布川事件国賠訴訟・警察と検察の違法行為が冤罪を招いたと認める判決
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190527-00127594/
1967年に茨城県利根町布川で1人暮らしの男性が殺害された「布川事件」の犯人とされ、後に再審無罪となった桜井昌司さんが起こしていた国家賠償訴訟で、東京地裁(市原善孝裁判長、福田敦裁判官、佐々木康平裁判官)は27日、国と茨城県に対し、弁護費用約800万円を含むおよそ7600万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。警察の違法捜査や警察官の偽証、検察による証拠隠しが誤った裁判を招いたことを明確に認める内容で、桜井さんの名誉回復にもつながるものだ。
再審無罪の後も犯人視
この事件では、桜井さんと杉山卓男さん(2015年死亡)の2人が強盗殺人罪に問われ、無期懲役の判決を受けた。2人は無実を訴えて最高裁まで争ったが有罪が確定し服役。1996年11月に仮釈放となり、その後起こした再審請求が認められた。検察側は、この決定に2度の抗告(異議申立)をしたが、高裁、最高裁ともこれを退け、2011年5月に強盗殺人罪について再審無罪となった。
検察側は、これに対して控訴はせず、無罪判決が確定したが、捜査機関等は冤罪であることを認めず、桜井さんに謝罪もしてこなかった。このため、桜井さんが国賠訴訟を起こしていた。
この事件は、桜井さんや杉山さんと事件を結びつける直接的な証拠は何もなく、主に2人の自白や周辺の目撃証言などで有罪が認定された。(つづく)