コレは珍しいイランの映画が二本同時に東京国際映画祭で上映され
同日DVDリリースされました。
まずは最初に見たのはこの作品
麻薬課の刑事サマドは、街にあふれる薬物依存者の多くのホームレスを、まずは警察組織を挙げて一斉検挙していく
それは麻薬課の最終目的である薬物売人の頂点に立つ大物ナセル・ハグザドを捕まえる第一歩だったのである。
そうなんですよねイランの国民のほぼ99%がイスラム教徒ですからねぇ
イスラムはその教義でアルコール禁止ですから
アルコールに変わるものって言ったらやっぱ麻薬しかないわけで
その元締めであるナセルの儲けったら相当なものですよね
コロナ禍での緊急事態宣言で夜間の飲食店でのアルコール禁止でさえ
隠れて飲酒する店舗があるからねぇ
でも教義としてアルコール禁止ですから、代替品に人の嗜好が流れるのは当然ですよね
サマドが薬物捜索をするシーンでも酒瓶が出てきた途端家人はアルコールは入ってないって言ってた時にイスラム教ってアルコール禁止だったって思い出したんですが
麻薬もですが、家庭にアルコール飲料つまり酒があっても犯罪であるのかなぁ
アルコールでも逮捕されるんかなぁ
ってふと・・・
しかしこの作品ではあくまで麻薬、あの手この手で捜査を繰り返したあげく、ついにナセルを追い詰め刑務所に収監する。しかしそれで終わりではない
ってのも何と130分の尺もある長編映画ですから
ここからは捕まったナセルが物語の主人公に変貌していくんですね
ここからのサマドは完全に脇役
さすが大物麻薬界に君臨するボスですから、彼のサマドへの報復的なっていうか法律の裏表を駆使しての攻防戦が始まり
ある意味サマドも一時は苦戦するものの
サマドの生い立ちとか、底辺からのし上がっていく様とか
誰が悪いというよりは現代イランが抱えてる闇の世界が彼みたいな大物を生み出していくという社会派ドラマだったかな
それにしても公開処刑みたいな死刑ですよねぇ
イランの現状が見られる貴重な作品でもあったような
全編緊張感に包まれた作品でしたので長尺にも拘らずに最後まで見てられた
小手先でCG使ったりするような作品でないものの
実に面白く見られた作品でしたねぇ
2019年製作、イラン映画
サイード・ルスタイ脚本・監督作品
出演:ペイマン・モアディ、ナヴィド・モハマドザデ、ファルハド・アスラニ、パリナーズ・イーザドヤール
