東北の町を歩いているとよく見かけるのが融雪溝。
写真は青森県青森市内でのものですが、
ここでは農業用に引かれていたとおぼしき用水路が
その用を足していました。
道路の反対側で、ママさんダンプで運んでいって落とす。
ちょうど大雪のあとで、除雪したあとなので
溝がほとんど隠れるようになっていました。
雪の多い地域では、いろいろな工夫がそれぞれに行われていて
温泉の出る地域などでは温水をそのまま路面に流して
温水ロードヒーティングとしているようなケースもあります。
場合によっては家の前に溝が通っているような地域もあります。
先日取材した福島県喜多方市近郊の集落では
そんな状態で流れていました。
車社会になる以前の時代には、地域の特性を明確に表したまちづくりの
大きな工夫だっただろうと思います。
このあたり、雪が降って歴史の長い東北地方ならではの光景。
ひろがえって、北海道ではこういう工夫はあまり見られない。
除雪というと、ひたすら夏場、公共事業工事に使用されるトラックを
最大限活用した陸上輸送による除雪がメイン。
大型機械による除雪の様子をアジアからの観光客に見せるツアーまであるということなんですね(笑)。
まさに公共事業投資が支えてきた北海道を象徴するようなもの。
まだ140年程度の開拓歴史しか持っていない地域なので、
まぁ、「合理的」な、やり方の方が似合っているのでしょうか。
それがまた、車社会への対応でも道路幅員の広さなど
目的的に作られたインフラにも似合っていると言うことでしょうか。
しかし、これからの低炭素社会では、さてどのように推移すべきなのか。
東北地域のこのような融雪溝は、たぶん、多目的に利用できると思うのですが、北海道ではいま、公共事業の激減にともなって
除排雪用のトラック車両の手配が、大雪などの時に難しくなっている。
どちらが、時代の変化に柔軟に対応できる工夫であるかは、
自ずとあきらかな部分があると思うのですね。
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