〇下記の内容は先ほどフェイスブックに書いた内容を転載したもの。実は隔週火曜日の午前中、大阪市西成区のある中学校に通って、生徒指導の会議(主に遅刻・不登校傾向のある生徒への対応についてケース検討などをする場)に顔出しているのですが…。今日は2024年度最後のこの中学校入りなので、飛び入りで「球技大会」にも参加させていただきました。そのことをさっき、書いたものです。
今日の午前中は、2024年度最後の西成の中学校入り。2時間目の生徒指導の会議に出たあと、3~4時間目の1~2年生球技大会(学年縦割り4チームに分かれてのドッチボール)につきあって、昼ご飯食べて14時半くらいに帰宅。帰宅後はしばらくゴロゴロ、うとうとしてました。
さてさて、その球技大会のことですが…。
最初は「見てるだけ」にしようと思っていたのですが、途中で「1年生VS2年生」と「教職員VS生徒たち」という対戦があるところから、私もドッチボールに参加しました。球技大会は体育館でやったので「あ~。これやったら体育館シューズもってきたらよかったな~」と思ったんですけど…。ちなみに「1年生VS2年生」のときは、1年生の人数が足りないので、1年生の助っ人としての参加です。
まあ、そんなわけで、1ゲーム6分で、3分たったらボールが2個になるという対戦2回やりました。ひさびさに中学生・教職員といっしょにおぶ~ちゃんも動きましたが、「野球は無理やけど、ドッチボールならまだまだ中学生と遊べるな~」というところでしょうか。
それにしても…。中学生たちでドッチボールが苦手な1年生たちが
「おじいちゃん助けて~」といって、おぶ~ちゃんの後ろに隠れようとしたんですよね~。「誰やねん、おじいちゃんって?」「おじいちゃんとちがう。おぶ~ちゃんや」というしかないんですけど(笑)
でも、いいですね、球技大会。ドッチボールを通じて、子どもたちと教職員がいっしょになってからだつかってかかわりあって、お互いに笑い合っている様子を見て…。
その様子を見て、「ああ、これやなあ~。いま、この学校の子どもたちが求めていることって」と、あらためて思いました。
また、この中学校の生徒に関係なく、「からだをつかって、真正面から誰かとかかわりあう」という経験って、いまどきの中学生にとって全然足りてない経験かもしれませんね。
もしかしたら教科の学び以前に、こういう経験を積み重ねていくことが、子どもにとっても教職員にとってもますます大事になってきてるんじゃないですかねえ。それは人間としての子どもが、自分らしくめいっぱい「いのち」を輝かせるために必要な経験なのかもしれません。
「なんで部活に中学生たちが夢中になるのか?」というのは、もしかしたら、「それがいちばん、このお年頃の子どもたちがからだで求めていることだから」ということなのかも。
なので、部活を外部委託して「教科の学び」を中心にした学校は、「生徒が夢中になってきた部活に代替できるだけの質量をもった何か」を「教科の学びや体験活動」のなかで提供できなかったら、きっと子どもたちは「からだで」拒否反応を示すんじゃないかな~って思いました。それが「教室に入りたくない」とか、「朝、学校に行きたくない」とか、そういう反応なのではないかと。
なにしろ今日、日頃は学校を休みがちな生徒や遅刻しがちな生徒も、ほぼみんな、球技大会に来ていたんですよね。で、ドッチボールの休憩時間中に話をしたら、「普段の授業より絶対こっちがいい!」と、よく授業休んでいる生徒が言うてましたし…。
2時間目の生徒指導の会議に出席していた教員たちにも見てもらいましたが、毎学期の期末テストの頃にとっている「アセス」の結果を見ても、「友だちが好き・先生が好き・勉強は大嫌い」という傾向が、この学校の生徒たちの多くの正直な生活実感。なので、その「友だちが好き・先生が好き」という気持ちを土台にして「つながり」をより深めるような「学び・体験活動」が日々、教室の内外で創り出せなければ、この子たち「授業に入るのは嫌だ~」ってことになるでしょう。
というような次第で、今まで「いかにして遅刻傾向・不登校傾向の生徒とわたりあえる教職員集団になるか? そんな校風をつくるか?」を、この10年、ここの中学校での私の取り組みの軸にしてきましたが…。次は「友だちが好き・先生が好き」という生徒たちの気持ちを土台にして、どういうかたちで「学び・体験活動」の質的向上を図るのか、ということ。それが数年にわたる課題になるのかな、と思いました。
最後に…。今年度は球技大会に参加させてもらったり、学校ボランティアで本学の学生を送り込んだりしましたが…。来年度は私、どこかの授業でゲスト講師として話をさせてもらおうかな? それと来年度、どこかでドッチボールの試合をするとかいうて、本学の学生を何人か集めて送り込もうかな?
まー「スポーツ実習」教職クラス(必修)の授業を朝から受講するのが「嫌だ~。めんどくさい~」とかいうてる本学教職課程の学生たちには、「ええか~。学校現場に出たら、どの教科に関係なく、こうやって子どもたちとからだごとつきあう活動する場面があるねん」ってことを理解してもらうには、中学生とドッチボールの試合するのがいちばんやな~って、あらためて今日は思いましたので。
<追記>
なにかと昨今の教育改革絡みで「大阪市(あるいは大阪府)の学校は~」とネガティブなイメージをお持ちの方もいるかと思います。
ですが、それでもなお、こんな感じで、生活の厳しい子どもの現実に根差して、保護者や地域の人々、あるいは私のような学校外の支援者の手助けを得ながら、まだまだ若い世代が中心になった教職員集団で、あの手この手で「学び・体験活動」とその土台になる「子どもどうし・子どもと教職員のつながり」をつくろうとしている学校が、この大阪にはあります。
「いろんな教育改革のしがらみのなかでも、こんな学校もあるんよね~」ということ。そこにも目を向けてほしいな、と思います。