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育鵬社の公民教科書を逆転不採択 石垣、与那国は「無効」と反発

2011-09-09 16:33:35 | 日本

「つくる会」教科書異例の採択撤回 与那国町、石垣市は無効主張、騒動続く



http://www.j-cast.com/2011/09/09106879.html?p=all



「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社の教科書の採択をめぐり、沖縄県の八重山地方で異例の事態が発生した。地区の「協議会」が、一度は育鵬社の公民教科書を選定したものの、協議会を構成する自治体の教育委員会のひとつが不採択にした。

その後、県の教育委員会の提案で、自治体の教育委員全員の協議で決められることになり、結局不採択が決まったのだ。地元メディアは、不採択を歓迎しているが、「つくる会」を後押ししてきた産経新聞は「ゴネ得」などと決定のあり方に批判を強めている。




  8月23日に賛成5、反対3でいったん採択決定


問題が起こっているのは、八重山地方の石垣市、与那国町、竹富町の3市町村で12年度から4年間にわたって使用される中学校の公民教科書の採択作業だ。この3自治体は共同で教科書の採択を行っている。教科書無償措置法では、共同で採択する場合は、その地域で同じ教科書を採択することが義務づけられている。

3自治体の教育長らでつくる「八重山採択地区協議会」は2011年8月23日、賛成5、反対3で育鵬社の公民教科書を採択することを決定。石垣市と与那国町は協議会の決定通りに採択したものの、竹富町の教育委員会は8月27日、「協議会の進め方に問題がある」などと全会一致で不採択を決定。東京書籍の教科書を採択した。

なお、育鵬社の教科書をめぐっては、

「考えが復古的で、国際協調や平和への努力よりも、中国の脅威を強調し軍事抑止力を前面に掲げているのが特徴だ。基地の負担軽減を求める県民の願いにも触れていない」(8月26日、沖縄タイムス社説)
と、地元では根強い反発がある一方、東京書籍版は

「憲法の平和主義を評価。公共の利益を政府が一方的に判断して個人の人権が制限されてはならないとするなど、育鵬社版とはだいぶ趣を異にする」(9月9日、琉球新報社説)
と、県内では評価が高い。





  産経新聞「民主主義のルールに反する決定」


8月31日には3自治体の教育庁が協議したが溝は埋まらず、県の教育委員会が教育委員13人全員による協議を提案。採択をやり直すことになった。9月8日に行われた協議は議事の進め方や、協議の場の位置づけをめぐり紛糾。約6時間に及んだ。結局多数決が行われることになり、退席した与那国町の崎原用能教育長を除く12人のうち8人が東京書籍版の採択に賛成し、育鵬社版は不採択とされた。


この議決をめぐっては、地元メディアは歓迎する一方、産経新聞は大反発している。沖縄タイムスは9月8日夕方にPDF版の電子号外を出して大きく報じたほか、琉球新報は翌9月9日の記事で、

「『つくる会』系教科書の不採択を訴えてきた住民らは、平和と人権の尊重を求める『民意』の勝利を喜んだ」
と伝えた上で、社説でも

「国民主権、平和主義、人権尊重を柱とする日本国憲法や沖縄戦の教訓などを大切に思う、地域住民の声、民意を反映した妥当な判断が下されたことを評価したい」
と育鵬社版不採択をたたえた。

一方、産経新聞は、この問題を9月9日朝刊の1面で

「適正な手続きを踏んだ協議体の決定が別の協議体により覆されたのは、昭和38年(編注: 1963年)に現行の教科書制度が始まって以来、初めて。民主主義のルールに反する決定といえ、波紋を広げそうだ」
と批判。3面には「『ゴネ得』は制度崩壊の危機」と題した解説記事も掲載した。

決定を覆された形に、与那国町、石垣市は「合意はしておらず、議決は無効」と主張しており、今後も紆余曲折が予想されそうだ。

2011/9/ 9 19:54











育鵬社の公民教科書を逆転不採択 石垣、与那国は「無効」と反発


http://sankei.jp.msn.com/life/news/110909/edc11090901260000-n1.htm


 沖縄県石垣市と与那国町、竹富町からなる「教科用図書八重山採択地区協議会」が選定した育鵬社の公民教科書を、竹富町教委のみが不採択とした問題で、3市町の教育委員全員による協議が8日、石垣市内で開かれた。県教委の指導で採択のやり直しとなり、賛成多数で育鵬社が逆転不採択とされた。適正な手続きを踏んだ協議会の決定が覆されたのは、昭和38年に現行の教科書制度が始まって以来、初めて。民主主義のルールに反する決定といえ、波紋を広げそうだ。

 石垣、与那国両市側は「3市町間の合意を得ておらず無効」と強く反発。与那国町側は育鵬社採択を維持する意向で、さらなる混乱が予想される。

 3市町の教育委員13人全員が集まった八重山教育委員協会の臨時総会で、県教委はこの日の協議を新たな採択の場とするよう求めた。しかし、同協会は任意の親睦団体で、採択に関する法的権限はない。

