三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

築後45年住宅の柱の縮み

2007年10月09日 07時48分16秒 | 住宅取材&ウラ話




きのう、家の近くで築後45年という住宅の再生工事の見学会を見てきました。
まだ、写真撮影の了解をいただいていなかったので、
写真は撮影してこなかったのですが、
いろいろと面白かった住宅でした。
というか、やはり大規模なリフォーム工事って興味深い。
写真は、以前撮影したリフォーム工事の写真ですので、参考まで。
まず面白かったのが、使用している建材、柱の寸法。
この家では、予算の関係からか、
わざと2階の1部屋だけ45年前のままにしてありました(笑)。
まぁ、予算的にはそれほどのことはないだろうと思うので、
新築ではなく、再生型リフォームにこだわったという
建て主さんの希望だったのではと推測します。
で、その部屋に残されていた柱の寸法が何となく気になったので、
建築会社の方にお願いして、寸法を測ってみた次第。
そうすると、幅が9.5cmほどでした。
柱は、現在、というか基本的に、規格として10.5cmが基本寸法。
このことは45年前とは言っても変わらないはずなので、
この期間に、柱がやせ細った、ということができるのです。
10.5cmというのは、木材が乾燥して縮小するのを見越して定められているもの。
規格としては10cmを維持することを想定しているのです。
そういうことから、さらに0.5cm構造材が縮んでしまったのです。
約10%も縮んでしまうのが現実なんですね。
それでいて、そう大きな狂いは生じていなかったと言うこと。

まぁ、知識としては自覚しているのですが、
現実にここまで縮んでいるのを見て、乾燥のすごさと、
生きている材料なんだという驚き、それでいて、
大きな問題にはならなかったという、いろいろな意味でびっくりしたところです。

工事関係者の方にお話を聞いて、
他にもいろいろ面白いお話が聞けました。
これから、札幌でもこういう住宅だけれど、再生して使いたい、
というような需要が本格的に出てくるような気がします。
昔とは違って、住宅性能技術が向上し、一般化してきたので、
新築住宅と遜色ないレベルまで居住性能は高めることが出来る。
親が残した資産を、建築再生の工事費だけで活用できるワケなので、
新たに郊外に宅地を求めて新築するよりも、割安だし、
自分が生まれて住んでいた住宅への愛着も延命できる。
昨日触れたような人口減少局面でも、価値が高い選択と思えますね。
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