二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

不妊症と鍼灸治療 ~当院の治療の流れと・妊娠報告~

2014年04月11日 | 不妊症

またまたまた、お久しぶりのブログ更新です まる2ヶ月ブログの神様が降臨しませんでした

現在も未だ天使(お子様)とめぐり合うことができずに悩まれ、一つの方法として鍼灸治療を選択された患者様が多く御来院されています。メールでもリクエストもありましたので  当院における不妊症に対する鍼灸治療 をもう一度掲載しま~す

≪当院の不妊症に対する治療方法≫

①問 診(医療面接)
 不妊治療歴や生活状態、月経周期や月経状態、旦那様の体調、不妊症以外の身体の状態など、お話をお聞きしていきます。

  ※不妊治療歴などを初診の際に患者様がお書きになって持ってきて頂くと問診がスムーズに進みます。

②診 察
 お腹の状態、脈の状態、舌の状態、皮膚の状態、姿勢など身体を総合的(東洋医学的・現代医学的)に診ていきます。

③問診と診察の状態や患者様の現状を加味して治療方針を決定
 目標は妊娠・挙児ですが、そこに至るまでのプロセスとしてどのような治療方法で進んでいくか御相談させて頂きます。

④治 療
(1)基本治療
  生体機構制御療法(療法)・・・黒野式全身調整基本穴(13穴)に対して筋膜に圧を加えるような浅い(6~7mm)刺激で鍼を行います。
(2)手足の要穴への補助治療
 骨盤内臓の循環やホルモンバランスの調整をより効果的に行うための補助治療として手足の要穴(脳など中枢へ刺激が伝わりやすいツボ)へ鍼を打ちます(必要な場合)。
(3)超音波の併用治療
 当院(グループ)では、師匠である黒野先生の鍼と超音波の併用治療における論文を基に、併用治療を行うことにより、鍼治療の効果をより一層高める方法を行っています。頸肩背腰部(基本穴相当部)の超音波治療により、細胞レベルでの活性化(新陳代謝)、深部微小循環改善を行います。
(4)冷えが強くみられる患者様を中心に電子温灸器のを併用治療
 仙骨部、腰部、臍から下腹部にかけて電子温灸器により、骨盤内、腹部の血流循環促進を行います。
(5)下腿へのパルス通電治療
 (1)の治療効果をさらに高めるため、足の要穴(ツボ)を選び鍼を行い、心地よいパルス通電を行います。下肢や骨盤内の循環を改善するだけではなく、リズムのある心地よい刺激で脳の循環やホルモンの機能を活性化を目的とします。
(6)円皮鍼による補助治療
 必要な場合、手足合わせて4か所ほどに円皮鍼を行います。0.6㎜ほどの小さく丸いテープについた鍼を貼付して、次回来院時まで貼りっぱなしにしていただきます。

⑤治療時間・治療間隔・治療期間の目安
 初診時は1時間から1時間20分ほど、次回からからは40分ほどの治療時間となります。(予約ではありませんので、少しお待ちいただく場合があります。ごめんなさい


◎上記のような治療方法を、患者様に適した方法を探りながら、週2回(最低でも週1回)の治療間隔で行います。
◎まず、3か月(3周期)はこの間隔で通院いただき、体質を改善していきます。身体を構築するタンパク質は3カ月で90%ほど入れ替わります。また、臨床的にも3カ月が一つの目安となります。
◎3か月が経過すると、鍼灸刺激により自然治癒力が回復された生体が体調の調整を行うようになります。その証拠に体調が良くなってきます。生理痛、頭痛、腰痛、イライラ、便秘、冷え、消化不良など胃腸の症状、など不妊症とは一見関係のない症状(不定愁訴など)が改善されます。これが実は大切なことでもあります。
◎当院の治療は、生体の統合的制御機構(身体に張り巡らされている恒常性維持や自然治癒力・修復力など、身体を正常な方向に維持する働き)を活性化する治療を基本(治療方法①です)に行います。


 受精-妊娠は卵巣と子宮で行われるわけですが、これらは多くのホルモンの作用を受けて働いているのはご存知だと思います。その指令を出すのが脳にある視床下部であり、視床下部は血液の中のホルモンの量を察知して、脳下垂体(前葉)にホルモンを出させるようにホルモンを放出します。脳下垂体からは、卵巣へホルモンを放出し、卵巣や子宮に刺激を与えます。こうして月経周期が成り立っています。
 月経周期や妊娠にしても必ず脳機能が関わってきます。脳は先端科学により様々なことがわかってきましたが、未だわからないことのほうが多いようです。視床下部より上位には大脳辺縁系の他の部分、大脳基底核、大脳新皮質と、生命維持機能に関わる脳幹など、さらに人間としての複雑な機能が搭載されています。


