ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

出会いのチャンスは日頃の構え『玄冶店の女』

2020-03-16 08:02:36 | 歴史から学ぶ
@「身分と女心」登場する五人の市井の女、その時代のそれぞれの生き様が鮮明に描写される。特に元花魁で小物店を営む「お玉」の自分の「分」を弁えた恋心は、最後の言葉「これで帳尻があった」と世間への風当たりを消し、漸く素直な女心で逢えると旅にでる。「日陰な女」という出生と身分において江戸の世間体「分」は「流れには逆らえない時代」、現代は、「様々な出会い」を如何に捉え引き寄せるかは自分次第、「チャンスの出逢い」は突然やってくる。 それには日頃から「構え」姿勢が大切なのだ。 話は変わるが日本は世界に比べ「ジェンダー・ギャップ (男女差)」が極端に多い事だ。153カ国中121位 https://www.joicfp.or.jp/jpn/2019/12/19/44893/ 女性の自由・平等度は日本にはまだ存在しない。

『玄冶店の女』宇江左真里
日本橋の玄冶店と呼ばれる路地で小間物屋を営むお玉は、元花魁。身請けされた旦那と縁が切れた矢先、芸妓屋の顔見知りの娘が通う手習い所の師範・青木陽蔵に出会う。その清廉な人柄に、お玉は強く惹かれるが、それは世間が許さぬ分を越えた恋だった…。運命に翻弄されながらも健気に生きる女たちの切なくて心温まる八つの物語。
  • 江戸・市井(人が集まる場所・町)玄冶店界隈物(現在の人形町3丁目交差点)。登場人物は女性五人
    • お玉:元花魁・小物問屋に藤次郎に身請けされ「糸よし」のお店の主となる 身請けされた元花魁が身分が違いたとえ何があっても武士の妻にはなれないと思い詰める
    • おまさ:お玉の家で女中・離婚され離れ離れになっていた息子と再会
    • お喜代:芸者・三味線の師匠 後妻となり商売を嫁いで行くことになる
    • 小梅:芸者家の跡取り娘、8歳、お玉を「小母ちゃん」と呼び、お玉の青木への思いを動かせる
    • お花:隠居の妾であり、役者の間夫に貢ぐが、最後は間夫と喧嘩で心中する
  • お玉は青木を諦める「日陰の女」心に「人には分というものがあるのさ。私はその分を守っただけさ」
  • 恋心を持った青木が労咳(肺結核)である事を知ると心を断ち切り寂しく別れた青木が近くなった。
  • 心がにつまらないお玉に対してお内儀は「後で悔やむより、エイっと踏み切った方がいいですよ」
  • お玉の言葉「ここで小梅に会い、お喜代に会い、お花に会い、そして青木に会った。川の流れにできる渦のようにみんなと出会い、また流れの勢いで渦は解け、てんでんバラバラにどこかへ流される。これが人の世であり、誰もその流れには逆らえないのだ」
  • 世間が許さない元武士に恋心を持ち、最後にお玉は「これで帳尻があったと思ってさ」と病を持った青木の伊勢・津まで旅に出ることを決意する。

「世渡り上手」は何処にでもいる『自分をもっと深く掘れ!』

2020-03-15 07:54:06 | 経営・リーダーシップに必要な事
「世渡り上手」は批評・評論化し、自分では直接手を下さない輩の事である。それを見極め、指導できる「優れた目利き」は現代社会には最も重要であると感じる。特に会社、国家組織で「目利き」リーダシップが重要な要となる。 ここにある「理論から実践」、自らの行動があって初めて周りが認めることを知るべきだ。それが末に信頼につながり「満足」する会社・社会につながるのではないだろうか。「目利き」になるための仕法がここにある。 現代の組織・リーダーにとってのニーズは少なくともレジリエンス(回復性)、サステイナビリティ―(持続性)、クリエイティブ(創造性)、イノベーション(変革性)だろう。

『自分をもっと深く掘れ!』新渡戸稲造
かつて日本には、「武士道」に象徴される「生き方のモデル」があった。ひと言でいえば、「品格のある生き方」である。そして今、再びそうした「生き方」が脚光を浴びている。自分を最高に生かし、人からも存分に生かされるためには、日々何を考え、どう行動したらいいのか。自分の「生き方」に絶対の自信がつき、生きることのかぎりない“喜び”が満ちてくる新渡戸流「人生論」の決定版。当時の第1級の国際人であっただけでなく、優れた常識人でもあった。人生哲学「毎日の生き方や生活上のいろいろな問題に対し、具体的な解決さが示されている
  • 「独りよがりの生き方」=他人との深い結びがあって初めて実現される自分の理想、それには足元にある手近な仕事から始めることと、安易に自分で自分を売り出すような事をしないこと。
  • チアフル」=愉快らしい顔色をすること・微笑にながら、相手を善意で見る、その為に怒気を抑える
  • 誠実さ」=真心を尽くす、それが自分の力となる(他人を尊敬・敬意・礼節する念を持つ)
    • 「人間関係に油を差す役割」=円満に世渡りができる工夫
    • 6つの長所に目を向けて、4つの短所に目をつむる
    • 自分自身を足りない者である」と謙遜 謙遜は使いすぎると「嫌み」になる
    • 専門バカより聞く耳を持つ素人になれ
  • 理論から実践」理論を理解するよりも実行する方が返って難しい
    • 実行は決して軽視すべきものではない、価値があると認識すべき
    • 評論家的態度を保ち、自ら何の仕事にも直接手を下さない者は必ず何かが犠牲となる
    • 西郷隆盛の「欠点」は「騙され易い人柄」(知恵不足、討議不足)だが、決断力は好かれた
  • 「いい人生・感性の力」
    • 恩と恨みでは受けた恩より恨みはどんなに浅くても報復する
    • 人相・顔の上層部(鼻以上)は人の知能を表し、下部(口・頬・顎)は性格を表す
    • 人の弱さを見せない「NO」をうまく使える人、一歩退いて考えるクセをつける
    • 「見込み」「見切り」を使い分ける(考え過ぎは何事も成し遂げられない
  • 「存在感のある人生」
    • 代打がいない存在である事
    • 世の中は相持ちである(助け、助けられる、惜しみ、惜しまれる)
    • 「優れた目利き」は一番の財産、「どうせ」の連発は仕事ができない人材
    • 無理難題を小言を言わずやり遂げる事が上司に好かれる(できる人の真似をする)
    • 人の悪口・噂を言わない「人を責めず、陰口を言わず、悪口を言わない
    • 相手の立場に立ってものを考える人になる(他人の視線を気にしない)
  • 「満足度ある人生」
    • 「先に踊った人」だけが味わう人生の醍醐味
    • 本当の思いやりは「生きる勇気」を起こさせる事
    • プライドは持っても奢らない
    • 孔子・秀吉に共通する「世渡り」の極意は自分の義務を完全に尽くす事

