院長のひとりごと

私、竹村院長が食べ物から健康まで基本的にノンジャンルでかきつづります。

「人。」

2007年02月21日 07時07分35秒 | ノンジャンル
あるところに従業員が20人ほどの小さな会社があるそうです。

目立たず、淡々と安定した業績を出している会社なのだそうです。


温厚そうな年配のその会社の社長さんは、毎朝外回りに出かける

自分の会社の営業マンたちを出口で見送り、黙ってそのごつごつした手で

営業マンの手をがっしりと包んでぎゅっと握るのだそうです。


「今日も頼んだぞ!」「今月はもう少し頑張れ!」「お得意さんを怒らすなよ!」

などとは一切口に出さず、ただぎゅっと無言で手を握るのだそうです。


社長さんは親身にしている経営コンサルタントに、とある席でそのことについて

ぼそっと口にしたそうです。


「うちの社員とはいえ、それぞれの社員が、それぞれの家庭の大黒柱なんですわ。

うちで一生懸命働いてくれてその家族を支えてると思うとな、

せめて今日一日無事でまたここに帰って来い、としか思えんのですわ。

毎日毎日そう思うで」


そんな話に感動したコンサルタントは、つい、そこの社員に

その社長さんの言葉を伝えたそうです。

「・・・なんとなく、わかってましたよ。なぁ?」

「あぁ、だから俺らは頑張るんだよな、強制じゃなく」

と言ったそうです。



そんないい話を思い出したのでお風呂で奥さんに話して聞かせたところ

ツボに入ったらしく、「いい話だ~~っ!!え~~ん」と号泣してしまいました。


うちの奥さんも会社勤めの経験がありますが、従業員達はその会社に

大事にされてるという実感があって初めて仕事へのモチベーションや

忠誠心やその会社の従業員であることへの誇りを持つそうです。


それくらいは院長にもわかります。


「とにかく顧客満足をモットーに!!」と朝礼で従業員に言わせてる会社は

従業員満足についても考えているのでしょうか?


自分が今この会社にいることに誇りを持っている、そういう会社員が

ほとんどいないなら、今は貧しくてさみしい世の中の気がします。