二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

酔耀会(鍼灸研究会) 平成24年2月

2012年03月17日 | 酔耀会(すいようかい)

いや~本当にブログの更新が滞ってます。先日も友人から「ブログ更新してね~じ~(金沢弁)、楽しくね~わ~」と苦情を 指摘を 頂きました。ということで、いろんなことが一段落したので、少しずつ書いていきたいと思います。

2月15日(水)、酔耀会がありましたので参加しました。

 内 容 

1.症例報告 : 「患者中心の医療を目指す」

【橋本先生】
 耳鳴りが主訴で来院した患者さまの症例報告ならびにアクシデントから、その対応という内容でした。症例報告とアクシデントとその対応という内容が混在しており、少し的を絞り切れていなかったです。症例報告というのは、患者のこの病状を発症したヒストリーを辿り、症状や身体所見から病態を把握し、治療を行ったら、どう変化したか、そして、その結果をどう考察するかというものです。インシデントやアクシデント報告は、その経過の中で結果的に発生した有害事象の原因を探り、そのミスを起こさないようにしていくものです。両者をともにやろうと思うと、一つの報告で膨大な資料とデータが必要となります。
 今回は、その辺りも勉強できたと思うので、次回の発表は、さらに進歩した発表となるでしょう。

2.症例報告 : 「顔面神経麻痺後の異常共同運動(痙攣)に対する鍼灸治療の体験

【太田(和)先生】
 九州の地、福岡へ旅立つ前の最後の発表でした。
 ただ単にそこが痛いから鍼灸を行う、そこに症状があるから、その部分に鍼灸を行うのではなく、患者の訴えと症状から、どこに症状の原因があるのか病態把握を行い、身体をイメージして鍼灸をすることが大切です。現代解剖、生理学を基にした治療にしても、東洋医学的治療にしても、「何でそこに治療するんや」ということが説明でき、把握していれば、それは進歩になるわけです。その点、患者を時系列的に捉えていなかったし、患者像が浮かびあがってこなかった。
 
足りない所がたくさんあるのは当たり前、そこを補っていけばいいのです。それには、失敗することも大切。しかし、いざ臨床の現場に出れば、一年生でもベテランでも患者にとってはレギュラーなのです。自分を治療してくれる鍼灸師に変わりはないわけです。福岡でのさらなる成長をお祈りしますよ!

3.課題発表 : 「サルでも出来る接触鍼入門」

【安井先生】
 鍼灸、操体法、整体の理論を併せて、身体の歪みというものに着目して、その症状はどこが起因となって「痛み」など症状を発症するか安井先生なりに、前回からの追試や考察を重ねました。その結果、身体を家という構造物に例えると最終的には、地面との接点であり、身体を支える土台となる足部に原因があるということに辿りつきました。
 その理論を基に、ストレッチよりも鍼。鍼のやり方では接触鍼が効果を及ぼす場合が意外にあるという話でした。その理論構築の概要、追試の流れ、治療方法、鍼の手技、気付いた点、効果の考察、経筋との関連、症例(著効例・無効例)、について説明がありました。
 実技も加えての発表でしたが、この柔らかい手つきは、サルにでもできないのですな~これが。やはりすぐに自分のものになる治療方法なんてないですね。形は真似できますが、その真なる所は、何回もやって、何度も見て初めて本当に自分のためになるのです。そのために情報を得ることは大切です。勉強、大切です。

 


 土光敏夫さん 曰く…

人間は年中”教えられる立場”にだけ置かれているとダメになってしまう。よろしく、時に部分的にしろ”教える立場”を与えねばならぬ。

教えられながら教えることによって、人間は素晴らしい成長を遂げるのだ。

一人ひとりに、職場における能率、提案、安全、レクリエーション、美化などの役割を輪番で分担させる。全員がリーダーを体験させるわけだ。
すると、生まれ変わったように立派になる。人は教える立場につくことによって、初めて自覚的、自発的、自主的になる。

えあい学び人は互いに教あう関係において、初めて心を許す。人はどのような地位にあろうと、リーダーシップを発揮することを好む。

と言われています。

発表するというこは皆に自分の研究や症例、勉強の成果を教えることでもあります。発表することで自分が少しずつ成長していくということです。鍼灸マッサージ師は、患者さんと一対一の関係です。それが治療院を構えていようが、勤務していようが同じですね。

リーダーシップをとり、自覚的に、自発的に、自主的に、互いに学び教えあうためにも勉強の場に参加することは大切です。

酔耀会の面々は、そんな愉快で、偏屈で、熱い集まりです。

二葉鍼灸療院 田中良和

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