goo blog サービス終了のお知らせ 

らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

寺院にも「狛犬」、その由来

2023-01-08 | 雑学

お正月には神社や寺院に初詣にお出かけになった方が多いと思います。
一部の寺院もそうですが、神社に参れば狛犬が出迎えてくれます。
勇ましい表情でじっと佇む狛犬は、邪気を祓い、神前を守護する意味を持っているのですが、その姿は犬というより立派なタテガミを生やしたライオン(獅子)のように見えます。
そのような動物をなぜ狛犬というのでしょうか?
そこで、今日は神社だけでなく、寺院にもいる狛犬とその由来について調べました。

「狛犬」
狛犬とは、拝殿の前や参道の要所に左右「一対」となって設置されている動物の像です。
一般的に、拝殿に向かって右側に口を開けている「阿(あ)形」と、左側に口を閉じている「吽(うん)形」が構えています。(逆のものや両方とも口を開けているものなど例外もあります)
これが対になって「阿吽(あうん)」となるのですが、この「阿吽」とは、元々、インドのサンスクリット語の最初の音「あ」と最後の音「うん」を表しており、「宇宙の最初と最後」を意味していると言われています。

「獅子と狛犬」
この狛犬は左右対象ではありません。
本来は獅子と狛犬と言われており、神社に向かって右側の口を開けた角なしの像が阿形である獅子で、左側の口を閉じた角ありの像が吽形の狛犬です。
2対を狛犬と呼ぶようになったのは江戸時代以降のことで、角のない狛犬が多くなってきて、獅子の区別がつかなくなったことからと言われています。


「狛犬の語源」
狛犬は古代インドやエジプトで、守護獣として獅子(ライオン)の像を置いたのが起源といわれており、それが中国・朝鮮半島を経て日本に伝わったことから、「高麗(高句麗)」の犬ということで「高麗犬(こまいぬ)」と呼ばれるようになったというのが定説となっています。
その他、狛犬の語源には、魔除けに用いたことから「拒魔(こま)」の犬とする説もあるようです。

「狛犬の起源」
中国から渡ってきた(唐)獅子と日本で発達した狛犬は、それぞれ別々の空想上の生き物です。
狛犬は日本で誕生し、進化した霊獣で、中国に狛犬は存在しません。

獅子の起源については、諸説ありますが、もとは古代オリエント文明で王様の座る玉座に、二頭のライオンが装飾されていた「獅子座」が起源であるという説が一般的です。
権力者が座る場所に力のある動物を描くことで、権力の座を守り、対外的に権力の力を誇示する狙いがありました。

ライオンのついた玉座が中国へ渡り、実際のライオンよりも強い空想上の動物である唐獅子へと変化し、皇帝の椅子には一対の獅子が描かれるようになりました。
この伝説の動物の唐獅子が、遣唐使と同時に日本へ渡ってきました。

「寺にもいる狛犬」
狛犬は神社以外に、寺院にも存在します。
これは奈良時代から明治元年まで存在した神仏習合(神道信仰と仏教信仰を融合調和すること)により、明治政府が「神仏分離令」を発するまではお寺の中に神社があったためです。
四国の「金毘羅さん」は今は金刀比羅神社ですが、明治初期までは金光院松尾寺で神職は存在せず僧侶が山を管理していました。
旧絵図には、鐘楼・本堂・仁王門・庫裏が存在し鳥居・狛犬もいます。

今でも、山岳寺院に行くと神仏習合の風習が残っているところがあります。
そこには神主はいませんが、鳥居・狛犬・拝殿・本殿が存在し、同時に鐘楼・本堂・仁王門・庫裏などが存在しています。