リコの文芸サロン

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ハイブリッド会議

2022-08-01 | 短歌

ハイブリッド会議(イメージ図)

会場7名、自宅7名の歌会の様子です。
 リコの歌会の東京の方はコロナ禍で2年もzoom歌会でした。
6月から対面の歌会を開催するに当たり、半数の方が家でzoomで参加したいとのことでした。
 O先生は80代ながらITにお詳しく、パソコンとスマホを使い、ハイブリッド歌会を開催されました。

★ウクライナへの侵略、爆撃が始まってもう5ヶ月経ちますが解決する気配も有りません。 
これほど長く蛮行が続くとは、悲しいことです。

始まって数ヶ月の頃はまだ、差し迫った様子は詠われていません。

許すまじ  涼風
〇百日も続くロシアの蛮行を阻止できぬのか国際社会は

〇連日のロシアの攻撃許すまじキーフの町は瓦礫と化せり

〇これ程に国際社会は無力とは恥じ入るばかり俯き歩く

〇悲しくて目をそらしたりウクライナの老若男女の戦闘訓練

〇残されしペットの世話を引き受けてキエフに残る女性の決意

〇戦場のタイヤに土盛りチューリップを植へたる乙女の無言の誇り

〇対戦車ミサイル砲を背負ひつつウクライナ兵はドローン操る

〇ライフルを壁に立てかけ戦場にバイオリン弾くウクライナ兵

★自分の気持ちを表わす手段として人生に短歌が在ることは幸せなことです。
私の母はとても賢い、バイタリティのある人でしたが、自分の気持ちを表わす手段を持たず、79歳の時に長女(享年56)が亡くなって一人暮らしに成ってからはいつも寂しそうでした。
地方の小都市では文化に触れる機会は母の時代は少なかったと思います。
 物事を短歌に詠んで客観的にみる生き方は人生の宝と成ります。
特に老境の励みと成ります。


★リコの短歌会では4名の方が最近、歌集を上梓されました。
8月号〜11月号で特集を組むことになりました。

リコの担当はN先生の歌集の感想文6名、10首選6名(60首)を
9月20日の編集部の〆切までに原稿を整える事です。

N先生の歌歴は50年近く、27歳〜70歳までの短歌が纏められています。
人生を短歌と共に歩まれた理想的な読み応えのある歌集と成っています。

8月号のS先生の歌集感想文の一部を紹介します。
〇寂寥の日日を越えて
      M・S先生 
 歌集の上梓おめでとうございます。平成二十三年以降の歌を登載した『秋寥寥』を読み、亡き奥様に対する深い思いを抱いて歌を詠み続けて来た十年の重さと歌の奥行きの深さを感じました。独り居の生活の侘しさや不安に耐えなが
ら詠んだ「独居断想」八首は、自分にしっかり向き合って詠い込んでいます。
 ひとり居の侘しとぐちは漏らすまじ夕べ遺影に手を合わせつつ(平成二十四年)
 ひとり居に心またるる時となる歌の友らと語るひととき    ( 同 右 )
 
平成二十七年の「秋寥寥」二十五首は、六年間の自分の思いを飾らず平明直截に詠い上げた亡き奥様への挽歌であり、韻律の良さも心に響きます。
早すぎし別れと最早なげくまじ巡り合いしを幸と思いて
寂寥の日日をなげかず歌詠みてせめて留めんわが心うち

〇おもかげと共に
      A・U先生
 この度は第二歌集「秋寥寥」を上梓され誠におめでとう御座います。先生のみ心を象徴するかのような静かな色合いのグラデーションの装丁の本を紐解く春の夜、更けゆく時を忘れて拝読いたしました。
 奥様を亡くされてからこの方十年。孤独感と寂寥感を抱きつつ過ごされた足跡は重く、深く読者の胸に響いて参ります。度を重ねて、広く国内外を巡られた旅行詠の圧巻。言葉平明に時流に阿らず、真っ直ぐに心を述べた韻律よき作風は人の心を引き付けます。日常詠、心象詠、叙景歌、時局詠と巾広く詠まれる中に、奥様への哀惜の玉の雫が散乱し、何時、何処にても払拭できない俤を抱く先生の哀傷歌に感涙致しました。

 六年は酔夢のうちにすぎてなお秋寥寥にわれ生きてあり

 表題のモチーフとされているこの一首。作者の真情を吐露した結句の味わい深い言葉に打たれます。益々広大な歌境を構成し第三、第四の歌集にむかってお元気に研鑽を積まれますことをお祈り致します。



コメント (2)
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