積極的に日本映画を見ていこうと言う企画で視聴した作品
なんだろう、映画の情報入れないからねぇ
こんなに重たい作品だとは思ってもみなかったし、スケベ心で尾野真千子でR -15ならちょっとHな方向性ものぞめるかな
くらいで見始めたら、最後までズンズンっていうかズブズブというか、重たさが私の心の中でどんどん比重が増してきて
完全に救いの見えない作品だったような気がする
まずはオダギリジョーさんが気楽に自転車転がしていて
元政府高官の高齢者が車の操作を誤りアクセルとブレーキを踏み間違えてしまったことによって死んでしまったところから始まります。
この設定は次のシーンにも重要につながってくるんですが
このオダギリジョーので妻である尾野真千子さん演じる田中良子が、この加害者が天寿を全うした葬儀の参列を拒否られるんですね
まぁ実際に元一級国民である老人が東池袋で母子をブレーキとアクセルの踏み間違いで殺傷した、あの事件からヒントを得たオープニングなんですが
劇中ではその事故は七年前に起き、当時認知症ということで加害者は無罪
良子は加害者やその家族から謝罪の言葉がなかったからと言う矜恃から、賠償金の請求権を拒否していたりして
7年間公団住宅に住み、カフェ経営で子育てしてきたのですが
このコロナ禍でカフェも閉めざるを得なくなり
今では昼はDIYセンターで時給930円のアルバイト
夜はお口専門の風俗で時給13500円で中学2年になる息子と暮らしている
なんか香典10000円とか、その時々の出費額が表示されるのが実に切ない
息子は母の夜のアルバイトは知らないんですが
学校で上級生から売春婦の息子とイジメを受けていたりする
そうなんですこの親子実に精一杯生きているのに
彼らの生き方に関係なく悪い方に悪い方にと人生が回っていく映画
よくまぁこんだけの不条理な出来事をおもいつくもんだってくらいにのしかかってくる
普通に生きてるはずなんですが負の連鎖は止まるとこを知らない。
そう周りの人間、特に登場する男どもは全くみんな悪い奴ばっか
中学時代に想いを寄せていた男と偶然出会って
昔の感情が蘇る良子さんですが
男は単なる肉体関係だけ、なんとこの男となら再び家庭が持てるかもカモって
風俗やめて、ピロートークで愛の告白したら完全にすかされしまったり
風俗嬢の仲間のおねえちゃんはいい人
底辺に生きる人だけが分かり合えるって言うのかなぁ
この風俗嬢も負の連鎖に振り回される一人
やり場の無い憤りが良子さんの頂点に達した時に、そのベクトルは自分を弄んだ男に向かう
そう包丁を持って・・・
その危機的状況を救うのが風俗のお姉ちゃんと風俗店の店長さん
その危機的状況を救うのが風俗のお姉ちゃんと風俗店の店長さん
まさに底辺に暮らしている人間同士の連帯感
そこにこの映画の本質が見え隠れしていたのかな
尾野真千子さん然りですが、息子の中学生を演じていた和田庵と、同僚風俗嬢を演じていた片山友希さんの演技も素晴らしかった
「空白 」といい、
この映画といい、日本映画も捨てたものではないなぁって感じさせてもらえた
しかし、どっちの映画も内容が重すぎる
2021年製作、日本映画、「茜色に焼かれる」film partners作品
石井裕也原案・脚本・監督作品
出演:尾野真千子、和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏、大塚ヒロタ、芹澤興人、前田亜季、笠原秀幸、鶴見辰吾、嶋田久作