浅井長政の謀反は明智光秀にもつながる『浅井長政のすべて』

2020-03-14 07:57:44 | 経営・リーダーシップに必要な事
@「明智光秀につながる信長への謀反理由」姉川の合戦(信長・家康vs浅井・朝倉)に決定的な理由が隠されていた。それは「将来への不安と不信(安心と信頼)。家臣との「信頼」無くして家臣の不安は払拭できない、また武将の頭にはなり得ないというのがこの書で得た謀反の理由だ。(下記本文参照) 現代でもこの「信頼」無くしてリーダーシップは取れない。「信頼」を得るには、相手の立場に立った姿勢・物事の考え方を読み取る事だろうか。それに皆が「安心・安全・安定」を臨んでいるのは言うまでもない。

『浅井長政のすべて』小和田哲雄
浅井長政とその時代
    祖父亮政、父久政、長政 浅井3代、元服時は六角からの賢政、妻も六角重臣から
    北近江(伊香郡、東浅井郡、坂田郡)守護は京極氏
    南近江の守護大名は六角定頼・義賢(長政元服から双方で争いが始まる)
    16歳で六角との決別離婚し、名前を長政とする、初陣は六角義賢との野良田合戦
    17歳佐和山城を奪回
    22歳蒲生野合戦
    23歳織田信長が斉藤龍興を滅ぼし稲葉山城を得る(信長に接近)
    24歳お市の方を妻に迎える、足利義昭小谷城に入る、信長と義昭が上洛、六角氏討伐
    25歳長女茶々誕生、足利義明より一色式部小輔を受け鷹を返礼する
    26歳次女お初誕生、信長が越前朝倉義景を攻撃で信長に謀反、姉川の合戦で敗退
    27歳筆頭家老磯野員昌が寝返り、佐和山城が落ち、その後鎌刃城、横山城が没
    28歳信長小谷城城下を攻め山本山城を攻撃
    29歳3女小督誕生、足利義昭、信長に降伏、山本山城阿閉淡路守貞征寝返り
        朝倉義景一条谷にて自害41歳、朝倉氏滅亡、27日長政の父久正自害49歳
        9月1日長政、小谷城本丸で自害29歳 浅井氏滅亡
信長に反旗を翻した理由
    信長の長政に相談なく朝倉攻めを決行した事(当初は越前若狭武藤友益討伐)
    六角攻めで信長から長政に対し恩賞がなかった事(信長の江北一円の分国の前触れ)
    長政・朝倉に手を貸した比叡山延暦寺も信長によって攻められ壊滅された事
浅井長政の織田信長に対する戦略(姉川の合戦~小谷城攻め・3年と4ヶ月)
    姉川:浅井軍・総勢8千人、姉川には5千人、小谷城に3千人
    姉川:信長・家康勢・信長3万人、家康5千人
    甲斐の武田信玄との同盟を推進
    大阪石山本願寺や近江・加賀・越前一向一揆衆との連携
浅井側敗因の理由
    武田信玄の陣中での死去と足利義昭の流落
    家臣たちの寝返り(山本山城、月ケ瀬城など城主)
    朝倉・信長との戦いで敗走、朝倉義景が自害する
    長政は小谷城落城とともに自害、その後忠臣百人余りも追腹
    信長の天下統一への一戦で浅井側の資料が少なく、秀吉・家康の優勢資料ばかり
小谷築城とその支城
    山頂部(495m)の大嶽と住居空間の山麓部(390m)
    安土城に先行していた石垣城廓の構造と清水谷(山屋敷)、福寿丸・山崎丸(曲輪)
お市との婚姻・生涯
    お市は信長の従兄弟、織田信秀の5女
    織田・浅井との同盟関係を築く目的
    信長と足利義昭・幕府再興のため京への上洛(京への近江路の安全)
    小豆の袋を信長に送ったのは逸話(長政の謀反を知らせる目的)
    柴田勝家の妻となり、秀吉との合戦で夫婦ともに自害
お市の三人娘たち
    長女茶々は秀吉の側室となり二人目秀頼を出産「淀姫」正室となる
    次女お初は京極高次に嫁ぎ、京極家江戸屋敷で64歳まで生きた(浅井長政の血筋を引く浅井家が讃岐・丸亀藩主として残った)
    3女小督(お江)は尾張大野城城主佐治与九郎一成と婚姻、その後離婚、秀吉の甥羽柴秀勝と再婚、秀勝が朝鮮出兵で戦死、その後徳川秀忠(17歳)と3度目の結婚(23歳)、二人の姫と後の3代将軍家光を出産
史跡
    養源院 京都東山 長政とお市の方・長政の法名「養源院天英宗清」
    多賀神社 滋賀県犬上郡 長政の寄進した梵鐘
    佐和山城跡 彦根市佐和山町 石田三成の居城 浅井方城主磯野丹羽守員昌
    鎌刃城跡 米原市番馬 枡形虎口や防御石垣
    徳勝寺 長浜市平方 浅井家の菩提寺(井伊直興により移転)
    小谷城跡 滋賀県東浅井郡 浅井家2代の居城 標高495m
    山本山城跡 滋賀県東浅井郡 朝日山(阿閉氏城主)

