今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

消されゆくチベット

2013年06月08日 | 「本」のひきだし

ブクログより



図書館で偶然見つけました。椎名さんの本とこの一枝さんの本。
別々のところにあったのに、びびっと私の心に響いたのです。

はたして読んでみたら、椎名さんの内容とリンクする部分もあり、2冊同時に読んでいくと誠に意義深いものでありました。

以前からチベットには関心があり、目につく文献を読んできましたが、そうかチベットのことなら渡辺一枝さんかと今更ながら気づいた次第です。

長らく携わってこられた保育の仕事を辞めてから、今日まで何十年とチベットに通い詰めている一枝さんは、女性ならではの感性でチベットの人々と関わり、親交を深めてこられました。
その都度、本にまとめて紹介されているようですが、単なる観光案内的なものではなく、その時の自分の関心事を探しに行くみたいなとても偏りのある旅もまたおもしろいです。

今回はろうそく作りや紙漉職人さんなど、チベットの伝統工芸を訪ねる旅、そして親しい友人を見送るという悲しい出来事の立ち会い、(なんと鳥葬にも立ち会われる)今回も濃い旅だったようです。

そんなチベットにも時代の波は押し寄せ、若者の服装や、大きい工場の出現や近代住宅など、その進化には目を見張るものがあるそうです。
中国の介入による力の大きさによるものですが、そんな中でも、力を出し合い古くからのチベットらしいチベットを守り抜こうとしている一部の人たちに限りないエールを送り続けることが私にできること、と結ばれています。



消されゆくチベット / 渡辺一枝
★★★★☆



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