院長のひとりごと

私、竹村院長が食べ物から健康まで基本的にノンジャンルでかきつづります。

から揚げドラゴンロード(真・二度揚げ論)

2005年07月30日 11時41分36秒 | 
今日はイントロ無しの院長ですって話はパッとやめて、

「揚げ物論」を展開します。

かなりボリュームがあるのでイントロに凝ってる暇はありません。

早速はじめますが、唐揚げや竜田揚げ等の揚げ物は表面カリッで中は

ジューシー、しかし火はちゃんと通っている状態が理想だと思いますが

これが難しいとよく耳にします。


そこでよく言われるのが「二度揚げ」。


レシピに書いてある方法は、火を中まで通したら一度油から挙げて、

再び油に入れて揚げましょう、つまり二回揚げましょうという説明が多いです。


これはお店の方法にならっているのでしょうが、お店と家庭の違いをあまり考えていない

ほとんど意味の無い作業であると問題提起します。

またウザイ展開になりアクセスが落ちそうです。

まず、店ではなぜ二回揚げるか?

揚げ物をやる店の場合大抵は二つの揚げ鍋、つまり高温の油の入っているものと中温の鍋を使用します

中まで火を通すのには高温ではすぐに表面が焦げるので中温の油でないといけません。

表面をカリッと仕上げるには中温の油でいつまで揚げていてもいけません、

高温の油が必要です。


しかし業務用のそれとなると油の量も鍋の大きさもそれ相応、かなりの大きさになります。

だから鍋の油の温度を中温から高温に上げるには少し時間がかかってしまうし、

また高温にまで上がってしまった油の温度が中温にまで下がるのもかなり

時間がかかります。だから鍋を二つに分けて役割を分担するのです。

この作業を「二度揚げ」と呼び、揚げ物を上手にこなすコツなわけです・・・

さてここまでで少し違和感を感じた人はいるかな? 感じたら結構スルドイですよ、いい料理人になれます。


この「二度揚げ」という言葉の本当の意味は揚げ物の油の温度にメリハリをつけるということであって、

(ここ大事よ)なにも油から一旦挙げてもう一度揚げるという意味ではないのよ。

一度油から揚げるのは先ほど述べた業務用が故の理由であり、二度!!という言葉で

捉えると大切な理屈を見落とします。

これを家庭のケースに置き換えてみましょう。

「揚げ物はたっぷりの油で」という固定観念にメスをいれてみます。この考えはやはり

プロがたっぷりの油で揚げているから・・・というのがもとになっているのでは?

と院長は推測します。

二つの油を用意出来るならたっぷりの油のほうがいいかもしれませんが

院長が扱うのは家庭のケースです。

家庭で揚げ物をする際にはプロの真似事をしようとすると残念ながら成功は遠ざかると思います。

ズバリ、「家庭では油少なめ!」この理屈を掲げて頂きたい。

少ない油は具材を入れると簡単に油温が下がって下がってしまいます。これはいい換えると

(ここ大事)油温のコントロールがしやすいということになります。

これは非常にアドバンテージなのです。

一度下がった油温は中まで火を通すのに適した温度になるのでそのまま火力を落とし、

じっくり火を通します。

火が通った後が業務用と違うところで家庭のケースでは油量が少ないので

火力を強めれば容易に油温を高く出来るのです。業務用ではこうはいきません。

中まで火が通ったことさえ確認出来れば後は一気に強火です。みるみる油温は上がり、

表面をカリカリに仕上げてくれます。・・・


さて!? いま説明した工程のなかで一度でも揚げ物を油から挙げる必要があったでしょうか?

無いのよ、全然。

これは「二度揚げ」という言葉が招く誤解と、それを言葉通り鵜呑みにした

考えの浅い料理研究家の書いた本が生んだ、「少しズレた料理の常識」なのです。

二度揚げるのでは無いのです、二つの油温を使いわけるのです。


料理研究家の意見なんて簡単に鵜呑みにしないで下さい。 次回は実践編です