【木原誠二官房副長官 妻の前夫“不審死”事件】故安田種雄氏の父親ら記者会見
真空地帯(前編)【昭和27年|1952年】〔出演俳優 男優:木村功 女優:利根はる恵 監督:山本薩夫〕《感想・コメント付き・なつかしい名作映画》
東京都杉並区に天空の城をイメージした映画館がある。「ラピュタ阿佐ケ谷」。館主の才谷遼さん(71)は自らメガホンもとる。自称「反核映画監督」。原発事故は今も収束していないのに、国は原発の再稼働や新増設を加速させ、処理水の放出も迫る。悲劇の後に訪れた、日本の「不条理喜劇」をスクリーンに映し出す。 (稲熊均)
原子力関連の御用学者や経済産業省の官僚らが宴会場で歌い踊る。曲は違うが、植木等さんの「スーダラ節」のようなノリだ。
「♪たまった、たまった汚染水 タンクはもうすぐ満杯だ 放出だ 薄めてしまえば判(わか)らない 海は広いな大きいな…太平洋はだだっぴろい ちょっとやそっとじゃ 判らない 問題ない」
才谷さんの脚本・監督により二〇一九年に公開された映画「ニッポニアニッポン フクシマ狂詩曲」のクライマックスシーンだ。歌はさらに続き、「いつかくる爆発の日さえ気にしなければ…町は富み、国も企業も肥え太る…ああ、素晴らしい原子力発電所…希望の光 原子力」と結ばれる。
才谷さんは、四年前のこの自作を「現実をパロディーとして描いた」と振り返りながら「今は、パロディーが現実になってしまったよ」と苦笑いする。
国会での十分な審議もなく、束ね法案可決により原発の新増設、稼働期間の延長などが容認された。処理水の海洋放出についても岸田文雄首相が「この夏」には踏み切る姿勢を強める。
「あれだけの惨事を起こしながら時間がたてば、責任も何もかも水に流してしまう。原発の危険性は変わらないのに…。この国は底が抜けてしまったのかと思う」とあきれ、原発をテーマにした新作を構想中であることを明かした。
大分県出身の才谷さんは上京して日大芸術学部映画学科に進学。「日本のいちばん長い日」「肉弾」など戦争批判をライフワークとした作品で知られる岡本喜八監督に師事した。卒業後は漫画アニメ専門誌などを手がける出版社を立ち上げながら、映画に関わる道を探ってきた。そんな時期、米国でスリーマイル島、ソ連でチェルノブイリ原発事故が起き、反原発運動にも参加するようになる。
「岡本さんは戦争を体験した世代ということもあり『反戦映画』の監督だった。ならば自分は何を撮るべきか。私たちの世代は核と向き合わなければならない。だから答えは『反核映画』でした」
ただ、すぐに監督デビューできたわけではない。本業の方で、出版した「『もののけ姫』を読み解く」が三十七万部のヒットとなり、利益約一億円を基に一九九八年、「ラピュタ阿佐ケ谷」をオープン。ジブリ映画「天空の城ラピュタ」にちなんだ名で、縁のあった宮崎駿監督の快諾も得た。今では近くに姉妹館「Morc」も持つ。
◆映画の力で風穴を
メガホンを取ったのは東日本大震災から三年後で、六十二歳になっていた。デビュー作の「セシウムと少女」は、十七歳の少女が時空を超えて冒険するファンタジーだ。原発事故直後にはセシウムのホットスポットを調べたりするストーリーで、反原発のメッセージが投影されている。監督としては遅咲きだったが、現在、構想中の作品が完成すれば、「反核三部作」を世に送り出すことになる。
映画館の方も「Morc」でスクリーンを一つ増設する予定だ。
才谷さんは今の日本について「原発問題もそうだが、おかしいことをおかしいと言えないまま同調圧力でやばいことが決まってしまう」と危惧する。そんな同調圧力に風穴をあけられる文化の一つが、多様な社会、人生、価値観を映し出し訴えかける映画だ。だから多くの人に多くの映画を見てもらいたいと考える。
自身の撮る映画では、アニメやミュージカルも盛り込み、笑いを誘い、深刻なテーマもおおらかなタッチでくるむ。「映画はまずは楽しまなきゃ。押しつけられるのではなく、見た人がそれぞれに自由に何かを感じ、考えられれば」。それが館主として、監督として共通の信条でもある。
「ニッポニアニッポン フクシマ狂詩曲」は今月二十二、二十三、二十九、三十日に「Morc」でリバイバル上映される。
水泳の世界選手権福岡大会は23日に競泳が始まる。女子の池江璃花子(横浜ゴム)は、白血病から復帰後初の世界選手権に挑む。昨年は心身の不調に苦しんだが、調子も自信も取り戻してきた。「この場所に立てることに誇りを持ち、レースしたい。ただいま、という気持ちで」とスタート台に上がるのを心待ちにする。
◆昨年は不調「突っ走ってきたツケが」
個人種目では初日の100メートルバタフライに始まり、100メートル自由形、50メートルバタフライ、50メートル自由形の4種目にエントリー。発症前の体力が戻ったとは言えず、短距離に絞った。決勝進出を目標に掲げ、注力するのは大会終盤に控える50メートルバタフライ。「タッチ差の世界。1ミリも気を抜ける瞬間がない」と闘志を燃やす。リレーを含めると厳しい日程になるが、「来年(のパリ五輪)に向け、タフなレースを積んでいきたい」と覚悟の上だ。
2019年に白血病を公表し、驚異的な回復で21年東京五輪のリレー種目に出場。昨年は一転、故障や体調不良が重なった。「病気をしてからずっと無理して突っ走ってきた感じがあったので、ツケが回ってきちゃったのかな」。気持ちが沈み、前向きな言葉を口にできない。「どんなに頑張っても、自分を肯定できない」とこぼしたことも。それでも、「世界で戦いたい」という思いは持ち続けた。
今年に入って好転し、福岡大会の代表選考会を兼ねた4月の日本選手権で4冠を達成した。5月には久しぶりに海外遠征へ。欧州で3戦をこなし、50メートルバタフライで表彰台にも上がった。「海外選手を見て、経験や学びが得られた。充実していた」とはつらつと振り返る。
東京五輪出場は「奇跡の復活」とたたえられたが、本人は満足していない。福岡大会は東京で見せられなかった「個の力」を世界に示すチャンス。「池江がちゃんと戻ってきたと証明できるレースをしたい」。焦がれた戦いの舞台へ、23歳の不屈のスイマーは爪を研ぐ。(兼村優希)
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