金森ホールで、「ミニチュアライフ展~田中達也 見立ての世界~」が開催されている。これは、4月18日(金)から5月10日(日)まで開催予定だったが、新型コロナの影響で延期となっていたものである。
2017年NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックのミニチュアも担当した、ミニチュア写真家・見立て作家 田中達也は、日常の物を題材にして別の物に見立てた作品を毎日SNSで発信しているという。
本展は北海道初開催の作品展である。写真作品や撮影用に製作した立体作品など選りすぐりの約100点が展示されている。函館会場限定作品も初公開されている。
観覧料は1000円でちょっと高めだと思ったが、視点を変えることで発見できる見立ての面白さ!いつもの日常が遊び心たっぷりの世界に生まれ変わる、田中達也 見立ての世界を十分楽しむことができた。
カメラ撮影OKなので、たくさんの作品を収めて来たが、その中から10数点を紹介する。思わず笑いを誘われるダジャレタイトルも合わせてお楽しみいただきたい。
「箱だけレンガ倉庫」(函館会場限定作品)
「田舎ぶらし」
「問題の解き方は人それぞれ」
「名曲を掘り起こす」
「充電するために家路につきます」
「ミニチュアライフ」※このブロッコリーは作者のお気に入りで良く使われる素材とのこと。
「今夜はここに泊めてクリップ」
「ひと泡ふかされ中」
「リアルなメモ=メモリアル」
「新パン線」~実際にこのパンの新幹線がレール上を一周する。子供に大人気だそう。
「100匹乗っても大丈夫」
「トウモコロシ燃料ロケット」
「地球は甘かった」
「夢シテイ」
「収納下手な食器棚の奥にある世界遺産」
「チャーフィン」
これで物足りない方、もっと見たいという方は下記でどうぞ!
こんなのを見て 気分を晴らしたいです。
ぜひ、追加で見せてください。
まだほかの作品を見たい方のために、最下段に「田中達也ミニチュア作品」のページへリンクを貼っておきましたので、どうぞ!
『見立て』や『やつし』、『縮小・凝縮(ミニチュア)』は古くからある日本文化の特徴的な表現様式と美意識なので、田中達也さんの現代アートが様々な年代の人達から好まれるのは解ります。
大昔ですが、東京芸大の卒業展を観にいった時のこと。『砂糖と塩』というタイトルの立体作品がありました。
スーパーでよく見かける砂糖の袋と塩の袋を、単に左右から中央の皿に注ぐ途中で止めたような形の作品でした。
皿の上には、混ざり合って砂糖と塩の区別が出来なくなった白い粒の山が。
「これには何か深い哲学的な意味が?」などと首を捻って眺める事数分・・・ふとタイトルの下にあった製作者の名前を観て、ニヤリ。
プレートには「佐藤俊夫」と記してありました。(笑)
忘れもしない、『昭和時代』の記憶です。
「砂糖と塩」の話、面白かったです。
津軽弁の漫談家・伊奈かっぺいさんが、男の子が生まれたら「佐藤としお」、女の子が生まれたら「佐藤しお」と名付けるつもりだったそうですが、実際には男の子が生まれて「佐藤不思議」と名付けたそうです。いつもその子に、「どうして僕の名前は不思議なの?」と不思議がられているとか・・・。