よき時、それはかつての栄光ではなく、光あふれる未来のこと。
いつか、愛する者たちを招いて晩餐会を——
九十歳の記念に祖母が計画した、一流のフレンチシェフと
一流の食材が織りなす、豪華絢爛な晩餐会。
子どもたち、孫たちはそれぞれの思いを胸にその日を迎える。
徳子おばあちゃんは、なぜ出征が決まった青年と結婚したのか?
夫の戦死後、なぜ数年間も婚家にとどまったのか?
そしてなぜ、九十歳の記念に晩餐会を開くことにしたのか?
孫の綾乃は祖母の生涯を辿り、秘められた苦難と情熱を知る——。
一人の命が、今ここに在ることの奇跡が胸に響く感動長編!
著者紹介
宮本 輝
1947年兵庫県生まれ。
追手門学院大学文学部卒業。
78年「螢川」で芥川賞。
10年秋に紫綬褒章、
20年春に旭日小綬章を受章。
90歳の徳子おばあちゃんがステキ! 息子も孫も敵わない。
徳子さんは小学校の先生だった。教養豊です。
書道も一流で、孫の綾乃は7歳の頃から手ほどきを受けた。
中学生の綾乃に、徳子おばあちゃんは王羲之おうぎし の
「蘭亭序 らんていじょ」と
顔真卿 がんしんけいの「祭姪文稿 さいてつぶんこう」を与えた。
私は書道を習っていたので、知っている名前だったので読んでいて
ちょっと嬉しかった。
綾乃の実家は近江八幡で、私は関西の地名等が分かりません。
京都や幾つかの地名が出てきます。想像しながら読みました。
綾乃が家族と話す時は関西弁(滋賀県の言葉?)で、
とても柔らかい感じが良いです。
最後は温かい涙で読み終えました。
友人が宮本輝のファンと言っていたので、
LINEでこの本を読んだと送ったら、「少し前に読み終わりました。
一人一人が魅力的に書かれていますよね。」と返信が来ました。
エッセイは読んだことありますが、他の小説も読みたい。