連休最終日に、息子とクリストファー・ノーラン監督の話題の新作を見に行ってきました。
私は小規模上映の繊細なドラマがむしろ好きな方ですが、コロナ禍以来、大スクリーンで迫力いっぱいのハリウッド映画を見る機会がまったくなくなっていたので、いつも以上に本作を心待ちにしていたように思います。
公開前から、回転扉で時間が逆行するとか、タイトルはラテン語の回文がもとになっているとか、ちょこちょこ小ネタが耳に入ってきましたが、映画がこれだけ話題になったのも久しぶりのような気がします。
主人公が「ブラック・クランズマン」でのウィットに富んだ役どころが印象深かったジョン・デヴィッド・ワシントンというのも楽しみでした。それから敵役セイターの妻キャットを演じるエリザベス・デビッキの、この世のものとは思えない美しさにもうっとり。uu*
冒頭のウクライナ、キエフのオペラハウスのテロの場面から、ぐぐっと心をわしづかみにされましたが、それから先も、見る者に考える余裕を与えない場面の切り替えとスピーディな展開に、翻弄されることを楽しんだという感じです。
映像表現にこだわりのあるノーラン監督ですから、特に時間が逆行する場面ではどうやって撮ったのかな?と想像しながら見るのも楽しかった。
ビルの爆破が元にもどるところはおそらく逆回しだと思いますが、車は映画用に逆方向にハンドルがついた改造車を使っているのかな?と思ったり。(以前、ディズニーのMGMスタジオで見たことがあります)
スタントさんは、逆行する時も全力で走っているように見せなくてはならないので、さぞかしたいへんだっただろうと思います。
無名の戦士のところに未来から仲間がやってきて、地球を救う大役が与えられたり、未来の敵と戦ったり、というストーリーは、ちょっとターミネーターにも似ているような。キャットはさしずめサラ・コナーでしょうか。
ドラマとしての深みにはやや欠けるかな?とも思いましたが、その分、映像とアクションは見応えがあって、久しぶりに時空の魔術師ノーラン監督の世界を堪能しました。