写真は北総研内部のアトリウムと南面外観。
アトリウム内部の北側壁面を見たところ。
こちら側には北海道の地域の材料と言えるブロックが積み上げられています。
ブロックは北海道の場合、豊富に取れる火山灰を成形したもの。
このように地域の材料を使うというのは、
環境を考えていく建築評価として、高いポイントになります。
ここでは、南側ガラスの屋根からの日射を受け止めて
熱として、蓄熱させる素材として活用されています。
それが、同時にユニークなデザイン要素を構成している。
色合いといい、表面の微妙な凹凸による光のやわらかい反射ぶりといい、
たいへん豊かな質感をもたらしていて、ハードな
枠を構成している鉄骨とバランスしています。
一方右側は外部の壁面というか、開口部のようす。
旭川は大変な豪雪地帯ですが、
ルーバー状のアルミがベランダ手すり格子を構成していて
風洞効果で雪が風で飛んでいくような仕上げを行っています。
片流れの屋根の軒が大きくこの面を保護しています。
これは長期的な外壁材・開口部の保守を可能にしています。
1階はベランダが軒のように機能するように工夫され、
またややセットバックされているので、夏冬での微妙な日射取り入れをコントロール。
2階3階の庇も、同様な効果をもたらします。
1階の窓下にはスリットが見られます。これは換気用開口部。
このスリットにもルーバーが工夫されていて、
個別で、その角度が調節できるようになっています。
ひとによって違いがある快適感を考慮して、
その周辺の利用者が自分好みの爽快感を室内に取り入れることを可能にしています。
左右の写真とも、
仕上げの機能面での詳細はこんなことになるのですが、
しかし、これらをデザインとしてみれば、
なんとも美しい心地よさが感じられます。
非常にシンプルに機能を満たしていながら、
簡潔で潔いデザイン要素にももっていくというコンセプトを感じますね。
ことしくらいから、
CASBEEという建築評価が社会的に広がっていくと思いますが、
そのもっともわかりやすい事例として、
旭川にあるこの北総研建築、一回はごらんになることをオススメいたします。