見えない出生の過去と家族の影『ザ・フォトグラフ』⭐️4

2020-03-13 08:08:28 | 映画から見える世の中の動き
@「奇遇の人間関係」、恋に落ちる相手が昔の母とつながっていたという不思議な「縁」のロマンティック映画だ。 偶然の出逢い「縁」もあるがこんなにも奇妙で不思議な「縁」があるのかと思いたくなる結末だ。知らない世界を知ることの勇気、自分の出生秘密を知ることがプラスになるのか。摩訶不思議な人間関係を描いた映画。昔ルーツという映画があり、家系を紐解くブームになった。自分の出生、生きている間に祖父母・父母にいろいろ聞いておく事は思わぬ自分を発見できるかもしれない。

『ザ・フォトグラフ』The photograph
有名な写真家クリスティーナ・イームズ女史が突然亡くなる。母親のクリスティーナは疎遠になった娘メイ・モートン(イッサ・レイ)と元夫に手紙と写真を残していた。それはメイの心を傷つけ、怒り、多くの疑問を持たせることになり、母親の幼少期を掘り下げる旅に出かける。その時に出逢ったジャーナリストであるマイケルブロック(ラキーススタンフィールド)と予期せぬロマンスに火がつく。実は二人の関係は母とつながっていた。



生死をかけた秘密『ジョジョ・ラビット』⭐️4

2020-03-11 07:53:25 | 映画から見える世の中の動き
@「秘密を隠し通せるか」10歳の少年ジョジョと空想の人物「アドルフ・ヒトラー」との会話がなんとも可愛くもあり、悲しくもなる。屋根裏にいるユダヤ少女を如何に守るか、少年ジョジョの葛藤が始まる。 嘘は「顔に出る」をうまく演出するジョジョ。何が大切で何をするべきなのか、人生の選択の一コマだ。

『ジョジョ・ラビット』Jojo Rabbit
第二次世界大戦終盤のドイツ。ユースの親衛隊でウサギも殺せないジョジョはある日シングルマザーロージー(スカーレット・ヨハンソン)が屋根裏部屋でユダヤ人の少女エルザ(トマシン・マッケンジー)を隠しているのを発見する。想像上の友人、アドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)からジョジョのナショナリズム観が狂い始める。ある日、ナチスが家の中を捜索するとエルザが妹と偽って姿を現す。だが誕生日を間違えていた事を知ると、バレてロージーが公開死刑にされる。終戦となり生き残ったエルザを庇った選択は正しかったのか。

権力の存命はいつまで続く『裏太平記』

2020-03-10 07:57:21 | 歴史から学ぶ
「太平記」、天皇の即位争いに下で支えた公卿たちの陰謀が見え隠れする。武家社会も同じ、現代社会に置いても同じような現象を多々見受ける。国内の大手家具系でみた子が親を見下す継承事にも見られたように、戦国時代の子が親を殺すのは家臣・部下との信頼関係と個々の貪欲さで大きく左右される。 往々にして権力の立ち振舞いは過去の歴史でも長続きはしない。 周りを人徳で引き寄せる工夫が必要だ。

