三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

本日から関東住宅取材

2009年10月31日 06時43分10秒 | Weblog




さて、本日から関東での本格的な住宅取材であります。
全国発売の雑誌も手がけているので、何軒かは
取材しているのですが、今回はまとまった取材日程。
北海道と東北の取材が多いので、
関東のような人口密集地帯では経験値が少ないので、
最初は全部自分で、大体の土地勘も含めて体験したいと考えた次第。
東京では学生時代から就職しての数年間と住んでいた経験もあるのですが、
住宅取材のように、あちこちと住宅地域を歩く、という経験はない。
どうなるかなぁと。やや不安な面もあるのですが、
そういう取材者の体験すべてが、誌面に反映するもの。
予断を持たず、首都圏地域・関東の生活というものの現状の姿を
感受しながら、ルポルタージュ体験をしていきたいと考えています。

きのうは、札幌から移動して、
どうせ、きょうカメラマンと落ち合って移動しはじめるので、
都内のホテルでいいだろうと思いまして、
先日と同じホテルに宿泊して、周辺にあって気になった
「小石川後楽園」にぎりぎり時間が間に合って、滑り込んで見てみました。
4時過ぎに入ったのですが、そこに仕事の要件の電話も入ったので、
まぁ、ほとんど時間のない中での駆け足であります。
臨池式庭園で、基本的な構成は会津の大名庭園と似たような感じであります。
ただし、茶邸は池に面してはいない、というのが違うかなぁというところ。
歩いてみると、これは一種の音楽鑑賞に似たような世界だと感じました。
実際にも、水の音とか、動物たちの音とかも聞こえてきそうだし、
次々とシーンが移ろいゆく様は、
たいへん音楽的な体験をさせてくれるものなのだと思いました。
池の周囲を回遊させる順路構成になっていますが
転々と、深山幽谷であったり、
一転して天地水明であったり、という場面がほんの数歩の歩みで
場面転換していく世界。

で、どうしても建物があると、
ついそこに足が向いてしまう習性(笑)。
茶屋的な建物がありまして、名前は「丸八屋」というのだそうです。
「酒亭」という用途向きが案内書きに書いてありました。
茅葺き屋根の角度と、構造の間のプロポーションが
たっぷりの軒の出で、なかなか格好いい。
壁は窓枠のまわりが漆喰とおぼしき白壁で、
ガラスのない時代ながら、格子の木組みで外界の風景を室内に取り入れている。
軒の出が深いのは、その用途でできるだけ風雨の影響を和らげる仕掛けなのでしょう。
壁はツートンになっていて、その下側は木組みのように見えていました。
出入り口の足下には、竹の格子組が敷き込まれていて、
土や泥を落とす玄関マットがわりの装置なのだと思われます。
丸八、っていう、布団屋さんのようなネーミングは
「腹八分目」というような意味合いだそうで、
「昼の酒は九分、夜の酒は八分にしておきなさい」という意味合いだそうです。
って、昼間も酒を飲んでいたと言うことなのでしょうか(笑)。
昔のひと、というか、この庭園の主たちの放恣な暮らしぶりが
はかなくも浮かび上がってくるようなネーミングだと思わされます。

不思議空間、「大名庭園」探求でありますが、
さてさて、なんのためにこんなものを全国で作り続けたモノか、
いよいよ、ワケがわからなくなりますね。
端的に言って「搾取の象徴」という言葉しか浮かんできません。
どうなんでしょうか?






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