みなさんどーも。そうだいです。
非常にうれしいことに、このブログ「長岡京エイリアン」のトータル閲覧者数が、昨日で1000名を超えました。うーれしいなぁ!! 例によって駄文ばっかり書き連ねている私なんですが、訪れてくだる方々の中に、もしわずかでも定期的にごらんになられているお方がいらっしゃるとしたら……これ以上の喜びはありません。でも、そんな奇特な方いるかな?
今日は、銀座のINAXギャラリーで開催されていた、プロジェクタアーティストの赤坂有芽さんの展示会を観てきました。暗闇の中に「誰かの記憶」のような幻想的な映像が浮かび上がるという作品で、映像の雰囲気と淡い色彩の醸し出すやさしさがとても印象的でした。赤坂さん本人のアーティストトークも聞くことができたんですが、お若い方でしたのでこれからの活躍にも注目していきたいです。
そういえば、銀座に行く電車の中で、実にミステリアスな体験をしました。
久しぶりに東京に出かけるということで、私は総武線の電車に乗っていったのですが、行きに乗った車両の中で私の座席の正面に座っていた女性の方が、帰りに乗った総武線の車両の中でも私の座席の正面に座っておられたんです……私が行きに乗ったのは夕方4時半で、帰りに乗ったのは夜の8時半。たまたま、生活サイクルがあってたんでしょうか? しっかりした中性的な顔立ちが特徴的な美人でした……気づくのが遅れてしまい、声をかけるタイミングを逃してしまった自分が情けない! また逢えるかな。ムリ?
さて、「ミステリアス」といえば、私は「ミステリー」つまり推理小説が大好きです!
強引な引き込み方で申し訳ないんですが、今回はちょっと、私がガキンチョだった頃に心を奪われてしまったある名探偵について、ぶつぶつ語ってみたいと思います。
それはかつて、私が小学生になるかならないかのころ、NHKで放送されていた海外ドラマの中にさっそうと登場していた、世界一有名でエキセントリックな名探偵でした。イギリスのグラナダTVで製作された『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ(1984~94年製作・6シーズン全41話)の主人公、シャーロック・ホームズその人です。
当時、ボチボチ本を読めるようになってきた私は子供向けにリライトされた『シャーロック・ホームズ』物語にかじりついていました。そんな時にタイミングよくTVでやっていたのが、「原作に最も忠実な映像化」とうたわれていたグラナダ版『ホームズ』だったんですからもう夢中。
「あっ、あのシーンの挿し絵がそのまんまTVに映ってる!」
「そうか、文章だけじゃピンとこなかったけど、あのトリックってこういうことだったんだ!」
そりゃ毎回、ハラハラドキドキしていたもんです。私が推理小説好きになったきっかけがここにあることは間違いなさそうです。
シリーズの前半、グラナダ版『ホームズ』は原作小説の忠実な映像化という点で首尾一貫していました。もうコナン=ドイルの原作の一字一句をもらさず再現してやるという気迫が伝わってくるような感じで、私もドイルの考え出した推理トリックの数々に見事に引っ掛かってはいちいち感動していました。いや、そりゃ無理のあるネタだってあるにはありますよ? でもあの数の傑作を作りだす打率は素晴らしいですよ! しかも連載作品でなんですから……ドイルはやっぱり天才です。
ところが。グラナダ版『ホームズ』は、後半に入ってからだいぶ作品の印象が変わってきます。
まずは、ドラマのストーリーに、原作にない内容の改編が目立ってきたこと。さっきも言いましたが、ホームズ原作の全60作品すべてが傑作であるわけではありません。ましてやすべてが約50分のドラマのサイズにおさまってくれるはずもないのですから、付け足しや省略の必要が出てくるのも仕方ありません。でも、私にとってはそれ以上に気になった変化が別にありました。
それが、ドラマで主人公シャーロック=ホームズを演じた俳優ジェレミー=ブレットの外見・内面の大きな変化です。