 このため適正な手続きに基づく協議会の決定通りに育鵬社を採択した石垣市の玉津博克教育長と与那国町の崎原用能教育長が反発。協議が紛糾する中、採決による採択方法が提案され、玉津、崎原両教育長は拒否して退席。協議は約1時間にわたり中断した。

 協議では結局、採決で採択することが賛成多数で決定。採決では議長を除く賛成7人、反対4人で育鵬社が不採択とされた。崎原教育長は棄権した。代わりに、竹富町が採択していた東京書籍が採択された。

2011.9.9 01:24








育鵬社の教科書問題 これは教科書採択制度の危機である


http://sankei.jp.msn.com/life/news/110909/edc11090901290001-n1.htm


 沖縄県教委はこれまでの八重山採択地区協議会とは別に、3市町の教育委員全員による新たな協議の場を設け、多数決で育鵬社を不採択にした。すでに石垣市と与那国町の両教委は、協議会の結論を踏まえ、採択手続きを終えていた。県教委のやり方は法的にみても、疑問だらけだ。

 採択制度とは、党派的な圧力や政治的な糾弾、妨害などから教育委員を守り、彼らの目にかなった教科書を選び、子供に届けるという大切な制度だ。公教育を守るためにあるといえる。協議会は、地区内の教科書を同一にするという法律に基づいた組織で、すでに議決は終わっている。

 「不採択運動が激しい」「地元メディアの糾弾キャンペーンが収まらない」との理由で、いったん決まった特定教科書を狙い撃ちし、新たな協議の場を設けて議決を覆すのでは、一体、何のための採択制度なのか。

 守るべきは協議会の議決に基づく選択であり、指導すべきは違法状態を生んだ竹富町だったはずだ。こうした要求を通せば、“ゴネ得”が際限なくまかり通り、採択制度は崩壊する。

 県教委の「不当な採択介入」とともに、文部科学省の動きが鈍かったことも重大な問題だ。採択制度の崩壊は、民主主義に基づく教育委員会制度の危機でもある。協議会の決定を横暴に覆した県教委。制度の危機を黙認し、なすべき指導をしなかった文科省。両者の責任は厳しく問われそうだ。


2011.9.9 01:27







育鵬社の教科書問題 反対運動と一体 「無法」な県教委


http://sankei.jp.msn.com/life/news/110909/edc11090901310002-n1.htm


 「沖縄県教委は無法状態」。8日、石垣市と与那国町、竹富町からなる「教科用図書八重山採択地区協議会」で選定された育鵬社の教科書が一転、不採択とされた。識者からは県教委の“ご都合主義”の指導に「育鵬社反対運動と一体」と批判の声が上がった。

 「協議に戻らないと、地方教育行政法違反になりますよ」

 8日に開かれた3市町の教育委員全員による協議。県教委の関係者は石垣市教委の関係者にささやいた。

 採決による採択のやり直しを強引に求める県教委に対し、石垣市の玉津博克教育長は退席。約1時間にわたり“抵抗”を続けた。

 育鵬社を選定した8月の同協議会では、3市町の教育長を含む教育委員2人ずつと学識経験者、保護者代表(PTA)の8人による採決で、賛成5、反対3だった。しかし、教育委員全員の13人では竹富町の5人が全員反対のため、採決に持ち込まれれば不採択が目に見えていたからだ。

 同法は、教育長にすべての会議への出席を求めている。県教委の「指導」で、法律違反を恐れた玉津氏は協議に戻った。案の定、同協議会の決定は覆った。


 法律に基づき、玉津氏を指導した県教委だが、そもそも教育委員全員による8日の協議は、採択に関する法的権限のないものだった。竹富町側が育鵬社を2度にわたり拒否したため、県教委が打開策検討の場として開催を要請した。


 ところが前日に急遽(きゅうきょ)、採択やり直しの場として位置づけると決定。協議では県教委の担当課長が「協議には法的拘束力がある」と強調し、議論を進めた。文科省は「3市町の合意」を条件に協議を採択の場として認めたが、石垣、与那国両市町側が「合意はない」としており、今後、採択の有効性が焦点となる。その文科省は、これまで「県教委が事態を収拾すべきだ」という態度を崩していない。

 同協議会関係者は「まるで育鵬社を不採択とするためのような指導で、県教委は無法状態だ」と非難。ある教育委員経験者も「民主的に決まった議決を県教委が横暴に覆した。各地で同様の事態が起きた場合、採択制度に基づく議決が守れなくなる」と懸念を示す。


 ジャーナリストの櫻井よしこさんは「育鵬社の教科書は国の検定を合格したにもかかわらず、沖縄のメディアは連日、キャンペーンを張り、批判し続けた。県教委は本来、公正な採択を守る立場のはずなのに、批判に流され、加担してしまった」と逆転不採択を批判する。



2011.9.9 01:29



















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