私の住む市に、岡山県の最西北端にある新見市阿新地域の農業協同組合,「JAあしん」のアンテナショップがあり、現地直送の農産物や肉類を販売していて、結構評判はいいようだ。販売品の中に鶏卵があるが、木曜日と土曜日には普通の卵と一緒に「元気にこにこ卵」という卵を売っている。これは俗に「双子卵」あるいは「にこたま」と呼ばれる卵黄が2つ入っている二黄卵だ。
二黄卵は普通の卵にも稀にあるが、そのほとんどは、産卵開始後間もない若鶏が産んだものだそうで、排卵のリズムが一定しない時に卵黄が連続して排卵されるために起こると言う。1羽の鶏が産卵を開始してから廃鶏として処分されるまでに二黄卵を産む確率は1~2%とだそうだから本来は珍しいものだが,気味が悪いとされることもあるようだ。その反面、珍しいからと言うので縁起物とされることもあると言う。
外見は普通のものよりも大きく、重いから見分けがつきやすい。
縦割りしたゆで卵。
二黄卵を人為的に多産させようという研究が1970年代から米国で行われて、二黄卵発生率が 30% という鶏種が作り出されたと言う。実用鶏種では 20%程度らしい。国内でも実用化に向けた品種改良の研究が進み、餌を与える条件で二黄卵発生率を高める方法も明らかになっているそうだ。「JAあしん」では二黄卵発生率を高めた鶏種を使っているのか、それとも若い鶏を大量に飼育していてそれが産むものから二黄卵を選抜しているのかは分からない。
売っている二黄卵は無精卵だが、もし受精したら二羽の雛が生まれるかと言うとそうはいかないらしい。狭い殻の中で2つの個体が大きくなっていくと、互いに圧迫して結局は両方とも死んでしまうのだそうだ。
卵をフライパンで焼く料理を「目玉焼き」と言うが、2個の卵を同時に焼くのを本来の「目玉焼き」と言い、1個の場合は「片目焼き」と呼ぶ地方があるそうだが、二黄卵を使って焼けば、問題なく「目玉焼き」になる。
卵は戦後間もなくは貴重品だった。中学生の頃、遠足の弁当に母がゆで卵を1個つけてくれたのがとても嬉しかったが、いざ食べる段になって、持ち運び方が乱暴だったのか、とても細かくひび割れしてまったく殻がむけない。もちろん捨てることなどは考えられもしなかったから、止むを得ず殻ごと食べてしまったことがあった。50年前に教師になってからクラスの生徒達とピクニックに行った時、皆が持ってきたゆで卵が多くて食べ切れないのを帰る時に平気で捨てるので、ああ、もったいない、中学の頃から10年ちょっとしかたっていないのに変わったものだと思った。今では大量に生産され値段も安く、30年前と変わっていないということで、価格の優等生などとも言われる。「JAあしん」の二黄卵は5個で150円、1個あたり30円だから安いものだ。それでも頭の片隅には、いまだに卵は貴重品という記憶のかけらが残っている。
二黄卵は普通の卵にも稀にあるが、そのほとんどは、産卵開始後間もない若鶏が産んだものだそうで、排卵のリズムが一定しない時に卵黄が連続して排卵されるために起こると言う。1羽の鶏が産卵を開始してから廃鶏として処分されるまでに二黄卵を産む確率は1~2%とだそうだから本来は珍しいものだが,気味が悪いとされることもあるようだ。その反面、珍しいからと言うので縁起物とされることもあると言う。
外見は普通のものよりも大きく、重いから見分けがつきやすい。
縦割りしたゆで卵。
二黄卵を人為的に多産させようという研究が1970年代から米国で行われて、二黄卵発生率が 30% という鶏種が作り出されたと言う。実用鶏種では 20%程度らしい。国内でも実用化に向けた品種改良の研究が進み、餌を与える条件で二黄卵発生率を高める方法も明らかになっているそうだ。「JAあしん」では二黄卵発生率を高めた鶏種を使っているのか、それとも若い鶏を大量に飼育していてそれが産むものから二黄卵を選抜しているのかは分からない。
売っている二黄卵は無精卵だが、もし受精したら二羽の雛が生まれるかと言うとそうはいかないらしい。狭い殻の中で2つの個体が大きくなっていくと、互いに圧迫して結局は両方とも死んでしまうのだそうだ。
卵をフライパンで焼く料理を「目玉焼き」と言うが、2個の卵を同時に焼くのを本来の「目玉焼き」と言い、1個の場合は「片目焼き」と呼ぶ地方があるそうだが、二黄卵を使って焼けば、問題なく「目玉焼き」になる。
卵は戦後間もなくは貴重品だった。中学生の頃、遠足の弁当に母がゆで卵を1個つけてくれたのがとても嬉しかったが、いざ食べる段になって、持ち運び方が乱暴だったのか、とても細かくひび割れしてまったく殻がむけない。もちろん捨てることなどは考えられもしなかったから、止むを得ず殻ごと食べてしまったことがあった。50年前に教師になってからクラスの生徒達とピクニックに行った時、皆が持ってきたゆで卵が多くて食べ切れないのを帰る時に平気で捨てるので、ああ、もったいない、中学の頃から10年ちょっとしかたっていないのに変わったものだと思った。今では大量に生産され値段も安く、30年前と変わっていないということで、価格の優等生などとも言われる。「JAあしん」の二黄卵は5個で150円、1個あたり30円だから安いものだ。それでも頭の片隅には、いまだに卵は貴重品という記憶のかけらが残っている。