ブレットは主にイギリスのTVドラマ界で活躍した名優(オードリー=ヘプバーンの映画『マイ・フェア・レディ』にも出演しており、一時は007のジェイムズ=ボンド役に抜擢される可能性もあったそうです)だったのですが、『ホームズ』がスタートしてしばらくしてから、持病の心臓病と躁鬱病の両方の悪化に悩まされるようになってしまっていたのです。どちらの病気の治療の影響なのかははっきりしないのですが、次第にブレットの身体は名探偵ホームズのイメージからかけ離れた肥満体になってゆき、演技も原作通りのアッパーな天才ではなく、常に何かに思い悩んでいるダウナーな天才という方向に激変してしまったのです。
主人公がホームズじゃなくなっちゃった……もともと、原作のホームズは20~40代のころに私立探偵として活躍し、49歳で引退しているんだそうです。しかし、演じるブレットはドラマシリーズが始まった時点で51歳。とはいえ実年齢よりずっと若々しいブレットではあったんですが、元気だったころはともかく、病魔に冒される姿は「永遠の名探偵」シャーロック・ホームズには似つかわしくないものでした。
懸命の治療と世界中のファンの願いもむなしく、ブレットは61歳でこの世を去ります。ホームズ原作全60作品の映像化を目指していたグラナダ版ドラマシリーズも、残り18作というところで終了しました。
子供のころ、私はシリーズ前半の本から抜け出してきたようなホームズの天才ぶりに夢中になっていました。でも、それから20年たった現在の私がよく思い出すのは、ホームズをそのまま演じることができないと自覚した俳優ブレットが見せた、生身の人間の苦悩する姿です。シリーズ後半のホームズは満足なアクションもこなせず、名推理もパッとは出てこずに苦労してひねり出さなければならなくなった病人です。しかしそこには、原作には無かった深い味わいが出ているんですね。
死の直前、ブレットが最後に演じたホームズものは『ボール箱』という作品でした。原作小説は、はっきり言ってかなり目立ちません。『赤毛連盟』や『六つのナポレオン像』といったそうそうたる傑作群とは雲泥の差です。ところが、グラナダ版の『ボール箱』はシリーズ屈指の大傑作になっていました。この最終作で、ブレットはドイルの創ったホームズを超える「名探偵」を創りだし、それをもって自分の一生の結びとしたのです。ある有名な物語と、一人の俳優の命との化学反応が見せてくれた奇跡でした。
これから先、私の人生には、そしてあなたの人生には、どんなミステリーが待っているんでしょうか?
なに、このまとめ方~! 気持ち悪くてすんません~!!
非常にうれしいことに、このブログ「長岡京エイリアン」のトータル閲覧者数が、昨日で1000名を超えました。うーれしいなぁ!! 例によって駄文ばっかり書き連ねている私なんですが、訪れてくだる方々の中に、もしわずかでも定期的にごらんになられているお方がいらっしゃるとしたら……これ以上の喜びはありません。でも、そんな奇特な方いるかな?
今日は、銀座のINAXギャラリーで開催されていた、プロジェクタアーティストの赤坂有芽さんの展示会を観てきました。暗闇の中に「誰かの記憶」のような幻想的な映像が浮かび上がるという作品で、映像の雰囲気と淡い色彩の醸し出すやさしさがとても印象的でした。赤坂さん本人のアーティストトークも聞くことができたんですが、お若い方でしたのでこれからの活躍にも注目していきたいです。
そういえば、銀座に行く電車の中で、実にミステリアスな体験をしました。
久しぶりに東京に出かけるということで、私は総武線の電車に乗っていったのですが、行きに乗った車両の中で私の座席の正面に座っていた女性の方が、帰りに乗った総武線の車両の中でも私の座席の正面に座っておられたんです……私が行きに乗ったのは夕方4時半で、帰りに乗ったのは夜の8時半。たまたま、生活サイクルがあってたんでしょうか? しっかりした中性的な顔立ちが特徴的な美人でした……気づくのが遅れてしまい、声をかけるタイミングを逃してしまった自分が情けない! また逢えるかな。ムリ?
さて、「ミステリアス」といえば、私は「ミステリー」つまり推理小説が大好きです!