『裏太平記』半村良
『徒然草』の兼好法師には裏の顔があった! 皇位をめぐる争い、下克上を求め動めく民衆の異様な動きの影で兼好の画策する陰謀とは。伝奇小説の巨匠が大胆な推理を元に描く本当の太平記の世界。
  • 兼好法師が日陰一族の創始者(影法師)と言われ、当時の貨幣経済が拡大するその富の集まる集団をまとめた。密教と浄土宗、その他の宗派と対立させるべく活動し、有力寺院の僧兵など、その武力集団の一つが楠正成だった。兼好法師の終焉は伊賀で忍者等を後々創出した集団である。
  • 兼好法師の基本理念「権力は肥大すると腐る」、当時持明院統と大覚寺統の両派に分かれた天皇即位順位が公家、公卿等で乱れ始める。それを早くから見抜き「下克上」を招こうと行動した無名法師等を抱き込み後の後醍醐天皇の王政復興、倒幕へと動きを取る。好法師の興味は天皇家が所有する「天領地」で、「悪党」盗賊・武力を持った豪族が動き出した時代。そこで兼好法師の言う「世は武士が争いをする、公家、公卿は種を撒く人じゃ」と。それはまた言う「乱世の始まりは、荘園の米が銭で買われる様になり、銭は権力を養う糧となったこと。銭は力となり、力は銭を呼ぶ。貴賤は問わず力のあるものが上に立つ下克上を招いた」「下克上は万民平等の第一歩じゃ」また「融通無碍に生きることを勧める」
  • 無名法師の仲間で円真、文観等は寄進寄付(お布施)で富裕層(石見銀山)を狙い呪い、遂には天皇家にも近づき、次期天皇(邦良親王・病弱を利用)を祈祷をしながら毒殺させ、後醍醐天皇を推挙する。当時毒薬(柱毒)は主に公家、公卿等が買取、利用していた。
  • 後醍醐天皇(31歳で即位)は単なる飾り物ではなく過去を断ち切る破壊的な思想で王政復古を標榜し、密教を復興、幕府討伐する動きをするが失敗、気鋭の宗学者日野俊基、日野資朝などを六波羅奉行により失くす。過去院政を行ったのは後白河法皇である。後醍醐天皇は将来剛健な体質で公妃18名、皇子18名、皇女18名と言う精力盛んな天皇だった。
  • 陸の悪党が楠木正成、海の悪党が名和長年、武藤なる姓は、武蔵の藤原ではなく、武士の藤原である
  • 酒屋・土倉(鎌倉時代)はその当時「酒屋」と「高利貸し金融業者」(消費者金融:無尽銭=貸付金、出挙=貸付)としての役割を持ち裕福な商人だった
  • 柿色は人外魔境の者の色で、俗界から超越した人間と認識されていた。 柿色とは柿の実の色で渋色の赤茶色やベンガラに少し黒を入れた色

無責任の批判より結果の評価が大切『Disturbing the peace』⭐️4

2020-03-09 08:05:26 | 映画から見える世の中の動き
@「守りの姿勢」で甚大な後悔の犠牲を生む、とはこの映画だ。犯人を捕まえようと追い込むが同僚が人質として捕らえられ、犠牲者となる。「後悔先に立たず」とはあるが、どんな選択が正しいと言えるだろうか。 選択に迷うことは人の常だ。 評価は結果で判断すべきだ。 だが世間の批判は決断されるや即座に悪批評する人が増えてきた。 無責任な発言はいつでも誰でもできる、だが、やはり結果を診て評価することが大切だ。

『Disturbing the Peace 2020』
テキサスレンジャーの同僚が犯人の銃撃で殺害された。それは自分の責任だとしてその後銃を使わない保安官として小さな町に移る。ところが、街に銀行強盗と現金輸送車を襲撃する計画持った無法者バイカーたちが市民を殺戮、街は騒然となる。保安官は再び銃を持ちバイカーのギャングたちと撃ち合いとなる。

男は甲斐性、女は愛嬌、変わる現代『我が家のヒミツ』

2020-03-08 11:52:17 | 人生を「生かす」には
「甲斐性」とは辞書では「やる気溢れた気質・根性」、と男根性を指す意味である。だが現代では女性に対しても「甲斐性」を使うが、どちらかと言うと「スマートにこなせる人」と言う感じになるのか。「男女平等」などで逆に女性にも「甲斐性」が求められる時代になったのだろう。それとネット上のやり取りが増え、相手の感情が読み取れないのか「他人への思いやり」も案外少なくなっている感がする。
『我が家のヒミツ』奥田英朗 6短編小説
1、『虫歯とピアニスト』 結婚して数年、子供ができないことで夫の実家から医者に診察に行くようにと言われ悩む。悩みを抱えたまま妻は歯医者の受付で仕事をする。そこで出会った患者の一人がファンのピアニスト。そのピアニストからの言葉「プランAしかない人生は苦しいと思う。常にプランB、プランCを用意し、不足の事態に備えている。つまり理想の展開なんてものを端から信じていない。理想を言い訳にして甘えてもいない。逆に言えばそれが一流の条件だ。だから人生にもそれを応用すればいい。あなたも・・」「人生を大袈裟に考えなければ、ほとんどのことは諦めがつくのだ。それを悲劇と捉える人と、運命と思って受け入れる人の差は、心の中のスイッチ一つでしかない
2、『正雄の秋』同期との昇進レースに敗れ、53歳にして気分は隠居。その昇格した同期にもお祝いの言葉させかけられない惨めさを感じたまま久しぶりの旅に出る。旅の中ほどで同期の親が亡くなり急遽旅を変更、葬儀に参加することに。そこで漸く同僚に心を開い思いを伝えることができた。それは同期の親元の故郷に着き同期の育った和やかで素朴な環境を見て心の癒しになったのだ。
3、『アンナの十二月』16歳になったのを機に、初めて実(血の繋がった)父親に会いにいく。今の家庭の父は血縁関係のない育ての父親で、血縁のある父は独身、著名な演出家だった。夢憧れる仕事に魅せられ、心も身も揺さぶられる。だが同級生からのアドバイスもあり、今の育ての父親の立場を考えさせられ、自分は2股をかけた夢を追いかけていたことを恥じる。実の父親が「もしかしたら離婚して、アンナを苦しめたかもしれないね。大人の都合で振り回しておいて、その後フォローもしてなかったし、申し訳ないと思っている」女の子は「運命」「将来性」「ブランド」に弱い。男は甲斐性、経済力とか、権力とか社会的ステイタス、女は愛嬌で誤魔化せる。
4、『手紙に乗せて』母が急逝。憔悴した父のため実家暮らしを再開するが食欲をなくし、睡眠も十分でなく痩せ細ってきた。娘は「残された家族三人の悲しみが10としたら、そのうちの7ぐらいはお父さんが引き受けてくれているのよ。だからお兄ちゃんと私は残りの3で済んでいる」。心配した息子の上司、同年齢で前年に妻を亡くし、辛い思いをした経験者、から1通の手紙を預かり、父に渡す。父もその上司にお礼の返事をしたため渡す。上司は「この歳になって伴侶を失うと言うのは、自分の人生の半分を失うと一緒なんだ」年配者などは縁者が亡くなったときの感情、辛さが読めるから労りの気持ちがあるが、若い世代はそうでもないと身をもって感じる。歳をとると経験から自然に他人の気持ちを思いやることができる、若者の人生経験が乏しいと言うことは、それはそれで貴重な時期だと言う。
5、『妊婦と隣人』産休中なのに、隣の謎めいた夫婦が気になって仕方がない。マンションの隣部屋に引っ越してきた1組の男女。ほとんど外に出ず、ポストにもドアにも表札がない・・「人間は普段慣れていない環境に置かれると、知らずのうちに神経が圧迫され、自覚症状のないままに幻覚や幻聴と行った超以上体験をすることがある」夫は精神的に不安定になり始める妻に忠告するが、妻は一旦疑問を持つと不安で夜も寝れなくなる。ある深夜に隣が外出すると跡をつける。と警官に止められる。隣は実は中国からのスパイで警察が監視をしていた。時間があると身近で何でもないことが気になることが起こる。
6、『妻と選挙』妻が今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出す。夫はN賞受賞者の作家、だが今は下り坂で売れ行きも芳しくない。そんな時期出版からは書き下ろしを依頼され時間的なゆとりができる。妻の選挙活動が思うように人が集まらなく、夫も家族全員で協力すると人々の脚光を浴び、遂に当選する。

