敵基地攻撃能力「検討」表明
緊急事態で「共同計画」
日米2プラス2 南西諸島の共同基地化も
日米両政府は7日午前(日本時間)、外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をテレビ会議方式で開きました。共同発表文書で、日本は、今年末までの国家安全保障戦略などの改定にあたり「ミサイルの脅威に対抗する能力を含め、国家防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する」と決意表明。この表現について林芳正外相は同日の会見で、「いわゆる敵基地攻撃能力も含まれる」と明言しました。
憲法違反である同能力の保有をめぐっては岸田文雄首相が初めて国会で検討を表明しており、岸田政権の憲法じゅうりんの姿勢がいっそう鮮明になりました。
共同声明は米中対立が激化する台湾情勢について、「台湾海峡の平和と安定性」に言及。「緊急事態に関する共同計画作業の進展」と表明しました。林外相は「緊急事態」に台湾有事が含まれる可能性について「差し控える」と述べ、否定しませんでした。
共同声明はさらに、南西諸島の自衛隊基地を含め「日米の施設の共同使用を増加」すると表明。米海兵隊は、東シナ海で中国艦船を抑止するために島しょ部に一時的な前進拠点を設ける「遠征前進基地作戦」(EABO)の具体化を進めており、南西諸島の自衛隊基地が日米共同基地となる可能性を示しています。
また、極超音速滑空弾などの兵器に対抗するため日米共同研究を実施することで一致。共同研究協定に署名しました。同兵器は中国やロシアの開発が先行し米国が遅れており、共同研究は軍拡競争の過熱につながります。
日本側は「防衛力を抜本的に強化する決意」を表明し、8年連続で過去最高を更新している軍事費をさらに増やすことを誓約。米側は「歓迎」しました。
米国は「核を含むあらゆる種類の能力による日本の防衛へのコミットメント」をすると表明。両政府は核抑止を含む「米国の拡大抑止」を確保する重要性を確認し、日本は核兵器禁止条約の締約国会議の開催を控え、米国の「核の傘」にしがみつく姿勢を改めて強調しました。
日本側は林外相と岸信夫防衛相、米側はブリンケン国務長官とオースティン国防長官が出席しました。
辺野古新基地推進を確認
7日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)は、「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」として沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を推進すると改めて強調。完成の見通しも立たない中、建設反対の民意を無視し、工事を強行する姿勢を表明しました。
また、全国の米軍基地で新形コロナウイルス感染が急増している問題で「日米2国間の連携の重要性を再確認した」と言及しました。沖縄県など各地で「基地由来」の感染爆発が起こり、周辺住民の怒りが強まる中、新基地建設が最大争点となる名護市長選(23日投票)を念頭に置いた動きです。
しかし、林芳正外相は記者会見で「(米軍に対し)外出制限の導入、感染症拡大防止措置の強化の徹底を求める」と述べるだけで、沖縄県が要請する「米軍関係者の入国禁止と外出禁止」には触れませんでした。 米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)移転が狙われている馬毛島(鹿児島県西之表市)での自衛隊基地建設の整備に日本政府が2022年度当初予算案に前年度の18倍である549億円を計上したことについて、米国は「歓迎」を表明しました。
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◆基地の自由な出入りであいた「大穴」
◆基地周辺の感染拡大と因果関係認めず
◆米国への「負い目」で対応ためらう?
![沖縄で1400人超の感染爆発でも岸田首相は「在日米軍が原因と断定するのは難しい」 米軍にも言うべきこと言う韓国とは大違いの画像1](https://lite-ra.com/images/kisidaabe_01_20220107.png)
首相官邸HPより
水際対策の強化や「アベノマスク」廃棄決定などによって「安倍・菅よりマシ」と評価の声もあがってきた岸田文雄首相だが、ここにきて、いよいよこの男の化けの皮が剥がれた。
岸田首相は昨日6日、沖縄県と山口県、広島県から「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請があったと発表したが、そのぶら下がりにおいて、沖縄の感染状況と米軍基地の関係について質問が飛ぶと、こんなことを言い出したからだ。
「政府としては米軍側の全ゲノム解析の結果を待っているところであり、現時点で感染拡大の原因や感染ルートを断定するということは難しいと思っている」
なんと、この期に及んでも、沖縄の感染拡大の原因が米軍にあることを認めようとはしなかったのだ。
言わずもがな、沖縄県と山口県、広島県で突出して感染が急拡大しているのは、あきらかに米軍基地の影響だ。実際、沖縄では12月中旬から米軍基地で大規模クラスターが発生し、1月3日までのあいだに県内基地9施設で確認された感染者は計832人に。これは山口県も同様で、米軍岩国基地でも米軍施設関係者529人の感染が確認されており、県内の感染者は基地のある岩国市を中心に拡大。これが隣接する広島県にも拡がっていると見られている。つまり米軍基地から外への「染み出し」によって市中感染が拡大しているというわけだ。
そして、これには裏付けとなるデータも出てきている。4日に会見をおこなった岩国市の福田良彦市長は、「感染した米軍岩国基地日本人従業員と飲食店従業員のゲノム解析で型が同一だったことから、オミクロン株が基地内の感染者を通じて市中に漏れた可能性が高い」と公表しているからだ。
にもかかわらず、岸田首相は「米軍側の全ゲノム解析の結果待ち」という理由で「感染拡大の理由が米軍だとは断定できない」などと寝言を言っているのである。アメリカのご機嫌取りに終始してきた安倍首相や菅首相と、いったい何が違うというのだろうか。
いや、そもそも本日の新規感染者が1400人を超えるという大変な状況になっている沖縄の感染拡大をはじめ、米軍基地からの染み出しを原因とした感染拡大は、あきらかに岸田首相に大きな責任がある。
前述したように、沖縄では12月16日以降、キャンプ・ハンセンで大規模クラスターが発生したが、その後も米軍関係者は基地外の街に繰り出し飲食する姿が目撃されており、さらには複数の飲酒運転まで発覚。ところが、岸田首相は「水際対策の強化」を打ち出しながら、一方で在日米軍の問題は見て見ぬふりをし、同月22日になって林芳正外相が在日米軍のラップ司令官との電話会談をおこない、感染者が発生した米軍部隊がアメリカ出国時と日本入国時にPCR検査を実施していなかったと公表したのだ。