@「喃喃」(なんなん)とは口に南を繰り返すことで互いに打ち解けて楽しそうに語り合う事、とある。 実に日本語は面白い漢字を組み合わせるものだ。 「遠近」(おちこち)と読む、この意味は「未来と現在」。 それに「転た」うたた寝とよく言うが「転た」の意味は「ますます」だと言う。 知っているようで知らない漢字と意味にさらに興味を持った。 「阿伽陀」、万能薬と言えるのだろうか、こんな薬が世に出ることを望みたい。
『恋する日本語』小山薫堂
「あえか」「紐帯」「那由他」「玉響」…耳にしたことはあるけれど、意味がよくわからない日本語。たとえば、「赤心」とは「偽りのない心」のこと。「一曲」とは「ちょっとすねる」こと。言葉の意味をひもといてみると、そこには恋人たちの何気ない日常の瞬間が溢れている。日本語の美しい響きと甘く切ない恋心が堪能できる35のショートストーリー。
- 「あえか」 はかなげなさま
- 「涵養」(かんよう)水が染み込む様に、少しづつ養い育てること
- 「紐帯」(ちゅうたい)人と人を結びつける重要な役割を果たすもの
- 「気宇」(きう)心の広さ
- 「転た」(うたた)ますます、非常に。転じてなんとなく
- 「相生」(あいおい)夫婦が一緒に長生きすること
- 「如意」(にょい)物事が思うようになること
- 「赤心」(せきしん)偽りのない心。人を心から信用して、全く疑わない心
- 「浹洽」(しょうこう)隅々まで行き渡ること。心が打ち解けること
- 「玉響」(たまゆら)ほんの少しの間
- 「泥む」(なずむ)なかなか進まない様子。行き悩む
- 「僥倖」(ぎょうこう)思いがけない幸福。こぼれ幸い
- 「偶さか」(たまさか)偶然、たまたま
- 「那由他」(なゆた)古代インドの数の単位、極めて大きい数、10の72乗
- 「夕轟」(ゆうとどろき)恋心などのために夕暮れる方、胸が騒ぐこと
- 「終夜」(よすがら)一晩中、夜どおし
- 「一曲」(ひとくねり)ちょっとすねること
- 「時雨心地」(しぐれごこち)時雨の降ろうとする空模様、転じて、涙が出そうになる気持ち
- 「恋水」(こいみず)恋のために流す涙
- 「焔」(ほむら)心中に萌え立つ激情を炎に例えていう
- 「恋風」(こいかぜ)切ない恋心を影が身に染みわたるのに例えていう
- 「刹那」(せつな)意識の起こる時間のこと。極めて短い時間
- 「客愁」(かくしゅう)旅行中の物思い
- 「洒洒落落」(しゃしゃらくらく)性格がさっぱりしていて物事に拘らないさま
- 「忘れ種」(わすれぐさ)心配や心の憂さを吹き払うもの
- 「滝枕」(たきまくら)涙が枕に注ぐことを滝に例えていう
- 「喃喃」(なんなん)べちゃくちゃ喋る様子。転じて、男女が打ち解けて小声で楽しそうに語り合う様
- 「心掟」(こころおきて)心に思い定めていること
- 「番い」(つがい)2つ揃って1組になったもの
- 「邂逅」(かいこう)思いがけなく出会うこと
- 「阿伽陀」(あかだ)あらゆる病気を治す薬
- 「揺蕩う」(たゆたう)決しかねて、心があれこれと迷う
- 「垂り雪」(しずりゆき)屋根や木の枝から落ちる雪
- 「帰趨」(きすう)最終的に落ち着くところ。帰着するところ
- 「遠近」(おちこち)未来と現在