太政官布告などによって国有地としています。
昭和49年(1974年)には静岡県、山梨県、浅間神社の3者で所有権を巡って裁判が起きました。
そして、最高裁の判決で浅間神社の所有権が認められました。

裁判から30年後の平成16年(2004年)12月、富士山8合目以上の土地約400万平方メートルのうち約96%に当たる385万平方メートルが神社の私有地であることを認める「譲与処分書」が国と神社の間で取り交わされて一件落着しました。
富士山頂は国が「無償譲与」と言う形で神社に譲渡し、名実ともに浅間神社の土地になったという訳です。