@「定年退職」は今後死語になるかも知れない。それはちょっと昔まで55歳で定年退職と言っていたものが現在では65歳、さらに政府も70歳までは現役で働いてほしい(定年70歳・努力義務が成立間近)、と言っている。裏には年金、医療保険金等の問題があると言うことだが、誰も責任を持って対策を考えていない。現役のサラリーマンで45歳以下は多分年金として掛けた金額が自分に帰ってくるとは思っていないだろうが、現実このままの老齢化社会が続くと現システムは無理なのは誰でも理解でき、その対策を立てておく必要がある。スーパーボランティアの尾畠氏の言う「金は生きるだけあればいい」、健康でいることが何より大切だということを実戦実感している人だと思う。で、一人になったときの対策は、自分で出来る事、出来ない事、自分にとって大切な事を見定めておく必要がある。仕事、家族、健康、仲間など。
「笑って暮らすも一生、泣いて暮らすも一生(ドイツのことわざ)」
『定年後からの孤独入門』河井薫
職場や社会にはびこる居場所のない 定年前後の本当の不安は、お金・健康より「孤独」!
現役時のニッポンのカイシャ生活にこそ、定年前後の「孤独化」の芽があった!
健康社会学の立場から、「定年」を境に居場所を失い孤独に陥りやすい人の特徴を分析し、そうならないための対処法まで言及。
第1章 古戦場巡りで気づく〝ぼっち〟の世界――ルーティンの喪失
定年=肩書きが消える
権威と権力が消失する・仕事ルーティーンの喪失
第2章 塩漬けおじさんが定年で失敗する理由――定年ぼっちになる人・ならない人
再就職・転職での課題は「人間関係」(塩が抜けない職場)
僻みぽくなる、だから「僕これやります」と声を掛ける
塩漬け濃度=自己認識(自己評価が高い人ほど未来の自分が不安になる)
他人から指摘されるのが嫌い
自分の自慢話になる
自分から挨拶をしない
誰に対しても命令口調になる
人に頭を下げるのが苦手
ルールに厳格になる
短期になり口が出る
おばちゃん力「お節介」的で「することDO」ではなく「いるBE」になること
「効率性と生産性」から
「無駄と寄り道」(人付き合いの潤滑油になる)
「白黒よりグレーに」「秩序よりカオスに」「解決より共感」
「論理より感情」が大切となる
第3章 ボッチは定年前から始まっている
有意味感=目の前の仕事に完全燃焼することで高まる感覚
「9対1」の法則10個のうちたった1つに向き合う
「組織人」(男)から「仕事人」(女)になる
小さな幸福感=半径3mの人間関係を大切にする
大切なものに気づく
家族・友人(身近な人との繋がり)
仕事・ボランティア(社会との関わり)
健康(生命の尊さ)
第4章 死ぬより怖い「ぼっち」の世界――アイデンティティの喪失
イチローの言葉「人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わった」
SNSなど利用頻度の高い人ほどうつ病になるリスクが高い(2.7倍)
ナチスの収容所で生き抜いた人「健康」を保った人が29%
元気になる力・希望を絶えず保っていたこと(光を求めて)
自立性・自己受容・人生目的・環境制御・他者関係・意思力
人生を幸福にするのは「人」(信用できる人)
孤独は自分で壁を作っているだけ、自分が孤独感を規定する
第5章 人生に意味を作る
ライフキャリヤー・レインボー (年齢ごとの役割・組み合わせ表を作成してみる)
スパーボランティア尾畠春夫「お金は生きるだけあれば良い、自分が正しいと思うことをやっているだけ、当たり前のことをしているだけ」(意志力=やり抜く力)
人生のバイオリズム(年代別での浮き沈みを表す表を作ってみる)
若い時は人脈を増やし、中年になったら健康的な食事と運動、定年後は地域との関わりやボランティア活動など、幅広いネットワークを持つ方が健康によい
70歳を超えたら「誘われたら断らない」
「経験値」の中にある「暗黙知」、特に難しい相手との交渉など、相手の心を掴む
他人は変えられないが他人との関係性を変えることはできる