昨年末から米朝さんにどっぷり、です。
私が昨年買った「志ん朝十三夜」のCDを落友に貸してあげたところ「お返し!」と言って米朝さんのCD全集を貸してくれました。
お~全集だぁ。ついに買ったのね、聴き終えて返しに行くと「お代わりっ!」と言ってまたまたパッケージの色違いの全集を貸してくれるのです。「・・・えっ!もしかして全集全部買うたの?」「へへへ、大人買いしてしもうた」だそうで、全四セットそれから順番に貸してもらって、いまだに聴いています。
話は変わりますが、「大人買い」ってなんて素敵な言葉でしょう。
子供の頃、はやく大人になって誰かにお伺いをたてることもなく自由に自分の稼いだお金で好きな物を買いたいなぁ。と思っていたことを、ちょっと意味が違うかもしれませんが思い出しました。
さてさてCDの中身ですが、米朝さんが五十歳前後に各地の公演で収録されたCDが十枚。
声に張りがあり、揺るぎないものを感じます、まさに円熟した噺っぷりです。
お馴染みの演目から、珍しい初めて聴く演目まで、バラエティに富んだ内容は飽きさせません。真剣に聴くのもよし、BGMとして聴くのもよし、邪魔にならないお声です。
何がよかったかなぁ。とてもしぼれませんが、私は関東落語と聴き比べるのが好きなので「愛宕山」「宿屋仇」
「骨つり/野ざらし」「三枚起請」「高津の富/宿屋の富」などが印象に残っています。
「べかこ」なんて噺があるんですね。「桂南光」の前の名前ですが、これからつけたのでしょうか。
CDと一緒に速記本が入っていて、そこに当時の貴重な写真が収録されていますがお若い、当然ですが。そして男前です。
今の米團治さんにそっくりです。いえ米團治さんが似てはるんですね。ふっとした声の調子なんかもそっくりです。
どうかいつまでもお元気で、これからも上方落語を守り立てていただきたいものです。