
第98回全国高校野球選手権大会(2016夏の甲子園大会)トレーナー活動回想録~開会式編~に引き続き、パート2としまして、~練習・サポート編~を書きたいと思います
今夏は試合を含め5日間のサポートとなりました。
朝早くに起床し、朝食をとり、準備をして練習にでかけ、昼食、夕食、ミーティングの間に施術があるというのが大体の日程です。
私は、練習会場まで選手と一緒にバスで移動し、少し練習準備やグランド整備等の手伝いをしながら必要であればトレーナー活動を行っていきます。テーピングが必要な選手は朝、早めに起きてもらい行うか、朝食から出発までに時間があれば、そこで行います。
練習から帰ってきてからが私の本業であり、ここにいる意味である身体サポートの仕事を行っていきます。バッテリーを中心に施術が必要な選手を順番に指名しながらこなしていきます。
就寝もそんな遅くするわけにもいきませんので(と言いながら消灯ギリギリまでかかってました)、夕食・ミーティングを挟んで前と後に効率よく施術を行っていきます。
私は、はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格を持っておりますので、特に鍼とあん摩マッサージ指圧を中心に施術を行うということになります。
あまり詳細には申し上げませんが、世の中には多くのスポーツトレーナーという民間の資格があります。日本には基本的に「スポーツトレーナー」という国家資格はありません。
あえて言えば(公財)日本体育協会が認定するアスレティックトレーナー(JASA-AT)がそれに当たるでしょう。さらに言えば、だからと言って身体に対して施術を行う行為は許されているかと言えば、許されていません。
トレーナーというと、いろいろなカテゴリーに分かれるかと思いますが、身体に触れてケアする「施術」を行うトレーナーであれば、私の所持する国家資格か、医師、理学療法士、柔道整復師などの国家資格を取得しないと本来は施術してはいけません。
この有資格の施術者の間でもやっていい施術と、やっていけない施術があります。このあたりが混同してしまっているのも考えものですが・・・
このあたりを書いていくと、これだけで永遠文章が続いていくので、ここで終了しますが、「治れば何でもいい」という声もよく聞かれますが(そうなのですが)、スポーツ障害を発症しての施術者や治療院選びには、やはり日本国の一定のルールを守っている所を選んでいただきたいなと思います。
さて、練習についていくと選手の動きがよくわかります。わかってもなかなか対処できない場合もあるので、まだまだ私もトレーナーとしての精進が必要なのですが、選手の動きを見るのと、見ないのとではやはり身体へのアプローチや言葉がけも変わってきます。
調子のよい選手、調子の悪い選手、その日の動きの悪い選手、特に施術が必要ないなと思う選手など、いろんなタイプが出てきます。そんな状態を見ながら練習終りなどに声をかけて、施術の順番を決めていくのです
今大会での星稜に関しては練習ではかなり皆、動きが良かったように思います。
ただ万全の態勢かと言うと万全ではありませんでした。これはトレーナーとしての私の責任も大いにあるのですが、すべての選手がベストの状態で、自分のパフォーマンスを甲子園球場で出せる状態であったわけではないことが私としての最大の悔いであり、反省点でもありました。
何とかここへ向けて、怪我のないカラダづくり、早期発見する予防体制を整えていかなければならないと強く感じた大会でもありました。
選手への細かいアプローチ方法については、ここでは詳細に書くことはできませんが、先ほど書いたように鍼とあん摩マッサージ指圧施術を中心にストレッチや運動法を組み合わせながら施術をしていきます。
マッサージ方法や鍼治療に関しても、いろんな方法がありますので、今後、さらに痛みを軽減し、よりベストな状態で試合に臨めるような施術方法や組み立てを構築していく必要があります。
また、トレーナーは基本、目薬であっても薬を渡してはいけません。そんな中で、選手によっては眠れない、鼻が詰まるなどの筋骨格系の不調以外の愁訴を訴える選手もいるわけです。
病院に罹ることが必要な場合もありますが、そこまででない、そんな症状に対しては鍼灸治療がよく効果を及ぼします。心身のリラックス(副交感神経優位)にも効果を発揮できるのも良いところです。
また、トレーナーは朝起きてから眠りにつくまで、ほぼ動きっぱなしであり、自分の体調管理も大切になってきます。選手やチームスタッフに迷惑をかけては本末転倒ですから・・・
とりとめなく書いてきましたが、選手の身体サポートを通して、やはり活躍してくれれば嬉しいし、逆に活躍できなければ「昨日のこの鍼が効かなかったかな」、「もう少しあそこを施術しておけばよかったかな」と、自分の責任の重さを感じ自己嫌悪に陥ることも多々あります。
そう、選手が活躍できなかった、試合に出れなかったのは、トレーナーの責任でもあるのだと思いながらいつも活動、勉強、研修しています。
星稜高校野球部のベンチ入りメンバーには、厳しい状況の中でも、いつもの力を発揮して、いい試合を展開して欲しいし、その積み重ねが勝利へとつながると思い施術を行っています。
体調は悪くはありません。あとはあの甲子園の雰囲気をどう自分のものにしてしまうか、なのかなと感じながら最終日のサポートを終了させていただきました。
そうそう、甲子園では練習場が割り当てられるわけですが、もう少しここを練習しておきたいという時に、やはり各地に散らばって活躍している星稜高校野球部OBや関係者の繋がりというのが強く感じられます。またそこで頑張っている選手たちも手伝いにきてくれたりし、現役選手たちにも大いに刺激になることもあるのです。
そんな時、「やっぱスポーツってええな~」と思うのです
練習お手伝い、ありがとうございま~す
何か本当に書きたいことを羅列してきました。
長くなりましたが、~練習・サポート編~を終了します。次回は、~試合編~となります。ご興味のある方は見てやってください
監督、選手は記者さんからのインタビューも受けないといけないからたいへん。
最後までお読みいただき、ありがとうございます
谷川君や待場君いますね。
そうです。
彼らが大学の練習は休日でしたが、お手伝いしていただきました。