検察官の定年延長を可能にする検察庁法の改正案について、森法務大臣は「国民の皆様の誤解や疑念については、真摯(しんし)に説明をしていきたい」と述べたうえで、法案の内容に問題はないという認識を重ねて示しました。検察官の定年延長を可能にする検察庁法の改正案について、野党側は撤回を求めているのに対し、自民党は今週中の衆議院通過を目指していて協議が行われる見通しです。森法務大臣は記者会見で検察庁法の改正案について「国民の皆様の誤解や疑念については、真摯に説明をしていきたい」と述べました。そのうえで森大臣は「一般職の国家公務員の定年の引き上げに合わせて、検察官についても定年を引き上げるものだ。また検察庁法においても、役職定年制の趣旨を踏まえた制度を導入するものであり、内容に問題はないものと考えている」と述べました。一方、記者団が、東京高等検察庁の黒川検事長の定年延長との関連について質問したのに対し、森大臣は「黒川検事長の人事と今回の法案は関係のないものだ。法案自体の内容についても、国家公務員法に合わせて数年前から検討されてきた」と述べました。
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菅官房長官「内容に問題あるとは考えていない」
検察庁法の改正案をめぐり、ツイッター上で抗議の投稿が相次いでいることについて、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「インターネット上にさまざまな意見があることは承知しているが、政府としてコメントすることは差し控えたい」と述べました。そのうえで「一般の国家公務員の定年引き上げに合わせて、検察官についても、定年を65歳まで段階的に引き上げるものであり、その内容に問題があるとは考えていない。いずれにしろ、国会審議で丁寧な説明に努めていく」と述べました。一方、菅官房長官は、記者団が定年延長はその時々で判断するのかと質問したのに対し「検察官の定年延長にあたっては、その要件となる事由に該当する場合のみが対象となると承知している」と述べました。
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国家公務員制度担当相「丁寧な説明に努めたい」
武田国家公務員制度担当大臣は閣議のあとの記者会見で「豊富な知識、経験、技術を持つ職員に複雑・高度化する行政課題に的確に対応してもらうため、国家公務員の定年を引き上げることが必要であり、検察庁法改正の趣旨・目的も同じだ。1つの法案に束ねて審議していただくことも適切だと考えており、審議にあたっては関係省庁とともに丁寧な説明に努めていきたい」と述べました。
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立民 安住国対委員長「国民を疑心暗鬼にしてはいけない」
立憲民主党の安住国会対策委員長は、会派の代議士会で、検察庁法の改正案について「新型コロナウイルスへの対応では与野党なく協力するが、譲れないものは譲れない。三権分立を侵すのではないか、安倍総理大臣が恣意(しい)的に仲のいい者を検事総長に送り込むのではないかと、国民が疑心暗鬼になるようなことをしてはいけない」と述べました。
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公明 山口代表「国民に丁寧な説明必要」
公明党の山口代表は記者会見で、検察庁法の改正案について「国家公務員全体の定年延長の一環であり、検察官も例外ではない。政府・与党で決めて国会に提出している。政府は、趣旨を国民に丁寧に説明していくことが必要だ」と述べました。
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