2202冊目はこの本。
中村和己『コンサルは会社の害毒である』(角川新書、2015年)
いや~この本はなかなか、面白かった。要点をひとことでいえば、「企業が人々の生活共同体として、ある程度の長期存続が求められるような日本において、アメリカ流の経営コンサルティングはまったく歯が立たない」ということ。
なぜかといえば、「企業というものを支える思想的・文化的な風土が異なるから」という話になるだろうか。
逆に言えば、「3年くらいの短期的スパンで企業は利益を上げていかなければいけない、できなければすぐに解散の危機」「企業トップも経営コンサルも、済んだことは早く忘れる」「すぐに起業するがすぐに廃業する」「利益を上げる事への株主の圧力が強い」「トップダウン的な経営が大好き」「トップが高額な報酬を得ている」みたいな形の企業を支える思想的・文化的風土が、アメリカ流の経営コンサルティングを支えている、ということでもある。