これからの転職・就職、国内だけではない『主を七人変え候』

2020-03-08 07:59:06 | 歴史から学ぶ
@「転職に次ぐ転職」七人もの主人を変えた戦国武将藤堂高虎の生涯だ。最初は禄高を求めて転々とするが、途中からは仕える主の人柄・思考・戦略等(侍大将)に傾き、城・仏閣建築に興味(建築家)を持ち、終盤には守り固め(相談役)に終始する人物に変わっていく。 現代、転職して誰もが恵まれた上司には出会えない、ましてや昨今の志望する就職難からか給与の大幅なアップが見込めないこともあり「社内での生き残り策」でもがいている社員もいるかのように見える。国内の景気にもよるが今後国内転職において良い条件での採用は困難な時代を迎えると予測できる。 それは日本経済の滞り(消費が増えない構造)、新規産業開発・発展の衰え、中高齢者の退職時期の延長、少子・高齢化による経済構造の変化、世界経済の低迷(新型肺炎など)である。必要なことは中間目標、最終目標を立て、目標に向かって日々勉強し、経験(質問し、聞く)していくことかもしれない。東南アジア諸国を旅(商用)すると多くの起業・就職の機会があると感じる。 成熟した諸国が次に歩む予測とこれから成長する諸国の動向を知ることは大切。

