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統一協会(世界平和統一家庭連合)が本拠地である韓国・清平(チョンピョン)で建設中の豪華施設「天苑宮(てんえんぐう)」の建設費用が関連施設を含め、日本円で約511億円に上る可能性があることが30日、本紙の調べで分かりました。関係者らは、建設資金のため信者への献金要請が強まることを懸念しています。(統一協会取材班)
天苑宮建設は、統一協会の韓鶴子総裁が2013年から推進しています。協会が公開した映像によると本館は白亜の石造建築物です。エントランスタワーから本館までは236メートルあります。
統一協会関連企業である韓国の「鮮苑建設」の監査報告書(2022年度)によると、同社は「天苑宮新築工事(仮設食堂含む)」を約476億2900万円で請け負っています。ほかにも、天苑宮の造園工事、警備室新設工事を受注しています。
天苑宮には付属して、各種公園もつくられています。今年5月には、関連施設である「HJ花鳥苑」の奉献式が行われ、韓総裁が出席。先の監査報告書によると鮮苑建設はHJ花鳥苑を約16億4200万円で受注。同じく関連施設「彫刻公園」の駐車場新設工事を約11億7600万円で請け負っています。
これらを合計すると約511億円となります。監査報告書から計算すると、22年度の時点では約191億円がまだ支払われていないことになります。
統一協会は天苑宮を「地上天国のモデル」と称しています。昨年5月には、統一協会のネット番組で、「真のお母さま(韓総裁のこと)は、寝ても覚めても天苑宮の完工のため、随時建設現場を訪れ、陣頭指揮をしておられます」と放映。天苑宮に対する韓総裁の執着ぶりを紹介しています。
統一協会の元幹部によると、清平の開発は協会の開祖文鮮明の死去後、妻の韓総裁の代になって加速。この元幹部は天苑宮建設について協会内では「韓総裁の権勢を高め、『天に栄光を返すため』といった解説になっている」といいます。
統一協会は天苑宮建設のため、日本の信者1家庭あたり183万円の献金を求めていました。勅使河原秀行・協会改革推進本部長は昨年10月の会見で天苑宮建設費について、「(日本協会の)予算(の削減)にかかわらず、たぶん韓国に送ることになる」と述べています。元幹部は「献金要請は当然、日本に行くと思います。日本協会本部は『我々がしなければ』とならざるを得ないのではないか」と指摘します。
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世界水泳2023福岡大会第17日 大会を終え、集合写真におさまる日本選手団(撮影・岩下翔太)
<競泳:世界選手権>◇30日◇最終日◇マリンメッセ福岡
22年ぶり自国開催となった世界選手権が幕を下ろした。
競泳の日本代表はメダルなしに終わった94年ローマ大会後では最低となる銅メダル2個(男子400メートル個人メドレー=瀬戸大也、男子200メートルバタフライ=本多灯)。目標に掲げた前回超えの5個には届かず、決勝進出も18レースと全体の約30%にとどまった。
外国勢が世界記録を連発する中で、日本記録はゼロ。開幕まで1年を切ったパリ五輪へ多くの課題を突きつけられた。
◇ ◇ ◇
連日大歓声に包まれた8日間の競泳を終え、21世紀に入って輝きを取り戻していた「競泳ニッポン」は現実を突きつけられた。
パリ五輪に向けたプロジェクトチームの平井伯昌リーダー(60)は「正直に言うと『弱くなる時は、こんなに一瞬なんだ』という感じがある」と危機感を募らせた。
◆緩めた代表選考
選考会だった4月の日本選手権では、今回の代表40人のうち、入賞候補の派遣標準記録突破者は10人。多くの選手を国際舞台に立たせる狙いから、大所帯で世界選手権に臨んだ。横山貴ヘッドコーチ(HC)は「パリをすごく意識している選手と、福岡に出ることが最優先の選手が二極化した」。梅原孝之強化委員長は「パリに向けては勝負の集大成」とし、選考基準を上げて絞ることを示唆した。
◆代表合宿の減少
日本選手権直後、世界選手権直前以外に全体がそろう合宿を行えなかった。コロナ禍で合宿を避けてきた流れを引きずり、平井リーダーは「選手とコーチ個人で頑張っている感じ。20年前に戻ってしまった」と各所属先に委ねる形の現状を分析。過去にオーストラリアとの対抗戦などで競い合った例を出し「強かった時にはどんな要素があったのか、もう1度考えないといけない」と代表として高め合う環境の利点を示した。
◆春からの調整
今大会の日本新記録はなし。日本選手権からタイムを落とす選手が大多数となった。強豪オーストラリアや米国は大会1カ月ほど前に選考会を行うが、日本は春に選考会、夏にかけての海外遠征や合宿が通例。平井リーダーは「いろいろ考え直す時期にきている」と中長期的な目線で日程を見直す可能性にも言及した。【松本航】
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吉村洋文大阪府知事SNSより
連日大きく報道されている、中古車販売大手のビッグモーターによる保険金不正請求問題。顧客から預かった車を故意に傷つけるという手口の悪質さのみならず、前社長が社員に責任を押し付けた会見の内容などもあり、マスコミはここぞとばかりに大々的に報じている。
たしかにビッグモーター経営陣のコンプライアンス意識の欠如やガバナンス不全の実態は酷いが、マスコミ報道がここまで過熱するというのは異常ではないか。ビッグモーター以上に問題をはらんでいる木原誠二官房副長官の警察捜査介入疑惑やジャニーズ性加害問題はほとんど報じないくせに、ビッグモーターにはとことん食いついて叩きまくる──。ようするに、叩ける相手は叩き、叩きづらい相手にはダンマリを決め込んでいるにすぎない。
だが、醜いのはマスコミだけではなかった。大阪府の吉村洋文知事がビッグモーター問題に絡んで、あ然とするようなブーメラン発言をして、ツッコミが殺到しているのだ。
一連の報道のなかでビッグモーターが店舗の前にある公道の街路樹に除草剤を撒き、枯らせていたという問題が発覚したが、吉村知事が26日、SNS にこんな投稿をした。
〈大阪府内でも不自然な枯れ木案件が見受けられましたので、担当部局に調査の指示をしました。街路樹は公共物ですので、調査すべきと考えてます。〉
パビリオン建設の遅れをはじめとする大阪・関西万博問題の渦中にある吉村知事だが、そんななか、ビッグモーターの除草剤使用問題にいち早く食いつき、“すばやい対応”をアピールしたのである。
だが、「街路樹は公共物」とはよく言ったものだ。というのも、大阪市では住民への説明会の開催などもないまま街路樹などを大量に伐採しており、2022年度から24年度にかけて、大阪城公園などの公園樹も含めて約1万本を撤去する予定。この問題が報じられた今年2月には、SNS上で「身を切る改革」ならぬ「木を切る改革」だとして批判が巻き起こったばかりだからだ。