まずは、上のクイズに挑戦していただきたい。いくつ読めるだろうか?
これらは、すべて釧路市の東隣の釧路町の海岸線に並ぶ地名である。そもそも、釧路市の隣に釧路町があること自体が、紛らわしい。
すべて、アイヌ語に漢字を当てたものだが、3文字の漢字がほとんどだ。すごいこだわりようだ・・・それゆえに無理やり感を強く感じる。目にする度に「よくもまあ、こんな面倒な漢字を当てたものだ」と感心してしまう。
松浦武四郎の日記にはすべてカタカナで記されているので、明治になってから郡役所の役人あたりが無理やり漢字を当てはめたのではないかと言われているが、特定はされていないようだ。さぞかし、楽しかったことだろう。
「釧路町難解地名道路」と言われる道々142号沿いに、それらの地名板が20ヶ所設置されているというので、それらを訪ねることにした。
当初は歩こうと思ったが、道々沿いにその集落があるわけではなく(昆布森と仙鳳趾以外)、海岸にある集落の入口に設置されている。それらの集落も見たいので、車で回ることにした。
釧路市の幣舞橋を渡り、道々142号を進むと、釧路町に入る。
一番先に登場するのが、「又飯時」・・・以下、順に4個ずつまとめて掲載し、そのアイヌ語の意味を記載し、それらの集落で目にした画像も掲載する。
・又飯時(マタイドキ)~海の瀬の荒いところ
・宿徳内(シュクトクナイ)~えぞねぎの群生している沢
・嬰寄別(アッチョロベツ)~楡の皮を漬けて置くところ ※これもすごい漢字だ。
・昆布森(コンブモリ)~昆布のとれる浦
トキシラズが豊漁で賑わう昆布森漁港
・伏古(フシコ)~古い村 ※札幌にもある地名
・幌内(ポロナイ)~奥深い沢の川 ※全道各地にある地名
・来止臥(キトウシ)~ギョウジャニンニクの群生するところ ※漢字は違うが、結構多い地名
・十町瀬(トマチセ)~エゾエンゴサクが広く群生しているところ
幌内の集落の干場に一人で昆布を並べる女性
来止臥の高台から眺める東側の海岸
・浦雲泊(ポントマリ)~舟がかりができる小さな入江
・跡永賀(アトエカ)~昔、海であったところ
・冬窓床(ブイマ)~海の中に立っている岩 ※なぜこの漢字なのか?絶対に読めないし、覚えられない
・初無敵(ソンテキ)~沼のような静かな浦
浦雲泊の高台から眺める船揚場と東側の海岸線
浦雲泊の高台から西側の岩を眺める
跡永賀の船揚場から人家と神社を見上げる
・入境学(ニコマナイ)~川尻に流木が集まるところ
・賤夫向(セキネップ)~樹木の少ない山で、石落ちるところ
・分遣瀬(ワカチャラセ)~水が滝となって落ちているところ
・老者舞(オシャマイ)~川尻に倉のかたちをした岩があるところ ※オシャは長万部と同じ語源
入境学の高台から急落を見下ろす
入境学の船揚場から奥さんと昆布を積んで出る軽トラ
老者舞と知方学への分岐標示。国道142号は北太平洋シーサイドラインと言うようだ。
老者舞漁港。左側はカキを揚げる施設
・知方学(チポマナイ)~川口に魚がたくさん集まるところ
・去来牛(サルキウシ)~ヨシの群生しているところ
・古番屋(フルバンヤ)~川下の陸岸が丘になっているところ
・仙鳳趾(センボウシ)~小魚のたくさんいるところ ※利尻島にも語源が同じ地名あり
知方学は道々沿いに大きな集落はあるが、谷あいの海岸にも小さな集落がある
昆布森小学校以来の知方学小学校~今年度の児童数19名
尻羽岬(シレパ岬)~海中に突き出ている岬 ※余市のシリパ岬も語源は同じ
岬から厚岸方向を眺める。手前の島は厚岸の大黒島
仙鳳趾漁港は、カキ漁がメインのようだ
仙鳳趾の道々142号沿いの高台には、広い昆布の干場と作業小屋が並ぶ
昼前には、予定が終了し、厚岸の道の駅に落ち着く。道の駅は定休日。午後には、雨が降ってきて、霧で周りは見えず。最高気温が13℃で寒い。車の中は暖かいので、のんびりとブログを打つ。
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