『主を七人変え候』小松哲史
高虎は、歴史の日陰者となった。だが素朴な疑問がわいてくる。「ゴマスリ」だけで三十二万石の大名になれるのか?なぜ七度も主人を替えたのか?なぜ家康の信用を勝ち取ることができたのか?大名取りつぶし攻勢のなかで、なぜ生き残ることができたのか?これらの“謎”を、波乱に満ちた高虎の生涯で追いかけてみよう。人を誰も信じない家康の肝をつかみ、外様にして徳川の先鋒にまで昇りつめた男。乱世にも治世にも生き残る知恵と覚悟を活写。
  • 藤堂高虎 15歳の初陣から七人の主を変えた武将
  • 1、浅井長政 小谷城1570年 父の縁で出仕 禄高なし 姉川の戦い ただ働きが嫌になる
  • 2、阿閉貞征 山本山城1572年  無録 生計が成り立たない
  • 3、磯野員昌 小川城1573年 80石(自分を入れて三人と馬の餌など)
  • 4、織田信澄  城主交代1574年 80石のまま
  • 5、羽柴秀長 長浜城1575年 300石 1581年中国遠征などで3千石加増 
    • 賤が岳合戦で4.6万石、1587年紀伊粉河で2万石の領主となる
  • 6、豊臣秀吉 伊代飯島7万石
  • 7、徳川家康 1600年関ヶ原の戦い、伊予今治20万石
    • 1608年伊賀・伊勢22万石 冬夏の陣1614年32万石
  • 近江屋主人与左衛門との出会いで得た知識、それは人柄・質素・低姿勢・商売の秘訣
    • 礼儀正しく、信用を重んじ利益は後に考える
    • 安易に金を借りて、商売を広げぬこと
    • 財は天下一の宝物なれど、悪く用いれば身と家を滅ぼす
    • 仕事を楽しみ、不平を抱かず、困難に出会っても屈してはならない
    • 職業に価値が高いも低いもない、ただ心の持ちようである
    • 小さな商いも疎かにせず、客を分け隔てしない
    • 勉強と節約とは福を招く門である
    • 一つの小さなことにも手ぬかりないようにせよ。何事も堪忍の2字を弁えるべし、さすれば万事において大成する
  • 高虎は「ゴマスリ」「風見鶏」「裏切り者」「世渡り上手」など悪評が多いが、徳川幕府では忠誠を誓う「外様」の見本として活躍、勇将な武士でありながら城・仏閣の建築で家康などから信頼を受ける。高虎と宮大工宗黄による日光東照宮・5千体に及ぶ彫刻がある。 明治まで幕府からの簡易がなく生き延びた外様は多くない。正室、久芳には子がなく養子を育てるが発狂して自殺する。途中妻帯(松寿)し長男を授かる。遺産は後継ぎの長男、松寿に多く、残りを家臣に分配した。 老後70を超えると家光、家老たちに昔話をすることが多く逸話として
    • 博打の男と遊女に走る男に「どちらに重きを置いた罰を与えるか」 高虎は博打男を軽い罰
    • 天下太平で一番大切なことは「文武両道が必要だ」(どちらもほどほどが一番良い)
  • 高虎の城建築(テクノクラート・技術官僚) 歴戦で城を攻め抜いた経験者であり、武略・知略・計略の3つを備えた武士だった。 伊賀上野城(30mの石垣)南北長さ240m、西の250mと大阪城並み敷地5双の天守閣、40箇所の蔵(8万俵を備蓄可能)、その他江戸城、(天下普請)、伏見城、増上寺、伊勢津城、丹波亀山城(再構築)丹波篠山城などを建築した
  • 高虎の目標は手柄を求め戦場に出向く、侍大将になることだったが、「平和」「幸せ」の徳川時代になり「大切な何かを失ったような・・・」があった。
  • 「人は少しくらい切られても死なない、だが、致命傷を与えるには刺すしかない」
  • 高虎の遺言「選択があるとしたら迷わず「領土」「領民」を選べ」
  • 高虎の中国出征の間違い「敵を知り己をしらば百戦危うからずが、敵を全く知らずガムシャラに猛進したことでが敗北の要因であった」
  • 徳川家康の誰一人信じない武将 「外様であろうと譜代であろうと、信用できるものは信用できるし、裏切るものは裏切る。人を図るには、まずその力量と技量で図れ。次にその姿勢と人柄で図れ。そして最後にはその人間が勝つことだけでなく負けることを知っているかどうか図れ」
  • 石田三成を筆頭の政務派vs家康らの武闘派の戦い:関ヶ原の戦い
  • 東西に分かれた関ヶ原の戦いを他所に黒田官兵衛は九州において「3分の計」を計画していたのか


誰を信用するべきか『The Night Clerk』⭐️4

2020-03-06 08:05:10 | 映画から見える世の中の動き
孤独の世界から助け出せるのは優しく癒してくれる人なのか。 この映画ではその人が殺人犯の一人であり、騙された失望した若い自閉症の青年は最後にやり場をなくし自殺する。 唯一信じようとした相手に逆に裏切られるのはこの上なく辛く、侘しく悲しい。 誰を今後信用していいのか・・・ 孤独の世界に入りこむ卑しい人間!

『The Night Clerk』
自閉症スペクトラムと呼ばれる発達障害のタイ・シェリダンはモーテルの受付で夜勤の勤務中、部屋の1室で殺人事件を目撃する。それは対人関係の会話を勉強するために録画していた部屋等の画像であった。だが、捜査官(ジョン・レグザモ)には告白できず隠し通そうとする。ところが、殺害犯が気づき若い女性を使い証拠隠滅を図ろうとする。タイは自分を理解してくれる女性に親近化を抱いて何とか殺人事件を解決しようと相談するが・・・

成功への焦りを省みる『三年坂』

2020-03-05 07:54:07 | 人生を「生かす」には
@「人の絆」親兄弟、夫婦。人は沢山の繋がりから記憶に残していくものがある「回想」。楽しいこと、辛いことなど様々だ。ここにある「水澄」は将来有望だと囁かれた高校球児が甲子園にかけた最後の投球・一球が人生を狂わせることになった。 敗者となり、気晴らしで酒を喰らい、人を傷つけ、妹を亡くし、世間から除け者に、そして人生の転落。転職から転職、自分の人生に諦めた矢先「草野球」で蘇る、と言う内容だ。 誰もが人生につまづくことは多々ある。 ここでの悟りは「今まで選んだ人生はすべて自分に焦りがあった」と言うことか。 近道で成功・勝負をしたいと焦っていた結果だと・・・何事も「焦りは禁物!」だと

『三年坂』伊集院静
七夕の笹を求めて分け入った山中で窮地に陥った父を助けようと必死に走る少年の思い「皐月」、店が開店した日に事故で亡くなった母親の在りし日が鮨職人の心に鮮やかに甦る瞬間「三年坂」……。めぐる歳月と人生の哀切を、抒情あふれる端正な文章で描き出した、著者の原点とも言うべき珠玉の作品集。