強引な引き込み方で申し訳ないんですが、今回はちょっと、私がガキンチョだった頃に心を奪われてしまったある名探偵について、ぶつぶつ語ってみたいと思います。
それはかつて、私が小学生になるかならないかのころ、NHKで放送されていた海外ドラマの中にさっそうと登場していた、世界一有名でエキセントリックな名探偵でした。イギリスのグラナダTVで製作された『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ(1984~94年製作・6シーズン全41話)の主人公、シャーロック・ホームズその人です。
当時、ボチボチ本を読めるようになってきた私は子供向けにリライトされた『シャーロック・ホームズ』物語にかじりついていました。そんな時にタイミングよくTVでやっていたのが、「原作に最も忠実な映像化」とうたわれていたグラナダ版『ホームズ』だったんですからもう夢中。
「あっ、あのシーンの挿し絵がそのまんまTVに映ってる!」
「そうか、文章だけじゃピンとこなかったけど、あのトリックってこういうことだったんだ!」
そりゃ毎回、ハラハラドキドキしていたもんです。私が推理小説好きになったきっかけがここにあることは間違いなさそうです。
シリーズの前半、グラナダ版『ホームズ』は原作小説の忠実な映像化という点で首尾一貫していました。もうコナン=ドイルの原作の一字一句をもらさず再現してやるという気迫が伝わってくるような感じで、私もドイルの考え出した推理トリックの数々に見事に引っ掛かってはいちいち感動していました。いや、そりゃ無理のあるネタだってあるにはありますよ? でもあの数の傑作を作りだす打率は素晴らしいですよ! しかも連載作品でなんですから……ドイルはやっぱり天才です。
ところが。グラナダ版『ホームズ』は、後半に入ってからだいぶ作品の印象が変わってきます。
まずは、ドラマのストーリーに、原作にない内容の改編が目立ってきたこと。さっきも言いましたが、ホームズ原作の全60作品すべてが傑作であるわけではありません。ましてやすべてが約50分のドラマのサイズにおさまってくれるはずもないのですから、付け足しや省略の必要が出てくるのも仕方ありません。でも、私にとってはそれ以上に気になった変化が別にありました。
それが、ドラマで主人公シャーロック=ホームズを演じた俳優ジェレミー=ブレットの外見・内面の大きな変化です。
ブレットは主にイギリスのTVドラマ界で活躍した名優(オードリー=ヘプバーンの映画『マイ・フェア・レディ』にも出演しており、一時は007のジェイムズ=ボンド役に抜擢される可能性もあったそうです)だったのですが、『ホームズ』がスタートしてしばらくしてから、持病の心臓病と躁鬱病の両方の悪化に悩まされるようになってしまっていたのです。どちらの病気の治療の影響なのかははっきりしないのですが、次第にブレットの身体は名探偵ホームズのイメージからかけ離れた肥満体になってゆき、演技も原作通りのアッパーな天才ではなく、常に何かに思い悩んでいるダウナーな天才という方向に激変してしまったのです。
主人公がホームズじゃなくなっちゃった……もともと、原作のホームズは20~40代のころに私立探偵として活躍し、49歳で引退しているんだそうです。しかし、演じるブレットはドラマシリーズが始まった時点で51歳。とはいえ実年齢よりずっと若々しいブレットではあったんですが、元気だったころはともかく、病魔に冒される姿は「永遠の名探偵」シャーロック・ホームズには似つかわしくないものでした。
懸命の治療と世界中のファンの願いもむなしく、ブレットは61歳でこの世を去ります。ホームズ原作全60作品の映像化を目指していたグラナダ版ドラマシリーズも、残り18作というところで終了しました。
子供のころ、私はシリーズ前半の本から抜け出してきたようなホームズの天才ぶりに夢中になっていました。でも、それから20年たった現在の私がよく思い出すのは、ホームズをそのまま演じることができないと自覚した俳優ブレットが見せた、生身の人間の苦悩する姿です。シリーズ後半のホームズは満足なアクションもこなせず、名推理もパッとは出てこずに苦労してひねり出さなければならなくなった病人です。しかしそこには、原作には無かった深い味わいが出ているんですね。
死の直前、ブレットが最後に演じたホームズものは『ボール箱』という作品でした。原作小説は、はっきり言ってかなり目立ちません。『赤毛連盟』や『六つのナポレオン像』といったそうそうたる傑作群とは雲泥の差です。ところが、グラナダ版の『ボール箱』はシリーズ屈指の大傑作になっていました。この最終作で、ブレットはドイルの創ったホームズを超える「名探偵」を創りだし、それをもって自分の一生の結びとしたのです。ある有名な物語と、一人の俳優の命との化学反応が見せてくれた奇跡でした。
これから先、私の人生には、そしてあなたの人生には、どんなミステリーが待っているんでしょうか?
なに、このまとめ方~! 気持ち悪くてすんません~!!