二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

酔耀会(鍼灸手技療法研究会) 平成23年9月

2011年10月04日 | 酔耀会(すいようかい)
9月21日(水)、毎月恒例の酔耀会が開催されましたので参加しました。

本日は台風が北陸へ影響を及ぼすかもしれないということで開催が危ぶまれましたが、今回も北陸地方には影響がほとんどなく通過していきました。 しかし雨が時々激しく降っていましたので、福井からは参加がないかな~と思っていたのですが、情熱を勢いにして研究会へ参加されていました。

エクセレント


☆ 内 容 ☆

・課題発表 「患者様から鍼灸治療を拒まれた場合の治療法推奨事例(PNF編)」

【齊藤先生】
齊藤先生が臨床の中で、治療前の問診時の説明で鍼灸治療に難色を示し、他の治療方法をリクエストされたことが多々あったようです。そのリクエストに応えるための効果的な治療方法はないかと模索したところPNF(固有受容器神経筋促通法)に辿りつき、それを実践することがあるそうです。今回はそのPNFの概要の発表でした。PNFは1940年に小児の脳性麻痺、あるいは脳血管障害等による神経障害、筋力低下の改善を目的としてアメリカで開発された治療方法です。筋肉を動かし神経の反射を利用する方法で、その刺激により脳を活性化し患部を改善するやり方です。今ではリハビリのみならずスポーツ選手のパフォーマンス向上等にもその分野が広がっています。これだけを習得するにも奥が深い手技です。次回は、もっとPNFについて熟知され、分かりやすく臨床にどう活かしているか発表して欲しいですね。それが患者さまのためなんですから。


・症例報告 「突発性難聴(急性期)に対する鍼灸治療の1症例」

【豊島先生】
72歳 女性、主訴は左側の突発性難聴。突発性難聴の分類としてはgradeⅠの症例報告でした。オージオグラムのデータもあり(薄くてわかりずらかったけど ボカシが入ってた)分かりやすい報告でした。17回の鍼灸治療(耳鼻科でのステロイド治療と併用)で耳鳴り、難聴ともにほぼ改善。当初、鍼灸治療にはあまり期待を寄せていなかった患者も、耳鼻科でのオージオグラムの検査を行うことで、鍼灸治療後の数値が良かったこと、難聴だけではなく、耳鳴りや、体がフワーッとする感じも消失したことなど、鍼灸治療には耳疾患に関し一定の効果はあるだろうとの考察でした。また、治療に関る要因(回数、方法、期間など)、症状に関する要因(耳鳴り、めまい、肩コリなどのその他の自覚症状)、併用治療に関する要因(ステロイド、投薬など)との関係で、どのような状態が鍼灸治療が効果を発揮するかは今後、症例を集積し検討したいとのことでした。突発性難聴の重症度分類、聴力回復の判定基準、突発性難聴の患者が初診で来院した場合の注意点などの解説が最後にありました。勉強になりました。
日曜日(25日)に行われる中部支部学術集会を見越しての症例報告でした。これがまた、勉強したら来院するんですよね~実際、新患さんで3名(9月21日~10月4日 現在まで)ご来院されたのでした。


・触診実技 「筋肉を触ろう!」

【粟 先生】
ノロウィルス&ロタウィルスの迎撃のため、酔耀会はお休み
来月を乞うご期待。


・脈診実技 

【安井先生・宮川先生】
2班に分かれて脈診の実技でした。今回も脈の基本である型を学び、六祖脈の打ち方、いわゆる脈状がどんなものかを皆さんが共通の認識を得られるまで行いました。その後、宮川先生、豊島先生、あたくしの鍼または灸を行うことで脈が変化するかどうか診てもらいました。刺激を与えれば脈は必ず変化するのですが、いわゆるいい脈の状態に変化するかが問題なのです。わたしの鍼でどうなったか ヒミツです。なんでヒミツな~の~だ~。