●三年坂 母親の7回忌の法事の時に叔母と話をしながら、母親が亡くなったことを回想、破綻を迎えつつある妻との関係を思いやる話。母からの教訓「新聞だけはよう読んどかにゃいけないよ。いい客はやっぱりそれなりに成功した人だから。勉強をしとるわね。大学も出とる。その人と世間話が相手できんといかんからね。博打はいかんよ、絶対に。それから女もじゃ。水商売は博奕と女で崩れるから。」再婚もせず一生懸命育てた母を想う、その母が自分の寿司開店の当日事故で亡くなった。
●皐月 父親と息子の絆の話。山で父親が皐月を持って帰ろうと崖から落ちる。それを救うために息子は必死に助けを求めにいく。山で父親は「これは皆、人間が植えた杉じゃ。この連中が30年から40年じゃろ。この杉を植えた人はもう死んどるかもわからんの。そいつの息子のまたその息子がこの杉を伐りに来るんじゃ」 父親を助けた老人は「大したもんじゃ。坊の父ちゃんは。あの体をずっと手一本で支え取ったんじゃからの。その辺のやつならとうに手を離しとるわ。大した人じゃ。偉い男じゃ」息子は「偉い男」の意味を知った。
●チヌの月 老人が釣りに出かけ大魚「チヌ」を釣り上げようとするが転落、満ち潮で呆然とする中、昔の思いが蘇る。潮が満ちて死に際と思った時、自分が楽しいと思ったことなど頭をよぎった。大物の「チヌ」を放ち、自分も助かったのは「チヌ」を助けたからなのかと想う。
●水澄 転職からさらに転職と人生のどん底に追いやられた男が途方に暮れた時、出会ったのは草野球。昔高校時代の野球人生での勝負から下り坂を経験することになる。だが草野球で知ったのは「自分はわざと危険な場所を選んで生きてきたようだ」と悟る。
●春のうららの 料理屋の料理人と夫婦になり、久しぶりに休暇を楽しむことになる。電車の車窓からの過去の思い出と夫との初めての旅回想を語る。夫は数年前に亡くなっている。
小説は人の人生を変えることはできない、しかし人の哀しみに寄り添うことはできる
「人間が生きようとする、生きがいを感じる場所と時間。それが故郷というものであり、母国というものだ。人が繋がり、人が繋ぎ会ってきたものが歴史なのだ。 歴史は生き残った人々が判断し、語られていく運命を持っている」

夢への実現、努力してこそ報われる『Arctic Dogs』⭐️3.5

2020-03-04 07:57:18 | 映画から見える世の中の動き
@「職種に差別化」北極圏の人気職業(宅配便)はハスキー犬でありフォックス(狐)では到底無理だと狐のスウィフティは敬遠され落ち込む。 だが必死に体を鍛え、勇気を持ってやっとの思いで1つの小包を配達、証明する。すると周りの姿勢が変化し勇気をもらうことになる。 夢・目標を絞りその実現に努力していく、考えるのは簡単だが何事も最初の一歩の実践は簡単ではない。

『Arctic dogs』
狐のスウィフティ(ジェレミー・レナー)は大きな夢を持ちABDSの郵便室で働いている。それは北極圏のスターハスキー宅配であるトップドッグになること。その実行できることを証明するために、スウィフティは依頼された小包をあるところに届ける冒険する。そこは邪悪なセイウチ(ジョン・クリーズ)が所有する秘密の要塞で、何やら怪しい館だった。その館で開発されていたのは地下の毒ガスを掘り出すマシンで世界の最高の支配者になる試みをしようとしていた。 この邪悪な計画を止めるために、スウィフティは愛人と友人の助ける行動を起こす。

視る目と信頼はどこから生まれるのか『虎の夢見し』(加藤清正)

2020-03-03 07:56:49 | 歴史から学ぶ
@熊本城を長期6年掛け完成させた理由は「領民への負担を軽くする為」とある。また加藤清正は人の命を最も尊び領民にも家臣にも慕われたとある。戦国時代の猛将が平常は温和で情にもろい性格だったことが意外であった。 「人を視る目」とはたとえ過ちを犯した人に対しても冷静に対応、判断できる才能を持った力なのだ。 それは幼い時の経験がもたらすものなのだろうか。 人の成長は困難に立ち向かった時生まれ、生かされる。 他人を思う心があるから、人からも信頼される。

