できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

ロシアのウクライナ侵攻に抗議し、即時停戦を求めます(その2)

2022-02-26 19:24:10 | 国際・政治

ロシアのウクライナ侵攻に抗議し、即時停戦を求めます。

先ほども「その1」というかたちで、今日フェイスブックに書きこんだ内容を加筆修正して転載しました。今度は「その2」で、やはり今日の午前中、フェイスブックに書いたことを加筆修正して転載します。以下がその転載内容です。

<以下、転載内容>

もうひとつ、思い出したこと。昭和維新とか、日中戦争や近衛新体制とか言っていたあの時代に…。そもそも「革新官僚」といって、積極的に国民総動員体制の建設に加担した役人がいる。あるいは、アジア各地の植民地の傀儡国家や「自治政権」に送り込まれ、現地で「影の支配者」的にふるまった官僚もいる。いまの厚生労働省の前身、「厚生省」も、こういう歴史的な経過のなかで生まれたのでは?

あるいは、弾圧を避けるための世を忍ぶ仮の姿かもしれないけど、「転向した左翼」の人々のなかから、その新体制に協力せざるをえなかった人びともいる。

他方で、「このたびの戦争が国家を改造してくれる。我々の地位や待遇を向上させてくれる」と期待して、その国民総動員体制の建設に積極的に協力した人びともいる。そのなかから「産業報国」みたいな発想も生まれてきたのではなかったかと。

そして「○○占領ばんざい!」とかいって提灯行列やった人々もいるし、そういう風潮をあおるような新聞・雑誌記事書いたり、ラジオ報道やった人々もいる。戦場に赴いて現地取材して、文章書いた作家もいる。戦意高揚の歌曲つくった音楽家もいる。(そういえば、最初の東京オリンピックをやろうとしたのも、この時期では?)

さっきある方のフェイスブック記事読んだとき、このたびのウクライナとロシアの戦争になんか変な期待をしているような、ある著名なソーシャルワーカーのSNS上での発言が話題になっていたけど…。そういうのを見るたびに、1930年代~40年代の日本の思想的な風潮を思い出すのは、私だけなんだろうか?

どの分野の人でもそうだけど…。過去の歴史に照らして我が身をふりかえっておかないと、いまは道を間違えそうな気がする。他の人の批判も必要だけど、まずは私自身が過去の歴史に学ぶ必要があるな~と。あらためてそのことを痛感する次第です。

 


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ロシアのウクライナ侵攻に抗議し、即時停戦を求めます(その1)

2022-02-26 19:15:33 | 国際・政治

ロシアのウクライナ侵攻に抗議し、即時停戦を求めます。

下記の文章は今日の午前中、フェイスブックに書きこんだことに加筆修正して、転載するものです。2つの内容を書き込んだので、2回に分けて書きます。

<以下、転載内容>

今から80年か90年ほど前、アジアでの戦争相手国の首都を占領して、その国の政権を崩壊させようとして、その首都で虐殺事件を起こした国がありますね。
その国は、その虐殺事件が起こる数年前から、相手国の東北部に「自治政権」みたいなものつくったり、傀儡国家みたいなものつくって自国の軍隊を「進駐」させたりしましたね。
でもその国は、相手国の長年にわたる抵抗に結局勝つことができず、最終的には世界各国を相手に戦争をすることになり、敗戦を迎えて、新しい憲法をつくることになりました。
 
その新しい憲法をつくるきっかけを与えた占領国も、今から50~60年ほど前、東南アジアの別の国にやはり傀儡政権をつくって、その傀儡政権を支えるとかいって、泥沼の戦争に突入。結果的にその戦争に敗北して、撤退しました。
また、その占領国は、今から30年ほど前にも中東で他の国を巻き込んで戦争を起こしたり、20年ほど前には「大量破壊兵器をもっている」とかいって、政権転覆を狙って戦争を起こしてましたね。その結果、中東諸国に混乱がずっと引き起こされてますね。また、その国に対する反感が、その中東地域の人々に根強くのこっているようにも感じます。
 
そして今、ウクライナの一部地域に「自治政権」をつくって、「それを保護する」という名目でロシアがウクライナに軍を送り込み、戦争がはじまりました。
ロシアにしてみれば、そのかつてアジアで大戦争やった国や、その国を占領した国に対して、「お前らがロシアの批判できるかよ。お前らが昔やったこと、やってみせてるだけだよ」という言い訳をするかもしれませんね。
でもその「昔やったこと」を参考にすれば、ロシアもそのかつてアジアで大戦争をやった国や、その国を占領した国と、同じ道をウクライナでたどるかもしれません。
 
さて、この「かつてアジアで大戦争やった国」と、「その国を占領した国」は、どこでしょうか? みなさんお気づきのとおり、かつての大日本帝国であり、アメリカですよね。
私たちはいま、どこかの覇権主義的な国家の立場に立って、「ロシアへの批判」をするのではなく、「この戦争で深く生活が破壊され、苦しむ人々」に根差して批判したいものです。また、そのことに根差した批判は、かつての大日本帝国の幻想をいまだにおいかけているような日本の政治家や、「世界の警察官」を演じてアメリカの覇権を拡げようとした人々に対する批判とも相通じるはずだと思います。
以上、昨夜寝るときに考えたことでした。
 
<追記>
そのロシアも旧ソ連時代、ナチスドイツのポーランド侵攻のどさくさにまぎれてバルト三国とポーランド東部を「併合」しましたね。ただその旧ソ連も、そのポーランド侵攻のあとにフィンランドに侵攻したら、逆に手痛い反撃をくらった苦い記憶があるはずです。そういうことを想起しないのかなあ、今のロシアの政権?
もうひとつ思い出しました。旧ソ連時代、確か1980年代だと思いますが…。アフガニスタンに侵攻してはみたものの、長年にわたって地元の諸勢力に根強い抵抗を受け、結局「撤退」せざるをえなくなったんですよね。でも、そのときの混乱がいまだにアフガニスタンでは尾を引いている面があるわけで…。そういうことも思い出さないのかな、今のロシアの政権?
いまもしも私が中学校社会科か高校地歴科・公民科の担当教員なら、授業1コマぶっつぶして、こんな話するだろうなあ。大学でもやりたいくらいだな~。新年度・新学期最初の1コマ、どの科目でも授業計画とかの説明済ませたら、短時間だけでもこんな話しようかな?

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