高断熱高気密が一般的な家の作り方になって、
その重要性が増してくるのが、換気の必要性です。
そのために24時間計画換気が導入されるのですが、
窓の開閉の仕方なども、いろいろな工夫が凝らされるようになります。
日本の伝統的な窓の開閉の仕方といえば、引き違い窓が一般的ですが、
北方圏仕様では、低気密でとても似合わない。
金物を工夫した北欧製の回転窓などが使われるケースも増えてきます。
そして、そういうなかには、窓の機能をふたつに分けたようなタイプも
増えてきているんですね。
ごらんの窓は、高い天井空間で2枚の窓を上下に二つ並べるほどの大きさです。
そして、それぞれの左右に、
「換気用の開閉窓」がセットになっています。
こちらの窓は、網戸がセットアップされていて、
必要な時期、夏場などには常時開けはなしておくことが可能です。
回転式の窓(このケースで言えば、大きい窓自体が開けられるようになっている)
の場合には、いったん開けてから網戸をセットするひと手間が避けられません。
そういう面倒さが、この様式ではありません。
明確に、窓の用途がふたつに、
外を見るための窓と、外気のさわやかさを取り入れるための窓に
機能として分離しているのですね。
そのように機能としての明確さがあらわされた窓なのですが、
一方でインテリアの表情としてみたときには、
窓枠の幅広さ、というようにも見ることができます。
それが豊かな表情を見せる木質である、ということで、
堅牢性や、重厚感といった印象をもたらせてくれていると感じます。
そして、ほかの壁や床の素材・質感と合わせて、
いろいろな表情を持たせることが可能でしょうね。
木製窓は、たとえて言えば外の風景という絵の額縁。
その額縁のバラエティと考えれば、いろいろに変化があるのもいいもの。
やはり、プラスチックやアルミという素材よりは
木製の窓という方が、より質感に満ちた空間演出が可能でしょうね。
もちろん、性能的にも高いものです。
まぁ、塗装したりしなければならないという、メンテナンスの必要性はありますが、
家の表情に風格を与えてもくれます。
北方圏住宅らしい、ひとつの空間バリエーションだと思います。
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