三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【伊礼智・つくばの家 造園は萩野寿也氏】

2019年07月11日 06時07分58秒 | Weblog
さて連載みたいに続いている「里山住宅博tukuba」。
伊礼智さんの住宅ですが、前情報はまったくなく、
さらに大混雑で住宅の説明も聞くことが出来なかったので、
あと聞きでいろいろ情報が入って参ります。
「里山」ということで周辺環境は緑豊かな環境と想像していまして、
そういう「豊かな自然環境を生かす」のだろうと想像していた。
この伊礼さんのバンガードハウスの庭を見ていて、
「ずいぶん似合った植栽だなぁ」とは思っていましたが、
あとで造園は萩野寿也氏設計という情報を得た。
氏の仕事はつい最近、山形のウンノハウス本社の大規模な造園を取材。
ランドスケープの基本構想から1本1本の樹種選定、
建築との調和、そして建築の設計思想との連携といった部分を
直接お話しを聞いていましたので、驚かされた。
また、この「里山住宅博tukuba」は展示後、販売されると聞いていたので
総体費用のことも考えれば、
まさかそういう造園家も協働されるとはまったく想定外。

たしかに住宅の内部と外の関係性には
緊密なデザイン意図が貫徹されている様子は十分にわかる。
というか、単なる造園というよりもこの住宅の意図と外部の植栽計画は
絶妙に設計的な連携を感じることができます。
建物の北側には里山の自然な景観が展開しているのに対して
南側道路側は大きくセットバックされていて、
芝生や飛び石、アプローチ木道もごく自然に感じるけれど、
それ自体としても建築的に計算されている。
木道の直線的な構成をやわらげるかのような地面のうねり表現など対比的。
特徴的なのは建物との視線の境界に列を成して高木を植栽していること。
あきらかに道路側外部からの視線遮蔽ですが、
その結果、ウチ的なソト空間が作り出されている。
先日のブログ記事でも書いたのですが、いくつもの生活空間レイヤーの
その大きな構成要素を、この造園計画が担っている。
道路から室内に至るまで、いくつもの生活空間レイヤーがある。
そういう意味ではまことに「建築的」な意図があると感じるけれど、
配置された木々植栽たちは、周辺の自然との調和を最優先しているに違いない。
あ、この部分は推定です(笑)。
萩野さんの山形での仕事の取材時に、樹種選定とその構成配置についての
詳細な考え方を伺って、その仕事ぶりから判断した次第。
遮蔽の高木の配置位置についても相当に意図が込められていると想像します。
ウチ的なソト空間のいごこちのよさや詳しい樹種や計画など、
今度機会を見て、再訪して確認できたらいいなと思いました。
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