ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

エッセー ~この1年~

2015-12-29 | 日記
リハビリに明け暮れた1年でした。
それは年明け早々の骨折で始まりました。3か月の入院。転院して6か月のリハビリ。外来通院のリハビリは週1回でしたので、それ以外の日は少しずつ歩く距離を伸ばしながらの自主リハビリ。冬場を迎え少し歩く距離が短くなってしまいましたが、今も自主的なリハビリは続けています。不安もあり、杖はまだまだ手放せません。

              

当初1~2か月で元のように歩けるものと軽く考えていました。しかし、杖でようやく2・3百米歩けるようになったのが3月末の退院時でした。転院した病院で、骨がつき一定程度の距離を歩けるのは1年ぐらいかかると言われ、正直のところがっくりしました。骨が簡単につくはずはないのです。衰えた筋力が数日や数週間で戻るなんてありえないのです。

たくさんの人に励まされてきました。今、少しずつむくみが取れてきた足首をみながら「リハビリは嘘をつかない」と言って励ましてくれた病院の介護士さんを思い出します。PTの先生が「みんな応援してるんですよ」と気落ちする私を叱咤激励してくれたことも思い出します。

                  

先日亡くなられた時代小説の宇江佐真理さんの「乳癌リポート」を読んだのは病院のベッドの上でした。人はいつか必ず死を迎える。せつなくしかし淡々とした覚悟を感じさせられました。

             

時折、杖をつきながら外出しています。見回すと、地域には杖で歩いている人がたくさんいるのです。私よりもはるかに歩きのつらい人も頑張っています。自分が大変だなどと言うのがはばかられるくらいです。
バスや電車では思いのほか席を譲って下さる人がいます。必ずしも元気そのものとは言えないような方も席を替わってくれます。残念ながら、学校で思いやりを学んでいるはずの子どもたちから譲られることは少ないです。でも子どもたちはわかっているんです。背中を押してほしいと思っているんです。

                          

先日東京ドームに行った際に、隣接するビルの2階にエスカレーターで行き、中華レストランで食事をしました。食事後店を出て、店のすぐ前のエスカレーターのところにくると、下りのエスカレーターはありません。まあいいやと階段を降りようとすると、後ろから店の方が来て、エスカレーターを下りに切り替えてくださいました。「ありがとうございました」の声に、心のこもった響きがありました。

             

来年もまだまだリハビリは続きます。今度は介護通所施設でのリハビリです。励ましを受けたたくさんの人に何かお返しできるものはないか、そう思いながら過ごしていこうと思っています。皆さんこの1年本当にありがとうございました。

             
コメント
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