三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【零下10度前後の朝、氷結美を観劇する】

2019年12月25日 06時28分43秒 | Weblog
どうもことしは小雪傾向の札幌であります。
しかし寒さはこの時期の平年並みには推移しているのでしょうか。
早朝散歩時にはだいたい零下10度くらいにはなっている。
気合いを入れて出掛けますが、首回りには重厚な「襟巻き」をする。
で、口元から鼻までスッポリ覆ってしまうのですが、
歩き始めるとすぐにそのあたりが息苦しくなる。
息から水分が排出されるけれど、それがすぐに結露して
つらくなるのであります。
なので、ときどきそのあたりをずり下げて新鮮外気を呼吸する。
でも寒いのでまた上げて寒気を防ぐ、またズリ上げる、を繰り返す。
人体水分と寒気の相互作用のコントロールは、
寒冷地の冬の定番的・習慣的な生きる「戦い」であります(笑)。

そういう水分と寒気というものが面白い美感を提供もしてくれる。
写真はわたしのここ数日の散歩道、
琴似発寒川にかかる橋から川の段差部分をみたところ。
この河川では、このような高さ調整を多数行っています。
水平落差がけっこう急なので流量をコントロールする意味があるのでしょう。
ダムの放流のような箇所があちこちで見かけられます。
こういう場所では人工的な「滝」部分が水分と寒気の作用で
零下になってくると氷結の状況が独特の造形をもたらす。
水平面でも氷結平面が微妙な描画を見せてくれる。
その様がなかなか「静と動」という感じで対比的で面白い。
主役は水と寒気ということになりますが、舞台は人工的コンクリート。
それをほぼかぶりつきのような「橋」の上から毎日観劇する(笑)。
「おお、きょうは滝の凍り付きぶりが面白い」
「おお、あそこでは落水そのものが凍っているぞ」
「一方、水面はあくまで静謐に月明かり、じゃない、街灯を受けていい感じ」
みたいな歌舞伎役者の動作のようであります。
・・・まぁまるで怖いもの見たさのようではありますが。
重厚なダウンジャケットなどの防寒衣装を装着すれば、
寒さしか造形し得ない「環境美」を楽しむことができる。
たぶん住宅も同じで、高断熱高気密化することで
外気の寒さと断絶した空間から、そうした「自然のうつろい」を感受できる。
札幌では一時期、ブリザードを室内から静かにたのしむスポットが
話題になっていた。降りしきる吹雪にサーチライトを当てて
その「1/f」のゆらぎを楽しんでしまおうというスポット。
わたしも何度か、そういう景色を楽しんでおりましたが、
こういう「花鳥風月」というものは、北海道が最初に気付き楽しんでいると思う。
まだ大雪が来なくて足下は軽快で寒さだけが進行しているイマドキ、
せいぜい楽しんでおきたいと思います。
あ、でも大雪は大雪でオモシロさもたっぷりあるんですよね(笑)。
コメント
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