
ブクログより
珍しく高田さんの現代小説。
9編の短編が収められており、題名にある通りすべて鉄道がテーマのお話です。
短編なんだけど、すべてきちんとテーマがあり、きちんとまとまっています(あたりまえですが)
そのテーマも多岐にわたりそれぞれ主人公の人生を垣間見せてくれます。
高田さんはもとは、漫画の原作作家さんだったそうで、これらは漫画の原作として書かれたものを今回小説にされたそうで、断然小説として読むほうが味わいが増すと思いました(その時の漫画家さんには悪いのですが)
≪辛いことや悲しいことが多くて生きにくい世の中で、幸福は遠すぎて、明日に希望を見出すことも難しいかもしれない。それでも遠い先にある幸福を信じていたい。≫
という作者の思いが込められたこれらのお話、忙しい日常の中で忘れがちなことや、見過ごしていることをふっと思い出させてくれるそんなお話です。
ふるさと銀河線 / 高田郁
★★★★☆