中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

チョコレート

2010-02-08 10:45:49 | 身辺雑記
 バレンタイン・デーが近づき、あちこちでチョコレートの売り出しが始まっている。近くの私鉄のターミナルにあるデパートでもいろいろな店が出て、それぞれのチョコレートを売っている。



 バレンタイン・デーに女性が男性にチョコレートを贈るのは日本だけの風習とかで、欧米では男性から女性に花やケーキやチョコレート、カードなどを贈るのだそうだ。中国でも都市部では最近は盛んで、「情人節(チンレンジエ」と言う。情人は恋人だ。この日は男性は女性にバラの花を贈るので、店頭のバラの値段は普段の何倍にもなるそうだ。中国では日本の風習も入り、3月14日は「白色情人節」(ホワイトデー)で、男性はまた贈り物をするのでかなわないとぼやくらしいということも聞いた。中国の最大の行事の春節(旧正月)は、今年は2月14日でバレンタインデーと重なる。賑やかなことだろう。

 バレンタインデーのチョコレートは本来は女性が意中の男性への愛情の告白の手段とされていたが、今では「義理チョコ」などがある。義理チョコは会社の上司や同僚など日ごろ世話になっている人へ贈ることが多いようで、これもいかにも日本的な特徴だ。中には特に世話になっているわけではなくても満遍なくしておいたほうが角が立たないという配慮もあるらしく、なかなか気骨の折れることだ。贈られる男性のほうも、「明らかに安そう」とか箱のショボさや中身の少なさなどで価格的に判断して、もらったからと言って有頂天になる能天気者もいないようだ。ある調査では義理チョコを贈る相手のトップは意外にも父親だそうだ。私には娘はいないからもらうことはなかったが、妻からもらったかどうかは覚えていない。

 学校勤めしていた頃、女生徒が教師に義理チョコを贈ることは少なくなかったようだが、中には年頃の純情さで「本命」のつもりで贈った子もあったかも知れない。ある若い教師は少々軽薄で、それなりに人気があったのかかなり贈られて、今年は何個来たと自慢し、そのくせただの1個も同僚に分けようとしないのでいささか顰蹙を買い、冷笑もされていた。

 それにしてもチョコレートは高い、と言うよりもピンからキリまであって、高いものはなぜこんなに高いのかと、チョコレートは好きだが平生は安いものしか食べていない私は、ショーケースに並ぶさまざまなチョコレートを見て溜息をつく。しょせん貧乏性なのだろう。

 1粒336円。外国の有名なG社の製品。このデパートにはないが、もっと高価なものもあるそうだ。


 1ケースが3000円前後。私にはずいぶん高く思えるが、平均的なものなのかも知れない。


 これは比較的安い。


 バレンタイン・デーになぜチョコレートなのかと言う歴史はよく分からないようだが、これまたどうやら製菓会社が仕掛けたことらしい。最近はますます商戦は過熱して、それにつられてこの日は1年中で最もチョコレートが食べられる日になった。覚めて考えるとコマーシャリズムに踊らされているバカバカしいことだが、それなりにほほえましい行事とも言える。あまりの過熱状態に辟易して、いい加減にしておこうやという動きもあると聞いたが、蟷螂の斧の類なのではないだろうか。