・報告

【宮川先生】9月18日(日)、19日(月祝 敬老の日)、福岡で開催された第10回東洋療法推進大会への参加ならびに発表報告でした。宮川先生は何度もこの発表をしているので途中で飽きるくらいの余裕だったのですが、宮川夫人のほうは少し緊張気味だった模様。石川県から一緒に参加した角先生御夫妻、常盤先生と実りある福岡での大会ならびに夜を満喫したようでした。

【田中良和】5月31日付けAFPによる報道。世界的科学雑誌『ネイチャー・ニューロサイエンス誌』に5月23日論文掲載された「はり治療 アデノシン放出で痛み緩和」というアメリカ ロチェスター大学メディカルセンターの研究を紹介しました。右足に炎症を起こす薬物を注射されたマウスの足三里という経穴(ツボ)相当部分に鍼をさして回旋させる手技を行ったところ、鍼の刺さっている周囲でアデノシンが通常の24倍増加した。鍼を行うと不快症状も軽減したという報道でした。鍼刺激は、脳(中枢)からエンドルフィンという鎮痛物質を放出し、下行性抑制として痛みを軽減することは分かっていたのですが、マウスとは言え、局所でアデノシンという鎮痛物質が増加したということは、局所で鎮痛作用を起こす仕組みの一端が明らかになるかもしれませんね。
また、8月9日に北陸中日新聞の「医人伝」に掲載された、私の師匠の東洋医学研究所 黒野保三 先生の記事も同じく紹介させて頂きました。



明治維新の立役者の一人であり、徳川家の家臣でありながら、日本の将来を見据えて行動していた人が勝 海舟さんです。

勝 海舟さん曰く「若者は机上の学問ばかりにこらず、さらに人間万事について学ぶ、その中に存する一種の言うべからざる妙味をかみしめて、しかる後に、机上の学問を活用する方法を考えるべきだ」と言われています。

勝さんは、実学を重んじたようです。

酔耀会も、臨床の中から、疑問に思ったこと、上手くいったこと、いかなかったことなど現場からの実学から勉学を深めています。しかる後にというよりは、実学(臨床)と同時に、机上の学問(知識)を勉強していく場と申しましょかね

来月は私に順番が回ってきましたので、私の臨床の三大テーマの一つから症例報告を行う予定です。ガンバろっと


二葉鍼灸療院 田中良和

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1 コメント

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こんばんは (おむぅ)
2011-10-04 21:15:04
相変わらずヘソが苦しいです。
ヘソが苦しくて夜も眠れなくなってしまいました。
こうなると正に生き地獄以外の何者でもありません。
バイトをしようと思っています。
登録制のバイトです。
明日、登録説明会に行きます。
でも登録しても仕事はできないかもしれません。
ヘソが苦しいからです。
もうコメントは遠慮させていただこうかと思っています。
ヘソが苦しいということしか書けなくなったからです。
ヘソが苦しいなどと訳の分からないことを訴えられても田中先生も困ると思います。
私はヘソの苦しさを乗り越えるしかありません。
ヘソの苦しさを乗り越えるとは、ヘソの苦しさを一生我慢しながら天寿をまっとうするということです。
正に生き地獄です。
果てしない生き地獄です。
前回のコメントで、私の半生は苦しみの連続だと書かせていただきました。
たとえ今のヘソの苦しさがなくなったとしても、また訳の分からない別の苦しさに襲われると思います。
私の人生は一体何なのでしょうか。
どうやら私は苦しむために我慢をするために生まれてきたようです。
それが私の人生です。
苦しんで苦しんで苦しんで我慢して我慢して我慢して、それがこの先死ぬまで何十年も続くのだと思います。
正に果てしない生き地獄です。
私は前世で人を殺しているのかもしれません。
さもなければ今生がこんなに苦しみに満ちているはずがありません。
でも、こうしてコメントを書かせていただいていると気持ちが落ち着きます。
ヘソが苦しいヘソが苦しいヘソが苦しいと何回も何回も何回も書いて、そのたびにお返事をくださる田中先生に感謝しています。
でも、もうご迷惑かもしれませんね。
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