『虎の夢見し』(加藤清正) 津本陽
この男が生き永らえていれば、豊臣家の運命は変わった――。
家康がもっとも怖れた男。稀代の猛将にして篤実の国主、激動の全生涯!
1952年、尾張国中村に生をうけた虎之助(のちの加藤清正)は、幼くして父を亡くすが、縁者である羽柴秀吉に見出され、その小姓となる。周囲の大人が見上げるほどの大男であった虎之助はけた外れの腕力の持ち主。一方で現実を冷静に見極める判断力をも有し、たちまち秀吉麾下の武将として頭角を現し始めた。だが、時は戦国動乱期。本能寺の変、天下統一、朝鮮出兵、関ヶ原の戦い……報恩を胸に秘め、戦国動乱期を駆け抜けた豪傑。その人生と謎めいた末期に新たな光を当てる津本版清正伝。
  • 加藤清正 50歳で没。幼少の時は人を助け、何事にも機知がある行動をした。青年時の身長が190cm、体躯長大、普段は温和で情に弱いが、戦場では驚くほど危険な攻撃を仕掛ける性格だった
  • 秀吉配下、長浜城下に住み、播磨・三木城など槍で活躍するが信長の姿に恐怖を覚えた、それは家臣が成果を出さなければ即刻廃したことなど
    • 三方原合戦での佐久間信盛父子への剃髪蟄居
    • 林通勝は信長を廃する行為で背任責任
    • 美濃三人衆安東伊賀守、敵への誘導で懲罰
  • 賤ヶ岳の戦いでは秀吉の警護、鉄砲隊長などで3千石となり、その後秀吉に願って肥後54万石についたのは先代藩主佐々成政が暴動を抑えきらなかったことから、25歳の時。秀吉の戦いは軍兵たちに十分な手当を与え、夜には非番の者に酒を与えた。陣中には商人に店を開かせ、娼家まで営ませた。士気は盛んで退屈することがなかった
  • 秀吉の家臣に対する温情は清正にも引き継がれており、周りや家臣が多少の過失を行っても処罰せず、殺さず、追放するにとどめ、家臣たちを労ったことで熊本城下の庶民は清正に頼った。
  • 熊本城は1607年から6年余りの歳月をかけ領民の負担を軽減するため長期に行った
  • 清正の普請作業は地元の河川工事から大津街道(35m幅)建物などを請け負った
  • 江戸城の石垣の泥沼基盤は茅を敷き詰め、子供に遊ばせ(踏ませ)その上に石を積み上げていった
  • 石田三成は豊臣政権の財政に深く関わり合う有能な官僚であった
  • 清正の「石田三成目と一戦を遂げ、思いしらさんがため」と三成の行いに日頃から不満を持っていた
  • 朝鮮出兵では途中、石田と小西の明との和睦で嘘の権言から清正が蟄居させられる
  • 高松城水攻めは農民に1土俵につき銭百文、米一升を与え、長さ4km、高さ7.3m、基底21.8m、上部10.9mの堤を12日間で作る
  • 秀吉の死後、家康は大名との姻戚関係を深めた(伊達家、福島家、蜂須賀家など)
  • 東西決戦の時はどちらにも加担せず極めて慎重で、豊臣を守る側につくが石田三成に対しては賛同拒否
  • 石田三成は諸大名の人質を大阪城に確保させたことで多くの大名が西軍から東軍へと移った。西軍は毛利輝元を総大将に吉川広家、宇喜多秀家、島津義弘、小早川秀秋、鍋島勝茂、長宗我部盛親、小西行長、蜂須賀家政、生駒親正など9万3千7百人、対する東軍の徳川は浅井幸長、黒田長政、細川忠興、蜂須賀至鎮、池田輝政など5万5千8百人だった。 5奉行の内、増田長盛、長束正家、前田玄以らも三成を信頼していなかった
  • 武士の移動距離は1日に5里(20km)だが秀吉の場合は2時間で6里(24km)だった

会社への忠誠心か、不正を訴えるべきか。 犠牲を覚悟、勇気ある女性の行動『スキャンダル』⭐️5

2020-03-02 08:11:14 | 映画から見える世の中の動き
権力を盾に「やり放題」、誰も「NO」とは言えない。独裁的な権力を持つ経営者の「セクハラ・パワハラ」に対する勇気ある女性たちの痛快だが、自己犠牲を伴う映画である。「NO」と言えない組織を作り上げるのはトップである経営者であり、絶対的な権力を持つ独裁者の傲慢な奢りだ。訴えた場合仕事を失い、会社仲間を失い、家族を不安にする、いわゆる弱い立場の人間への脅迫=矛盾を無理やり認めさせるのだ。最近の日本でも残念だがその傾向が見えてきた。それはトップの政治家による官僚・関係部署への威圧である。 犠牲は覚悟の上、「人の正しい道」を選ぶ、諦めないで勇気を持った正しい方法がここにある。 最終的に「会社」が全責任を果たすことになる結果は米国ならではの結末だ。

『スキャンダル』Bombshell 2019
主演アカデミー賞受賞者シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、ジョン・リスゴー、マーゴット・ロビー、2016年7月、FOXニューズ社の創設者でCEOのロジャー・エイルズが女性キャスターたちからセクハラで告発されたスキャンダル映画だ。メーガン(ニコール)が人種差別発言で司会を務めるニュース番組「Megyn Kelly Today」を降板・解雇されるところから始まる。解雇の理由は「無言」。メーガンは単独で「セクハラ」訴訟に挑む。その後数名の元女性社員がセクシャルハラスメントを受けたと訴え、さらに社内の22名も告発、単独で立ち上がったメーガンの訴訟は勝利する。 映像には、現大統領トランプ氏の女性差別発言などの実画像などFOXの経営者ロジャー・エイルズは権力を傲慢に利用し女性たちを言いなりにさせた。 実際2016年7月和解し、退社、翌年5月にロジャーが死亡する。 FOXは$50mを被害者達に、さらに過去の貢献度と退社を条件にエイルズとオライリーに$65mを支払った。



不良・独りよがりの憂さ晴らしから見える事『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』⭐️3.5

2020-03-01 07:54:22 | 映画から見える世の中の動き
@髪を切り、泥酔するほど酒を喰らい、周りの非難から不良化、その後職を点々とする。世間の目は変わり者には冷たい。 よくあるのは「悪いのは世間で自分は何ら問題ない」と思い込んでの憂さ晴らし行動が世間を騒がす。 いつの間にか孤独になり自分の立ち位置が見えなくなる。 この映画では、「語り合える仲間」を見つけること・・・ 
『人間万事塞翁が馬』

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』Bird of Prey
不良と化したハーレー自身が語るねじれた世の喜劇アクション映画だ。極悪であるローマン・シオニスと彼の右腕ザサスが、キャスというスリ(窃盗を繰り返す)女の子がダイヤモンドを窃盗したことでターゲットとして追跡する。キャスが警察に捕まるがそのダイヤモンドを飲み込んで発見できず釈放、キャスを守るため別の自由を愛する女性三人が出会し凶悪なローマン「ブラックマスク」集団と戦う。