親思う心にまさる親心

2008年08月15日 | 私の思い
                (全国戦没者追悼式・NHKニュースより)

今日は63回目の終戦記念日、日本武道館において政府主催の全国戦没者追悼式が、天皇皇后両陛下をお迎えして開催されました。
12時ジャスト、黙祷の合図に、甲子園はじめ全国の方々が頭を垂れ、日本の礎(いしずえ)となって散っていった若き英霊に、心を込めて黙祷されたことでしょう。
遺族の方々も、万感の思いで式典に参列されていたことでしょう。
親にとっては宝とも云える我が子が、親よりも先に逝く悲しみ、とても計り知れないものがあります。

吉田松陰29歳の秋、斬首刑を前にして江戸伝馬町、獄中において家族宛に『永訣書』を残しています。
『親思う心にまさる親心、けふのおとずれ何ときくらん』です。
親を思う子の孝行心、その心をはるかに超える子を思う親心、その我が子が処刑されていく事を、親はどんなに悲しむことだろう。
なんと切なく悲しい永別の歌ではありませんか。

それとまったく同じことが、戦争で散った有為な若者とその遺族の両親に降りかかったのです。
例えば、特攻隊で出撃する20歳前後の若者は、故郷の方角に機首を向け、両親に最後の別れ、
お国の為に散った我が子の知らせを、涙をこらえて伏した母親、悲しすぎて話になりません。
繁栄の中にいる今の私たち、その深淵には多くの英霊たちの魂の護りとそのお蔭、
お盆のこの日こそ、心して英霊に、感謝と尊崇の黙祷を捧げなければといつも思います。