Riversideについてです。（その7）

61年の年明けにScott La Faro、Paul Motianと一緒にEvansは「エクスプロレイション」を録音します。このアルバムは他の4部作と比べると地味な印象は受けますが後年のVerve末期頃迄よく演奏されていた「イスラエル」から始まり最後の曲までまとまった作りのアルバムと言えるでしょうか。完璧と言えるインタープレイを繰り広げているEvansとLa Faroですがこのアルバムの録音中ヘロイン中毒の物入りの為かかなり喧嘩していたそうですがそんなことは微塵も感じさせない名演となっています。

そして其れから暫くしてCanonball Adderlayがリーダー名義になり「Know What I mean」を録音します。基本的にCanonballはファンキー路線が強い傾向にあるアーティストですがこの演奏はEvansに歩み寄っていてあたかもEvansがリーダーとなっていても違和感のない仕上がりになっています。（その為か確かこのレーベルの国内盤はビクターから出ているEvansのコンプリートボックスにもこのセッションは収録されていた筈です。）ある意味Miles Davisがリーダーになっている「Somethin′else」に通じているように思えてなりません。いきなり唐突なことを言いますがこのセッションで最高にハマった漫画は僕的にはあだち充さんの「タッチ」でした。アニメ版ではあまり共感出来ず原作版がかなりヤバいくらいにハマりまくりあー、本当にジャズってタイムレスな音楽だなぁ、と自分の世界にいりびたっています(笑)。


とはいえ、このセッションにふさわしい飲みものはワインではなく紅茶かコーヒーが欲しくなるサウンドです。もし何処か完全禁煙の喫茶店が近くにあればじっくり昼下がりにでも聞き込みたいサウンドですね。（続く）