 鍼灸治療は必ず脳機能に影響を及ぼしています。視床下部-脳下垂体-卵巣・子宮さらには、大脳新皮質や大脳基底核、辺縁系などにある脳内モノアミン(セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミン・グルタミン酸・GABAなど)などの調整など、広い観点から身体を診て治療いたしております。骨盤腔内や腹部の血液循環改善や仙骨や腹部の副交感神経系などの活性化など、末梢レベルも視野に入れることはもちろんです。
 また、視床下部や脳下垂体というところは副腎とも内分泌としての繋がりがあります。副腎からは身体のミネラル分を調節したり、糖分を調節したりするステロイドホルモンや、興奮したときにアドレナリンを分泌する重要な器官です。ストレスが常にかかり慢性化すると、副腎皮質からコルチゾールという物質が放出され、身体が常に緊張状態(戦いの態勢)となります。鍼灸治療で副交感神経が優位になれば、ストレスが軽減され、視床下部や脳下垂体の働きも良くなるということです。
 故に、脳機能から身体の末梢まで考慮した治療方法は、身体の自律神経系、免疫系、内分泌系の自然治癒力を高め、身体に備わっている生体恒常性維持機能が適切に働き、身体をその環境に適応した元気な状態にしていきます。そのような状態にもっていくことが体質改善であり、赤ちゃんができやすい身体(脳、卵巣、子宮)づくりになると考えています。

⑥日常生活改善のススメ
 (1)適度に身体を動かしましょう。本来の人間の姿は太陽とともに活動します。運動の効果は多く証明されています。
 (2)食事はバランス良くとりましょう。基本は和食です。特に日本人が足りない、ビタミン・ミネラル・食物繊維を十分にとりましょう。緑黄色野菜、根野菜、海草、果物、大豆、イモ類・穀物(できれば胚芽米・玄米・全粒粉小麦・粟・ひえ など)、発酵食品など。よく噛んで食べましょう。冷たい食べ物は控えめに。
 (3)睡眠は十分にとりましょう。8時間眠ることができればベスト(充実した睡眠時間はそれぞれ違いますが)。
 (4)心を安らかに保ちましょう。感情的(怒など)になってもいいですができるだけ短めに。楽しいこと、感謝の気持ち、温かいこと、うれしくなるような心の状態を心がけかましょう。
 (5)身体を冷やさないようにしましょう。
 (6)大きな呼吸(深呼吸・腹式呼吸)を心がけて行いましょう。呼吸は鼻で行いましょう。のどの扁桃は重要な免疫器官です。口で呼吸をすると、ここが乾燥し免疫力が低下したり、内分泌系に悪影響を及ぼします。
 (7)今、自分が存在することに感謝しましょう。そこから始まります。


 鍼灸治療で子宮周辺の血流が改善されたり、脳(神経機能)に良好な影響を及ぼしたり、免疫機能や自律神経機能を改善したりという報告はありますが、鍼治療だけをしたから妊娠するかというとそのようなものでもありません。女性の年齢、生理の状態、旦那様の精子の状態等、専門医の治療が必要な場合が多いのも事実です。

 鍼灸治療は上記で御説明したように身体全体と局所の両方からアプローチすることにより、より良い身体(子宮・卵巣)をつくり、専門医の治療の補助となったり、身体を健康に保つことでエネルギーを生殖の方に仕向けたり、また、胃腸機能を向上させることにより、漢方薬や効果があると言われるサプリメントの効果を相乗的に高める機能もあるのではないかと考えております。

 未だお子様とめぐり逢うことのできない御夫婦のもとにできるだけ早く、出逢いを演出させるために微力ではありますが、鍼灸治療でその後押しのお手伝いをさせていただけたら有難いなと思っています。

 昨年4月にブログで御報告(6名)してから現在まで19名の皆様から妊娠という素晴らしい報告をいただきました。簡単にその御報告をさせていただきたいと思います。 が、 長くなりましたので、次のブログに書かせていただきます。


    二葉鍼灸療院 田中良和

コメント
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