柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

私の好きな家族葬

2008年12月12日 | 家族葬
突然、葬儀をお手伝いすることになり
「家族葬」に携わりました。

「家族葬」これは、今、皆さんが一番望まれている葬儀です。

確かに、故人と社会の接点がなくなっているなら
家族と親戚、又は親戚同然の人達だけで送る葬儀は
とても良い別れの場になります。

でも、皆さんが「家族葬」を選択するのは
*義理で来てもらう必要はない
*無駄にお金をかける必要はない
これが大きな理由だと思います。

私が「家族葬」がいいなぁ・・・と
思う理由は、もっと他にあります。

今までの葬式は、あまりに形式化していて
親戚でさえ、棺の中の故人に触れることもなく
終わる式でした。

葬式は葬儀社から言われるままに行なうものでした。

遺族も親族も、決められた時間に来て
決められた席に座り、式を終える。

故人を送る場に列席しているだけでした。

私は故人との別れを
家族や親戚の方に考えていただくことに重点を置きました。

故人に触れる
故人を思い出す
故人のために何が出来るかを考える

その方向に皆さんを誘い出すのが
私の役目です。

そのためには
故人の話をふんだんに聞き出すこと。
これは、故人らしさを葬式に出す為だけでなく
家族や親戚の人に
自分の中にある故人を、語ってもらう為です。

故人に触れるとは、手で触れるばかりではありません。
心で触れるのです。

私は納棺も大切にしたい時間です。
旅支度が重要なのではなく
死んだ人の行く末を案じる
その為に、自分がしてあげる事がある・・・
これが大事だと思うのです。

旅支度の道具の説明ではなく
心の説明をします。

そして家族葬をする最大の理由は
故人を愛していた・・・ということです。

もし故人に愛情を感じないのなら
「家族葬」は色あせた物になる。


そう、考えています。

だとすると、
故人は皆のそばにいたほうがいいですね。

それなら
祭壇は要らない・・・というより
祭壇のあり方を考えたほうが良い

祭壇は壁のようにそびえる必要はない。
棺を囲む必要はない。

さて、それならどうしたらよいか???

もし、葬儀社にとって祭壇が必要なら
家族が、お金を出してもいい、と思う祭壇つくりをしないとね。

家族は高価なものはいらないと、言いますが
納得できるのもなら、多少の費用は納得します。

今回、私は棺の周りに、チョットお花を奮発してもらいました。

祭壇無し、供花なし、屏風無し、礼状無し、受付無し

棺と花と経机、遺影、焼香台・・・・用意したのはこれだけです。
設営時間は1時間半。

家族葬の支度はシンプルに、人手もかけない
だけど、中身は濃いのです。