@「鷺と雪」軍人の人生は戦争になれば個人の思いは通じない。国のため国が為すことに従うしかない。たとえ反対でも逆らう事は許されない。井伊直弼の諸外国との戦争を避け開国に向けた行動、軍の上層部にいた山本五十六の戦争拡大反対も同じ心情だったのかと。だが、現代意見を言う、考えを述べるは当たり前の世界になりつつあり世論を呼び興すことが可能となっている。それには勇気と行動が必須だが国民を守ることが優先で、できる人材が発掘されることを期待したい。だが、今の政権のように努力なしで「言うだけ」の宣言は世論の波にはなることは決してない。
「不在の父」
明治三十年頃に発生した、松平斉(ひとし)男爵の失踪事件を題材。家を出家(爵位を捨てた男)した理由は「世間知らずの道楽者」と嘲笑され、「身分があれば身分によって、思想があれば思想によって、宗教があれば宗教によって、国家があれば国家によって、人は自らを囲い、他を蔑し排撃する。そう思い、自分自身が全てを捨てるしか無い」と言った。父は爵位身分を捨てた。
「獅子と地下鉄」
補導され口をつぐむ良家の少年は夜中の上野で何をしたのかを探る。 親が子供の日記を見つけ気になる「ライオン」を探すことになる。浅草、上野、だがそれは銀座の三越前にあるライオン、ライオンにまたがると試験に合格するという迷信を信じて夜中に出歩いていた。
「鷺と雪」
能舞台から鷺を鑑賞、その主役が面をつけていた事に不思議さを感じる。「面は名人が使うと血が通う」と言われた。時代は2.26事件の前、国は戦争をする方向に進んでおり経済界も、軍人も、更に財界、銀行も既に戦争による私利私欲に望みをかけ始めていた。一人の軍人は「今の私はただ、欲しいものがなんであれ、命を、まして他人の命を持って贖わられる世ではなくなることを願うばかりです」と言って戦争反対を思う軍人だったが一人では世の流れを止めれないと感じていた。国を騒がすこととに雪がつながるのは理屈から言えば桜田門外ノ変を連想させる、と言う。
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