現代美術家の三島喜美代さんが6月19日に亡くなられ
ました。91歳でした。
このことは新聞報道(6.27読売)で知ったのですが、
そもそも三島さんという美術作家のことは全く
知りませんでした。
国内の美術館だけでなく、大英博物館やシカゴ美術館にも
その作品が収蔵されているそうで、世界的な美術作家
なんですね。
新聞で、練馬区立美術館で特別展が開かれて
いることを知り、早速に、出かけてみました。
この展覧会は、5.19から始まっていて、
7.7まで開催中です。
三島さんはこの特別展を見届けるようにして、
天国へ旅立たれたわけですね。 合掌。
展示作品の説明パネルによると、三島さんは
1970年頃から、「土を紙のように薄くのばし、
シルクスクリーンや手書きによって陶土の表面に
新聞やチラシの文字を転写して焼成するー
この技法によって「割れる印刷物」を生み出した」
のだそうです。
それがわかるよう、作品(オブジェ)が、
実際に触れることができるコーナーに
展示されていました。題名は「空き缶」です。
手にすると、もちろんアルミ缶ではなく、
本当にずっしり重い陶(焼き物)なんです。
驚きです。
さて、写真の枚数は多いですが、
以下をご覧ください。
これらは実物大のチラシ・広告・新聞紙など
まるで本物のように見えます。
とても「陶」とは思えません。
くしゃくしゃの新聞紙や木箱などの作品もびっくりです。
段ボール箱などの作品にいたっては、表がめくれたり、
破れていたり、歪んでいたり。さらには空き瓶など。
これが「陶」でできているとは、とても信じられません。
三島さんは、80年代頃から、
実物大の作品を越えて、巨大な作品づくりを
手掛けられています。
コンクリートの柱に、チラシや新聞などの
ゴミが詰まっている作品は、縦に2mはあった
ような気がしますし、漫画雑誌も横幅は2m
くらいはありました。
鉄製の屑籠に入ったボール箱や空き缶、
車輪など廃材のオブジェなど、作品は
大量消費社会のゴミ・環境問題に目が
向けられています。
また、三島さんは、インスタレーションという
表現方法で、巨大なオブジェをつくりあげて
います。
インスタレーションというのは、室内や室外の
場所や空間全体を、オブジェや装置などで、
芸術的な空間として呈示する手法のようです。
上の写真は、一つの展示室全体にレンガが
敷き詰められ、その一つ一つのレンガに、
過去から最近までのニュースを伝える新聞が
転写されています。
三島さんは、大量消費社会・大量情報社会の
問題、大量のごみなどの環境問題を、
ユーモアを込めて提起しているのだそうです。
私には解説する知識がありませんが、芸術には
すごい力があることを感じた一日でした。
驚きです。ma_kunさんは、三島さんの作品を
ご存知だったのですね。三島さんの、豊かな
発想力と技量、鋭い観察眼はどこから生まれて
きたのか。亡くなられたことは、本当に残念です。
技法を開発して、作品につくりあげる
努力は大変だとおもいます。
着想というのか、発想というのか、
何と言っていいかわかりませんが、
芸術家の凄さを感じます。
あるのですが最近見ないと思っていましたが
亡くなられていたのですね。
スイレンにハスと水辺の花も見ごろになってきました。
視点を変えると、いろいろアート作品になるんですね。