三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

上りやすい階段

2006年12月03日 05時08分27秒 | Weblog

階段って、その家によっていろいろあります。
毎日のように取材している側からすると、
必然的に、上りやすい階段っていうことに興味を持つようになるもの。
写真は、つい先日ふたたび伺った、建築家・ヒココニシさんの自邸。
多くの住宅のプロのみなさんの見学会だったのですが、
この家の階段は、まちがいなく上りやすさ、折り紙を付けられます。
っていうことを言ったら、ちゃんと上がりの踏み段の高さや、
踏み板の寸法などをさっそくチェックした方もいました、
この家の場合、主要な居室は2階にある関係から、
とくに階段には入念な計画性が凝らされている、とも聞きました。
最後は寸法にまで至るわけですが、
まずは、左側のポリカーボネートの開口部からの採光がいい。
明るく、開放感に満ちているから、浮き立ってくる。
一本型で、すっきりとしたプロポーション。
デザイン的には、その明るい背景の中で、
厚い針葉樹合板の表面に渋い色合いで塗装仕上げしていて、
視覚や皮膚感覚にもここちよい。
また、踏み段の1段目が大きな床面になっていて、安心感をもたらす。
そのうえで、一本の野太くてシャープな鋼鉄が力強く支えてくれる。
踏み板はシャープな印象なんだけれど、板の厚みがけっこうなので、
これも繊細さと言うよりも、安心感を与えてくれている。
さらに聞いたら、踏み板の奥行きは通常よりも大きめにしているそうです。

こういうさまざまなディテールが動員されて、
使う側に、使いやすい階段、上りやすい階段、という印象を与えるのですね。
毎日毎日、体が叩き込まれるように使うものだから、
絶対に重要性が高いのです。
こういう部分、デリケートな感受性を持った作り手と巡り会いたいものですよね。
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