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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

レディ・マクベス

2021-03-20 23:22:30 | 洋画
これって2016年製作の映画だったのですね、2020年公開の問題作「ミッドサマー
や若き女性の新しい生き様を描いた若草物語のリメイク「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」などで注目を集めた女優、フローレンス・ビューが初めて主演した長編映画っていうことで
シネマート新宿の恒例企画興行<のむコレ 2020>で上映された作品なのでレンタルしてきました。
原作はロシアの小説『ムツェンスク郡のマクベス夫人』だそうですが、『マクベス』って銘打ってるからしてシェークスピアが原点でしょうね
 
そう身内の王を邪魔者として殺して城というか国王の座を得ていくお話が元になってるわけでして
イギリスの上流階級の裕福な家に中年の息子の妻として買われてきた17歳のキャサリン
夫は不能なんでしょうか裸にするだけで体の関係は持ってくれません
義父は子孫のために健康な彼女を買ったっていう意識しかなく、半ば屋敷に軟禁状態の生活をして送らせるが
夫は全く家に帰ってこなくどこで何をしてるのか
義父は仕事に行ってると言うだけ
 
そんな時、若くて男らしい使用人セバスチャンと肉体関係を持ってしまい、キャサリンはセバスチャンの肉体に溺れていく・・・
使用人が口を滑らしたのかよくはわかりませんが、義父にセバスチャンのことがバレてて
ある日侍女が積んできたキノコが毒だったのかそれを食った義父が死に
夫はかえってきませんので
キャサリンは堰を切ったように誰はばかることなくセバスチャンとの肉欲に溺れていくものの使用人はみんな知ってる状況も全く無関心
そんな時に噂を聞いて夫が真夜中帰ってくる、しかしセバスチャンを鼓舞して夫まで殺して埋めてしまう
もう誰も自分を縛るものがなくこの家を乗っ取ったかって時に
何と夫の嫡子だっていうのが現れて、この家に母親と一緒に住みこまれて・・・

この映画はとにかく一つ問題を解決したと思ったら、事態が悪い方へ、悪い方へと進んでいくんですね
キャサリンはセバスチャンとの愛というよりは肉欲のため、殺人を犯して行きますがその計画も行き当たりばったりなとことか稚拙な点が多くて
見てるこっちでさえ、これはヤバいだろうっていうくらい短絡的に展開していく
その刹那的で短絡で杜撰な殺人行為なんですが
最後はもう子供まで手を染める冷酷さを持っており
彼女の行為は単に肉欲からきてるとこに、こっちが妙に感情移入できてしまうという
不思議な魅力を魅せてくれるフローレンス・ビューの演じる暴走悪女っぷりが素晴らしい
 
彼女のすばらしさをさらに助長するために劇伴まで配してる演出も見事というしかない
上に書いた「ミッドサマー」がヒットしなかったら永久的に輸入されることもなかった作品だと思いますが
実に面白く見られた作品だった
 
日本でのR -15指定はエロではないのでしょうね、全裸裸と言ってもフローレンス・ビューの後ろ姿だけだし
個人的にはいたいけな子殺しシーンが引っかかったんではないのかなぁ
 
2016年製作、イギリス映画
ウィリアム・オールドロイド監督作品
出演:フローレンス・ピュー、コスモ・ジャービス、クリストファー・フェアバンク、ビル・フェローズ、ポール・ヒルトン、イアン・カニンガム
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遊侠列伝

2021-03-20 18:57:06 | 邦画
東映チャンネルでの高倉健生誕90周年記念企画の一本です
6ヶ月で60本OAされるとか
残俠伝、日本侠客伝、番外地などのシリーズ全作品がプログラムされてるようですね
ってことっで列伝三部作の最終作はオールスター作品ではありません
 
健さんのテキヤさんのお話、テキヤさんのお話では藤純子さんとのコンビで日本侠客伝でも一本ありますが
こちらは着流しヤクザ映画での寡黙な健さんが夙に有名ですが
この作品では健さんテキヤさんだからでしょうか、着流にもなりませんが
セリフの量が実に多い実に、独り言や捨て台詞的なものまで
こんだけ喋る健さんも珍しいし
いつもは想いを寄せる女に気持ちを伝えない健さんですが
この映画では健さんオープニングから好きな女と一緒に駆け落ちしようっていうところから始まります
 
それを追いかけて来た女の兄貴に何と天津敏さん
ほとんど悪役の大親分とか悪党での貫禄を見せる天津さんですが
この映画ではひたすら妹をさらって行った健さんを追いかける女の実兄であり
健さんの兄貴分で、一宿一飯から人を殺めて追いついてきた男
一宿一飯に恩義から健さん家族を見守ってくれてる土地の帳元のアラカンさんまで殺してしまうものの
健さんとの命のやりとりの中で健さんの子供に妹の面影を見て甥っ子を助けて命を落とすという、実に儲け役
こう言った役もこなせる天津さん、やっぱ実力派の俳優さんでしたねぇ
今作では何とクレジットでは三番手ですからねぇ
 
そうだその天津さんのもう一人のおとうと分に、このは時代松竹新喜劇から追われて
東映任侠映画で食いつないでいる藤山寛美さん
っていうか健さんが厄介になる帳元さんの症状時代に藤山直美さんが
同じシーンでは交わらないものの藤山親娘共演映画だったのね
でクレジット二枚目のヒロインの位置には浜木綿子さん
でも健さんと手と手を取って駆け落ちするのは藤純子さんですから
 
何と藤純子さんはクレジットで何と止めでした
ってことっでこれはある意味ガマン劇ではなく、兄弟愛、親子愛を縦糸に
悪徳テキヤと地元に親しんでる帳元親分とのいつもの対立構造を横糸として作った
大和久守正の脚本を職人小沢茂弘が手堅く纏めた一本でした
東映京都の作品なんで、この映画のロケ地となった漁港ってどこだったんだろう
 
1970年製作、日本映画、東映作品
小沢茂弘監督作品
出演:高倉健、藤純子、浜木綿子、天津敏、嵐寛寿郎、南廣、武原英子、香川秀人、遠藤太津朗、藤山寛美、藤山直美、谷村昌彦、玉川良一、由利徹、汐路章、関山耕二、鳳啓介、京唄子
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