三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

外を見る窓、開ける窓

2006年12月04日 05時27分44秒 | Weblog

高断熱高気密が一般的な家の作り方になって、
その重要性が増してくるのが、換気の必要性です。
そのために24時間計画換気が導入されるのですが、
窓の開閉の仕方なども、いろいろな工夫が凝らされるようになります。
日本の伝統的な窓の開閉の仕方といえば、引き違い窓が一般的ですが、
北方圏仕様では、低気密でとても似合わない。
金物を工夫した北欧製の回転窓などが使われるケースも増えてきます。
そして、そういうなかには、窓の機能をふたつに分けたようなタイプも
増えてきているんですね。
ごらんの窓は、高い天井空間で2枚の窓を上下に二つ並べるほどの大きさです。
そして、それぞれの左右に、
「換気用の開閉窓」がセットになっています。
こちらの窓は、網戸がセットアップされていて、
必要な時期、夏場などには常時開けはなしておくことが可能です。
回転式の窓(このケースで言えば、大きい窓自体が開けられるようになっている)
の場合には、いったん開けてから網戸をセットするひと手間が避けられません。
そういう面倒さが、この様式ではありません。
明確に、窓の用途がふたつに、
外を見るための窓と、外気のさわやかさを取り入れるための窓に
機能として分離しているのですね。

そのように機能としての明確さがあらわされた窓なのですが、
一方でインテリアの表情としてみたときには、
窓枠の幅広さ、というようにも見ることができます。
それが豊かな表情を見せる木質である、ということで、
堅牢性や、重厚感といった印象をもたらせてくれていると感じます。
そして、ほかの壁や床の素材・質感と合わせて、
いろいろな表情を持たせることが可能でしょうね。
木製窓は、たとえて言えば外の風景という絵の額縁。
その額縁のバラエティと考えれば、いろいろに変化があるのもいいもの。
やはり、プラスチックやアルミという素材よりは
木製の窓という方が、より質感に満ちた空間演出が可能でしょうね。
もちろん、性能的にも高いものです。
まぁ、塗装したりしなければならないという、メンテナンスの必要性はありますが、
家の表情に風格を与えてもくれます。
北方圏住宅らしい、ひとつの空間バリエーションだと思います。
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